第5話 えっ?これっておもちゃじゃなかったんですか?
頭に響く謎の声に従い呪文を唱えた優斗の前に1本の刀が現れた。
その刀は紫紺の光を纏っており、蛇?はその光に弾かれ倒れこんでいた。
「な…なんなんだ、この刀は…?」
「なんで!なんで貴方がこの刀を持っているんですかっ!」
清がすごい剣幕で優斗に迫り刀について問い立てる。
優斗としても、なぜこの刀が現れたのかは分からない。
そこで、優斗は気づいた、
(お爺さんからもらったキーホルダーがなくなっている…)
優斗はお爺さんに貰った刀型のキーホルダーをポケットにデザインも嫌いでなかったため一応肌身離さずお守り代わりに持っていた。
それがいつの間にかに無くなっており、目の前に1本の刀が現れた。
(もしかして、あのおもちゃか?)
「…これ私の家の家宝なんですけど!」
「え…。いや、これ貰い物だと思われるんですけど…。」
「家宝を渡すアホがどこにいるんですかっ!」
「阿部さんって言うお爺さんに貰ったキーホルダーがこの刀になったのかと思うんですが!」
「お爺さん…?」
彼女は考え込むように頭を抱えながらこちらも見てくる。
いや、睨まれてもどうしようもないんですが。
「まぁ、いいです…。一旦その刀返して頂けないでしょうか?」
「分かりました。持って行ってください…。」
面倒ごとに関わる気にもなれないので、優斗は刀を素直に渡そうとした。
―渡すな。わっぱ!
まただ、何か聞こえた。
先ほどから聞こえるこの声は何なんだ。
優斗は、周りを見渡し何者かがいないか確認をする。
誰もいな―
バチッ!!!!!
「弾かれたっ?」
「えっ?」
「よく見るとこの紫のオーラは、一体…。」
―ほぉ~う、人の子の分際で妾のオーラを感じれるのか、阿部の子よ。
(…うっ。)
声が聞こえる。
先程よりも聞こえてくる声が大きくなり優斗の頭が痛む。
「声が、声が聞こえるんです。」
「この紫のオーラと関係がありそうですね…。貴方はこの刀を持てますか?」
促され優斗は刀に手を伸ばす。
いきなり、持てと言われると怖くなってしまい、固く目を瞑る。
リィー…ン
手に、身体に馴染む。そんな言葉浮かんだ。
刀を持った時に、刀から体に何か分からないものが流れ込んできた気がした。
いや、巡回するように、刀から体へ、身体から刀へと何かが巡る。
そして、目を開けば紫紺の光を纏った絶世の美少女がそこにいた。
―この刀を通して妾を視認したか、わっぱ
見惚れた。
こんなに美しい人は生まれてから見たことがない。
しかし、優斗は懐かしくも感じる。
そう、まるで母や祖母のような心が温まるような懐かしさを感じた。
「…貴方どうしたんですか?」
「あんた…もしかして、見えていないのか?」
「何がですか?」
「目の前に、女の子がいる…。紫の光が身体からにじみ出ている…」
上手に説明できているか分からない。
でも、できる限りの説明をしたつもりだ。
―わっぱ、少々力を借りるぞ、気張れ
「えっ?…ぐぅぅぅぅ…。」
急激に体から力?が抜け落ちた感覚が襲う。
今にも、倒れそうになる体を膝に手をあて何とか持ちこたえる。
なんなんだ、この脱力感は。
「もう、よい。…大丈夫そうだな」
何が変わったか優斗には、分からなかった。
強いて言うならば、紫紺の光が見えなくなった。
そして、先程あったはずの刀が消えた。
「刀がこの人になった?…そんなはずは…我が家の家宝が。」
「小娘よ、お前のところの刀を媒介に肉体を生成させてもらったぞ。」
「…っ!まさか。貴方は一体っ?」
話についていけない優斗は息を整えながら話を聞いていた。
しかし、この子いったい誰なんだ。
優斗には見覚えないし、話に聞いたこともない。
なぜ、この子は俺にしか見えなかったのか、なぜ、この子は俺に話しかけていたのか。それが気になり優斗は、静かに耳を傾け少女の言葉を待つ。
そして、少女は言った―
「妾は、災厄や禍事を司り罪と穢れを正す神、禍津日神として封印され幾星霜、伊弉諾尊の刀の力とそこのわっぱの生命力を糧に現代に蘇った瀬織津姫である、頭が高いぞ、そこの小娘」
薄い胸元をこれでもかとはり、高らかに少女は言い放った。
伊弉諾尊の刀っ⁉禍津日神っ⁉
この刀って…おもちゃじゃなかったんですか?
陰陽師の勉強しながら書いているため、
少し短くなってしまいました。
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