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第69話『なんか可哀想』
「お誕生日おめでとう、美紀!」
「ありがとー!」
クラッカーを鳴らし、美紀の誕生日を祝う。拍手を受けて祝福を受ける美紀の顔はニヤけている。
「とうとう美紀も一七歳なんだね〜。もう少しで大人になるね」
「ふっふっふ…… もう少しで一人で本やゲームが買えるね‼︎」
「そういうのは、堂々と言わなくて良いから……」
ケーキに包丁を入れて、六等分する。その一切れを手に取り皿に盛る。
「いただきまーす‼︎」
一口入れてじっくりと味わう。当然味の感想は言うまでもなく、幸せそのものである。
「………………」
美紀の周りにある、静かな雰囲気。そして美紀は息を吸って、叫んだ。
「虚しい‼︎ 虚し過ぎる‼︎」
用事の関係で小夜の帰りが遅くなり、誕生日が出来ない事も考えて一人でやっていたのだった。
「……とりあえず、孤独感だけは感じない様にしよう」




