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巫女さんメモリーズ  作者: 華永夢倶楽部
第13話〜第24話
24/85

第22話『かくれんぼ』

日曜日の昼過ぎのとある公園。

美紀(みき)は小夜を呼んで文音(あやね)(あきら)のいる公園に集合した。

今日は皆でかくれんぼをする。

全てが本気なのだ。

 「よし! これで全員だね。それじゃあ早速、かくれんぼを始めよー!」

美紀が声高らかに開始宣言を行い、一人づつ手を出した。

 「分かってるよね? 負けたら鬼だからね?」

 「全然構わないよ」

小夜はやる気満々に答えた。

美紀はニヤッとし、

 「それじゃあ改めてルールを教えるよ。ジャンケンで一人だけ負けるまで繰り返して、負けた人が鬼になる。そして鬼は二分間目を閉じて、他の皆が何処に隠れたか分からない様にする。二分経ったらすぐに行動してね。隠れてない人は時間切れって事で、すぐに見つかっちゃても怒らないでね! それで、見つかった人は鬼の手を繋いでいって、全員見つかるまでは基本的に続けるからね。質問はある?」

誰も手をあげなかった。

 「よーし! じゃあ記念すべき一回目、いってみよぉ!」

全員が手を上げ、ジャンケンの構えをとり、

 「決まったら、すぐに隠れてね! この公園は広いんだから…」

最初はグー。

 「ジャンケンぽん!」

美紀が一人負けした。


美紀は泣く演技をしながら二分のカウントを始めた。

 「い〜ち、に〜、さ〜ん… めんどくさいから〜二分〜!」

美紀が振り向いた途端、誰かに体を抑えられていた。

 「美紀はかくれんぼをやる気があるの?」

 「あっ… やると思ってたんだね小夜ちゃん、アハハ…」

改めてもう一度、今度は一から一ニ〇まで数えてから振り向いた。

 「さぁ! 三人とも見つけちゃうよ!」

美紀は意気揚々と駆け出し、小夜達を捜し始めた。

木の上や土の中、ついでに砂の中も探したが誰も隠れていなかった。

念の為、女子トイレもくまなく調べたが見つからなかった。

 「う〜ん… 小夜ちゃんが見つからないのはいつもの事なんだけど、文音と明が見つからないのはおかしいなぁ… 文音の場合、長すぎる髪でバレるかと思ってたんだけど…」

今いる公園は遊具だけの公園とは違い、広場やトイレ、そしてサッカーが出来る程の草地があるのがこの公園の魅力。

そんな広い公園で美紀達はかくれんぼをしている。

 「まさか、皆して帰ったなんて無いよね…?」

美紀は置いてけぼりをくらってないか不安になりながらも、公園内をくまなく捜している。

 「おかしい… 隠れる場所が少ないからすぐに終わるかと思ってたけど、これは流石におかしい! きっと妖怪の仕業だ!!」

と言いながらも、女子トイレの個室に入って探偵じみた口調で小夜達の隠れ場所を推理し始めた。

 「ルールとして『公園から出る事は禁止』にしてるから、あの三人が公園から出るなんて事は絶対にありえない… それなのに一人も見つからないとくると… これは私の推理だけど、小夜ちゃんと文音と明は、三人揃って同じ場所にいるのではないだろうか? そう仮定を立てると、今まで誰一人見つけられなかった事に対する辻褄(つじつま)が合う…! だとすると、三人は何処に隠れているかが問題になるけど… 木の上に隠れる事は出来ない。枝が高過ぎて登れない様になってるからね。そして遊具の何処かに隠れてるのも無い。この公園にある遊具は隠れるには不向きの設計になってるから、三人が一斉に隠れるのはおろか、一人が隠れるのも無理がある。じゃあ土遁(どとん)の術を使ったのかと考えるのには、これにも無理があるよね… 小夜ちゃんは使えるかもしれないけど、文音と明が使えないから三人同時に使うには無理がある… じゃあ小夜ちゃん達は何処に隠れたのか。