第74話『雪で遊びたい』
「文音〜、雪で遊びたい」
「そうだね〜、たまには雪で遊びたいね〜」
「だから北海道に連れてって」
「北海道に行く余裕はちょっと……」
休日を家で過ごしている明と文音は、北海道で雪が積もった事をテレビで知り雪で遊びたくなっている。
「美紀と一緒に北海道行きたい〜」
明が文音の肩を掴んで体を揺らす。文音は北海道行きたくない訳ではないが、時間とお金を考えてグッと我慢をしている。
でも明は我慢があまり出来ないのか、今度は文音の金髪ツインテールを掴み始めた。
「ちょっと〜、前が見えないんだけど〜」
「北海道に行きたい〜」
このままだと明に何をされるか分からない。でも文音は明に大人な我慢を教えなきゃいけない。
「あのね明、もうすぐ冬休みなんだからその日に北海道に行った方が今よりも雪が積もってて良いと思うんだけど……」
「待ってたら、雪がもっと積もるの?」
「そう、今よりももっと積もるはずだよ。だって北海道だもん」
明は文音の言葉を頭で考え、しっかりと理解した。
「……そっか‼︎ ボクったら冬になったからって急ぎ過ぎだったね‼︎」
「そうそう、今はただ積もっただけで遊べないんだから。もっと積もったら楽しみましょうね」
「はーい‼︎」
これで何とか明は今からの北海道旅行を我慢してくれた。文音の苦労は、まだまだこんなものではないのだ。




