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今からでも陰陽師になれますか?~0から学ぶ陰陽師~ -Human Origin-  作者: あっかんべー
第二章:見習い陰陽師でも助けていいですか?

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第11話 休ませてもらってもいいですか?

トントン拍子に話が進み、陰陽師になることが決まってしまった。

原因となった瀬織津姫の方を見るとまだ、実体化して眠っている。


「じゃあ、話もある程度纏まったことだし、禍津君も疲れてるだろうし今日はもう下がっていいよ」

「えっ、はい!」

「清の方で敷地内を案内してあげてね」

「承知いたしました。」


そう言って、清、優斗、恵、紬は六道の部屋を後にした。

部屋を出た瞬間、紬に飛びつかれながら話かけられた。


「お兄ちゃん!今まで黙ってて本当にごめんね…!」

「紬!優斗は話によれば、餓者髑髏がしゃどくろと戦った後、神気降臨を使ったって聞いたでしょ?今日は休ませてあげましょう?ね?」

「む~、わかったよぉ~。」

「待って、神気降臨って何?」

「そこも説明しなくては、駄目ね。ここじゃあ、あれだから移動しながら話しましょう。」


神気降臨は、遺物と体内のエネルギーを使用し身近な霊や神霊を身に宿らせることらしい。俺の場合は、神霊どころか、神を召喚してしまったことにより通常よりも消費している様だった。


「こいつ、寝ちゃってるけど、消せないのかな?」

「普通の降臨術や式神なら、ある程度操作して送還できるけど、禍津日神様に関しては、相手の格が高すぎて私たちには分からないわ…。ゴメンね、優斗。」

「私も土地神の降臨術の勉強してるけど、お母さん以上には分からないや…。」


結局のところ何も分からないということがわかってしまった。

こいつが起きてから、話を聞いてみればいいか…。

こいついつまで、寝ているのだろうか。あ、涎垂らしたっ。



色んな話をしていると寝泊まりする宿舎の前についた。

母と紬はここでいったん家に帰るとのことで、別れを告げる。


「お兄ちゃん、また会いに来るからね!」

「優斗はしばらくは、ここで生活をしなくてはならなくなってしまったけど、辛くなったらいつでも連絡してちょうだい。今度はお父さんもつれてくるわ」

「母さんも紬も今日はありがとう、俺とりあえずは、ここで頑張ってみるよ」


そういって、母さんたちの背中を見送った。


「…。家族仲がとてもよろしいんですね…。」

「えっ?…なんで?」

「…いえ、何でもありません。」


何か含みのある言い方だった。しかし、優斗と清、二人は今日出会ったばかりの関係であり、まだ、深い話を話し合う間柄でもない。

でも、こんな言い方をされると気にしないようにしていても気になってしまう。

…。聞くか。


「なぁ、もしよければ、君の家族についても聞かせてくれないか?」

「…よそ様に聞かせる話でもありませんよ。」

「それでも…。それでも、君が寂しそうにしているのが目に付いたから。」

「…。そうですね、赤の他人にでも聞いて貰えたら少しは気分もマシになるかもしれませんね。」


そういって彼女はポツポツと話していった。



私の一族は、平安時代以前より続く、かの有名な阿部清明あべのせいめい様も輩出した名家の家柄です。

私は、生まれた時から今の17年、こうあるべきと両親に言われながら育てられ、今まで勉学、陰陽術、符術に人生を捧げてきました。

どの分野でも、高い水準を求められ、言われるがままにそれを実行してきました。


それが辛いと思ったことは勿論ありますが、逃げ出したい、投げ出したいと思ったことは一度もありません。

最近になって、私は陰陽師としての階級が準1級になりました。

決め手は、青龍との式神契約でした。自分で言うのもなんですが、これは他の誰にも真似できない稀に見る偉業だと思っています。

実際、周りの人は言いました。彼女こそ阿部清明の生まれ変わりだ、彼女がいれば、陰陽界も安泰だと。

確かに、言われて悪い気はしないのかもしれません。

しかし、お母様とお父様の言いつけ通りに動いている私は評価されるべきなのでしょうか?

その評価は、本当に私を見てなされているものなのでしょうか?


私には、双子の妹のめいがいます。

彼女は、正直あまり成績は良くありませんし、頭があまり…よろしくないと思います。確かに、それでは、評価はされにくいのかもしれません。

両親にも、あまり関わるな、と言われ私たちは別宅で過ごしています。


彼女は私と違い明るくて優しくその場にいるだけで場を和ませてくれる、と私は感じました。こんなに、めいのことを見下している私にすら裏表の無い真っすぐな感情を向けてくれていました。


そして、私は思うようになりました。

彼女が阿部家の次期当主になればいいのではないか?、と。


私たちの周りには、派閥があります。

私が次期当主となって陰陽界を先導していくべきという派閥。


もう一つは、めい…彼女が当主になるべき、と掲げる派閥です。

こちらは、私のことを引きずり落としたい人たちが彼女を頭に立たせ派閥を形成しようとしています。彼女が、そのことに気付いているのかは、正直分かりません。


私が周りから恨まれるのはまだわかります。周りに干渉せずに生きてきましたから、だから、味方という味方がいません。

私は…私は!姉妹で争そい合いたくないっ!普通の家族みたいに、一緒にご飯食べたり、下らない話をしたり、その…恋バナとかもしてみたいしたいんです。

でも、周りがそれを許してくれません…。

父と母は私たちを争わせたいのでしょうか?

このような現状で、何も仰ってはくれませんでした。


そんな時、禍津さんのご家族を見ました。

禍津さんが妖怪に襲われたら、心配をしてくれて、禍津日神様が顕現された時は、禍津さんを守るように立ち回っていました。


あぁ、これが普通の親子なのでしょう。

でしたら、私たちは?私たちは何なのでしょう?


私は禍津さんに嫉妬していたんです。



…重い。

思ったよりも重い話をされてしまった。

俺は、彼女になんて返せばいいのだろうか?


自分から、話を聞くと持ちかけたけど、

これから休もうって時に聞く話じゃないかった…。


第2章の始まりはいかがだったでしょうか?

少し面倒な女の子感は出ていましたか?


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