その為にもう一度じっくり探すのも手なんだけど、もし私が探している間に小夜ちゃん達が隠れる場所を移動してたとしたら、私は小夜ちゃんに翻弄(ほんろう)されてるって事になる…! 小夜ちゃんなら出来るよ! だって小夜ちゃんは心理戦が桁違いに強いし、メンタルなんて鋼を通り越してヴィブラニウムだし、人間離れした能力を持ってるし、ロリだし… それらの能力をうまく組み合わせたら、ここ最近出た『俺TUEEEEEE(おれつえぇぇぇぇぇ)アニメ』と互角にやり合えるんじゃないかな…? そんな神チートな巫女の小夜ちゃんを相手してる私は一体… いやいや、ここでくじけちゃダメだ! 私には、小夜ちゃんと文音と明を見つける義務がある! こんな所でじっとしてるワケにはいかないよね! もしこのまま見つからなくて、文音と小夜ちゃんが変なムードになってたら、カメラを用意しなきゃいけなくなるからね…! そうなる前に早く見つけて、かくれんぼを早めに終わらせないと…! 私ただ歩いただけになっちゃうよ!!」

美紀は個室を出る前に水を流して、それから扉を開けた。

一応洗面台の前に立ち、手を洗っておいた。

 「早くしないと、文音の立派な壁が小夜ちゃんに当たっちゃうからね…」

その時、後ろから人の気配を強く感じた。美紀は勢いよく後ろを振り向き、真後ろにある掃除用具入れを見つめた。

美紀は恐る恐る手を伸ばし、ノブをひねって回して中を覗くと、そこには小夜と文音と明が密着して隠れていた。

 「…………」

美紀は小夜と文音と明を見つめ、

小夜と文音と明は美紀を見つめ、

小夜は美紀を見つめ、

小夜は文音と明を見つめ、

文音と明は小夜を見つめ、

文音と明は美紀を見つめ、

変な空気になった。


 「つっ… 次で最後にしよう! 最近風が強くなってきたからさ!」

美紀はもう色々と疲れたので、次のかくれんぼを最後にする事にした。

 「そうだね。じゃあこれで最後にするね」

文音も納得してくれた。明がまだ遊びたそうな表情をしてるけど、文音の説得で分かってくれた様だ。

 「じゃあいくよー! ジャンケンぽん!」

 「あっ… ボクだ」

最後は明が鬼になった。

 「じゃあ、文音と一緒に鬼をやってね! 明は目が見える人の支援を受けないと危険だからね」

明を文音に近付けて、手を握らせた。明は文音にベッタリくっついて、

 「よーし! 皆見つけちゃうぞー!」

美紀と小夜は走って隠れ始めた。美紀は小夜とは別の場所を隠れ、小夜は周りを見渡してから隠れる場所へ向かった。

 “ふっふっふっ… 例え私が見つかっても、明には小夜ちゃんを見つけられるかな…!? 小夜ちゃんは隠密行動(おんみつこうどう)がスネーク並だからね! 夕暮れまでに見つけられるかな!?”

その時、美紀の視界が少しだけ暗くなった。

上を向くと、そこには夕日をバックに明と文音が立っていて、

 「なんかいる!!」

 「早ッ!!」

開始二分で美紀は明に見つかってしまった。

 「早いよ〜… まさか、文音が教えた…!?」

 「それはないから… 明が一人で探して、私は道案内をしただけだから…」

美紀は一瞬だけ間を空けて、

 「だよね〜…」

負けを認めた。

しかし、美紀は諦めてはいない。まだ負けたワケではない。

 「でも、小夜ちゃんは見つけられないでしょ!? 小夜ちゃんは強いよ〜」

 「ごめん美紀… もう見つかったんだよね」

 「何で!!?」

美紀は、フラグを回収してしまった…

次回掲載日  2019年10月20日 午後1時

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