第7話 異世界ってあるんですか?
俺、禍津優斗は、これから皇居に行くことになりました。
「本当にこれから皇居に行くのか?」
「えぇ、ただし、組織の名は表に出されていないので、裏から入りますよ?」
「裏からでも皇居に入れるのがすげぇよ……」
「さぁ、行きますよ?リンちゃん、今日はありがとうございました!」
「Krrrrrr……」
「解っ!」
清が手で何か組むと蛇?が消える。
あいつ最後までこっちのこと睨んでいたな……。
「なぁ、あまり荷物はないけど、取りに行っていいか?」
「そんな時間無いです、もう行きますよ?」
「えっ?」
彼女に急かされて、時間だけでもと優斗はスマホを見た。
2:01
時間が進んでいない。病室から逃げ出したときに俺は時間を見ていたはずだ。
間違っているはずもない。いや、焦っていたせいで、見間違えたか?
「……あの~、時間があまり進んでいないとかってありますか?」
「えっとですね、それh―」
―そりゃあのぉ~、帳結界が張っておるからのぉ~
「は、妖怪が発生した場合、陰陽師は現場で結界を使用し外部に影響が起きないようにするんです。」
う、うるさい。しかも、2重で説明されたし。あの~、説明ありがたいんですけど、見えない時に話しかけて来ないで貰えないでしょうか?
―仕方ないのぅ、久しぶりに封印が緩んで楽しくなってしもうてのぅ~
話しかけられているこの現状は、仕方ないと諦めましょう。
でも、楽しい、楽しくない、どうこうでは無く、話しかけられている事に反応すると変な目で見られるし、2重で話しかけられる普通に聞き取れません。聖徳太子ではないので!
―う、うぬ、なんか、妾に厳しくないかえ?
怖かったんですが、考えてみたら正直な話あのかわいい少女が見えなくとも自分の近く又は、自分の中にいると考えると状況が状況ですが、少しの気恥ずかしさはありますが、なんか嬉しい気もしなくはないです、正直。
―う…む。///////
なんか、照れてる?
話してみれば、意外と分かり合えそう気がする。
「……ですので、こうやって、結界を解く必要があるのです。」
『解っ!』
病院敷地を囲っていた薄い膜のようなものが消えた。と感じた。
優斗には、目に見えていたわけではないが、感じたとしか言えなかった。
そうして、先程は潜れなかった病院の門を今度こそ潜るのであった。
◇
黒塗りの車に乗せられ目的地に向かう。
ドライバー席には、また知らない人が座っていて清と裕也は後部座席に座らせられた。
「さっきは、色々あって言えなかったけど、助けてくれてありがとう。俺は、禍津優斗っていいます。何もわからないから、説明をお願いしたいんだけどいいかな?」
「出会ったときに自己紹介したと思いますが、改めて。私は、阿部清と申します。」
「あぁ、よろしく。それで、早速なんだけど、さっきまで出していた蛇って何だったの?」
「蛇?あぁ~、青龍のことですかね?」
「青龍っ⁉あの、四神とかの、あの青龍?」
「そうですね、最近やっと契約を結ぶことが出来まして召喚に応じて頂けるようになりました。」
そう言う彼女はやや自慢げに語っている気がする。
俺でも知っている伝説の生き物だし、きっと陰陽師の業界でもとても凄いことなのだろう。
「あと、このキーホルダーって何なのかな?」
そう言って、彼女に見せたのは阿部のお爺さんからもらったキーホルダーだった。
先程は、刀になっていたが、今はまたキーホルダーの形状に戻っている。
「それは、我が一族……阿部家の家宝、伊弉諾尊様の十拳剣です。本来、一族総出で管理をしていましたので、外に出ているはずないのですが…はぁ。」
「あぁ、あのお爺さんか。」
「えぇ、きっと、…いえ、多分ですが、禍津さんになにかしらの理由で必要と感じてお渡ししたのでしょう…。私では、触れることですら出来ないので一旦預かっていただくことは可能でしょうか?」
「あぁ、分かった。とりあえず、中の女の子は今黙っていてくれるみたいだから大丈夫そうだよ」
さっき、話して以来、瀬織津姫は話かけて来なくなった。
話すのに何かしらのエネルギーが必要で、もしかしたら、それを貯めているのかもしれない。とりあえずは、陰陽師の本部についてから、聞いてみればいいか。
◇
「…と、もう着いたみたいですね。」
「…本当に、ここがそうなのか?」
彼女に言われ外を見るとそこは、とても皇居には見えなかった。
なぜなら、そこは、ただの行き止まりだったからである。
「ここからは、異界を潜って皇居内に入ります。」
「異界?」
「はい、皇居に出入りしているところ観衆の目に見られるわけにはいかないので。そして、異界とは、まぁ、簡単に言うとこの世界ではない別世界、異世界のことですね」
「異世界っ⁉」
web小説とかゲームとかのあの異世界っ⁉
異世界って本当にあるんですね‼
少しワクワクしてきました!!
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