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今からでも陰陽師になれますか?~0から学ぶ陰陽師~ -Human Origin-  作者: あっかんべー
第一章:見習い陰陽師になれますか?

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第9話 何でここにいるんですか?

門を潜るとそこに合われたのは、風に波打つ広大な草原だった。

見渡す限り何もない、しいて言うなら遠くの方に森が見える。

車も人も建物もない。気配も感じない。


「すっげ…。ここが、異世界…。」

「フフフ。初めて異界渡りをするとそうなりますよね。」

「阿部さんも?」

「もちろん私も初めて来たときは驚きました、空気は綺麗だし、長閑のどかな雰囲気で私も結構好きですよ?」


そう言って、清は優斗にはにかんだ様に笑いかけてくる。

その顔にドキっとしたが、すぐに元の真面目そうな表情に戻った。


「今回の目的は、皇居に入るためなので、すぐに異界は出ます。」

「あ~、ワープ的な感じで使用した感じかな?」

「はい、理解が早くて助かります。」


少し残念な気持ちを抑え指示に従う。



走ること20分、車は再度停止し、清がまた呪文を唱える。

光る門を潜るとそこには、写真やネットでしか見たことなかった皇居があった。


「さぁ、着きましたよ、車から降りてついてきてください」

「あ、あぁ」


黒沼さんに扉を開けてもらい、車から降ろされる。

彼女は皇居に入りなれているのか、優斗を案内しながら先導していく。

どんどん進んでいき、辿り着いたのは、大きな平屋の家屋だった。


「入ってください」

「わ、分かった」


玄関で靴を脱ぎ、建物内に入った優斗は周りをキョロキョロと見渡す。

まだ、深夜帯なのに人が動き回っていた。


(夜勤なのかは分からないけど、日常的に稼働しているのか)


そこには、多くわないが人が走り回っていた。

普通の夜勤では、こうも走り回るイメージがないので陰陽師はもしかしたら、とてつもなくブラックなのかもしれない。


「いらっしゃいませ。お話は伺っております、禍津様でしょうか?」

「わっ!!」


そんなことを考えていたら、後ろから声を掛けられびっくりしてしまった。

振り返り、声の主を探す。そこにいたのは、和服姿の妙齢の女性だった。

顔は美しく、肌も人形のように白い、そして、あまり生気を感じない瞳。


「只今戻りました、今より御屋形様へお目にかかりに伺いたいのですが、問題ないでしょうか?」

「えぇ、問題ありませんよ。」

「申し訳ありませんが、重要伝達事項が発生した為急ぎご報告に向かわせて頂きます。」

「分かりました。禍津様、また今度お話させてください。」

「えぇ、はい。いつか…。」


目が死んでいるせいかとても怖く、捕食者の圧を感じる。

逃げるように清の後についていき、姿が見えなくなったところで深く息を吐く。


「はぁはぁはぁ、彼女は何なんだ…。」

「彼女は、御屋形様の式神:貴人です。陰陽寮の中でも上位に位置する強さを持っています」

「えっ!人間じゃなかったのか!?」


貴人と言われた彼女は、優斗の目から見ても人間にしか見えなかったのだ。

式神かは分からないが、青龍は人間ではなかったし、


「日中は異界にいるのですが、今日みたいな多忙な日には仕事を手伝って頂いているんですよ、でも、今日は機嫌がよかったようですね、彼女から話しかけるなんてとても珍しいことですよ?」


そんなこと言われたって反応に困る。

いきなり、現れて人間じゃありません?ここは、お化け屋敷か何かなのか?



御屋形様といわれる人の部屋にたどり着き清が声を上げる。


「阿部清帰還いたしました。御屋形様、失礼いたします。」

「入りなさい。」


中の人に通され部屋に入る清と優斗。

中にいたのは、まだ、30代程の男性が座って書類を読んでいた。


「御屋形様、先程ご連絡させて頂きました、悪神に憑りつかれていると思われる禍津氏を連れてまいりました。」


えっ、俺って憑りつかれているの?

初耳なんですが!?


「ご苦労様。清、もう下がっていいよ?」

「…っ、しかし、御屋形様の身に何かあっては…。」

「ここに僕より強い人なんていないよ?」

「…。何かあったら声をお掛けください、扉の前に待機させて頂きます。」


そう言って、彼女は優斗を一瞥し退室していった。

そこまで信用されていないのだろうか。道中で少し仲良くなれたと思っていたのに…。


「ごめんね、なんか。」

「い、いえ。」

「彼女は明と違ってとてもまじめな子だからさ。」

「明?」

「あぁ、彼女の双子の妹だよ」


清には妹がいたのか。まだ、会ったばかりだけど、まだまだ知らないことが多いな。

考え込んでいると、目の前の男性がわざとらしく咳払いをする。


「こほん。僕は、現陰陽寮げんおんみょうりょう当主、六道りくどう隼人はやとだよ。早速本題に入らせて頂くね。君は禍津日神に憑りつかれているのかい?やり取りはできているのかい?」

「え、いや。今日初めて彼女と話をしまして。詳しいことは私の方でも、あまり…。」


―わっぱ、妾の方から話をしてやろう

 また、力をかりるぞ


「えっ!」

「????」


皇居敷地内に入ってから、気配を完全に消していた彼女が突然話し出す。

そして、また、急激に何かを吸われる感覚。今度は立っているのが、辛いくらい吸われている。今度は、急急如律行って言う必要ないの!?


「ふむ、顕現出来たな。そして、そちが今代の陰陽師当主か、まぁまぁな強さじゃの。」

「これはこれは、禍津日神の瀬織津姫様にそう言われますれば、末代までの誉れでございます」

「そうであろう、そうであろう」


バンっ!!!!!


いきなり、襖が力強く開かれた。

驚きながら、そちらに目を向けて目を見開いた。


「お兄ちゃん!!!!!」


なぜって?そこに妹が息を切らしながら立っているのだから。


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