第41話 我、とうとう手に入れる
月日が経つのは早いものよな。
気づけば、我らは夏休みを迎えておった。
ついこの間まで、新しい学校やダンジョン科の授業に慣れようとしていたはずなのに、もう長い休みに入っておる。
本当に、時が過ぎるのは早い。
だというのに。
我とユウは今、以前父上に連れてきてもらった研究所におる。
せっかくの夏休みだというのに、朝から研究所へ足を運ばねばならぬとはな。
無論、嫌々来たわけではないぞ。
むしろ、今日という日を、我は随分と前から待ち望んでおった。
休みの日まで研究所に来た理由は、ただ一つ。
我の専用武器が完成したからよ。
我、嬉しい。
以前にも使った広い測定室。
白い壁と床に囲まれた室内には、様々な計測装置が並び、壁の向こうに設けられた観測室では、父上たちが忙しそうに準備を進めておる。
そして、その中央。
頑丈そうな台の上には、我が待ち望んでいた武器が五枚、等間隔に並べられていた。
見間違えるはずもない。
あれこそ、我のために作られた新たな武器。
この世界で戦うための、我だけのシールドクローぞ。
「何これ? 変なの」
ユウは台の近くまで歩み寄ると、シールドクローを覗き込み、遠慮なく首を傾げおった。
我、悲しい。
完成したばかりの我の武器を見て、最初に出てきた感想がそれか?
「変と言うでない」
我は思わず眉間に皺を寄せ、ユウに視線を向けた。
これは、小野坂殿が渾身の力を込めて描き上げた図を基に、父上たちが形にしたシールドクローぞ。
全体は、縦長の菱形をしたシールド。
正面からの攻撃を受け止めるだけの広さと厚みを持ちながら、我が腕を大きく動かしても邪魔にならぬ大きさに収められておる。
大きすぎれば、振り回す際に身体の動きを妨げる。
かといって、小さすぎれば、盾として守れる範囲が狭くなってしまう。
その二つを見事に両立させた、実に程よい大きさよ。
色も、我の好きな桜色。
測定室の白い照明を受け、その表面が柔らかく輝いておる。
派手すぎず、それでいて地味でもない。
盾の輪郭に沿って走る継ぎ目や、左右に収められた爪の形まで美しくまとめられており、武器でありながら眺めているだけでも満足できる仕上がりぞ。
うむ。
まず、盾としての形は申し分ない。
だが、当然ながら、それだけではない。
我が魔力を流せば、シールド下部の左右に沿って格納されていた二本の爪が、基部ごと前方にせり出す。
そして、盾の正面で大きく開閉するクローとなる仕組みよ。
爪はシールドから完全に離れるわけではなく、前方へ突き出した基部によって支えられるため、盾で攻撃を受け止めながら、そのまま相手を挟み込むこともできる。
格納したまま拳を打ち込めば、鋭い爪の先端が相手に突き刺さる。
盾の重量を乗せた打撃に、刺突まで加わるのだ。
まともに受ければ、ただ殴られるだけでは済むまい。
さらに、クローを展開させれば、爪の内側に備えられたソーまで回転させることができる。
相手を挟み込んで逃げられぬよう固定し、そのまま内側から削り取る仕組みよ。
このクローについて、最初に小野坂殿から聞いた時には、そこまで大きな爪は必要ないと思っておった。
大きくすれば、その分だけ盾全体も重くなり、扱いづらくなるからな。
だが、その内側にソーまで取り付けられていると知れば、話は別よ。
これはよい。
実によいぞ。
閉じたままならば、鋭い先端で相手を突き刺せる。
大きく開けば相手を挟み込み、内側のソーを食い込ませながら魔力で締め上げ、そのまま押し潰すことも可能。
相手が暴れたとしても、両側から爪を食い込ませておけば、簡単には逃げられぬ。
防ぎ。
挟み。
斬り。
突き刺し。
そして、潰す。
一つの武器で、これだけの戦い方ができる。
実に我向きの武器よな。
ただし、小野坂殿には申し訳ないが、図に描かれていたモーターやバッテリーなどの駆動装置は、すべて外してもらった。
これは、我のわがまま。
……いや、正確には、我のわがままだけではないぞ。
小野坂殿の設計は見事であった。
学校の訓練で使うだけならば、十分すぎるほどの出来であった。
盾として攻撃を受け止め、必要な時だけクローを展開する。
モーターによって爪を開閉させ、バッテリーから供給される電力で内側のソーを回転させる。
使う者の力に頼らず、誰でも一定の性能を引き出せるという点では、実によく考えられておった。
父上も図を見た当初は、随分と面白そうにしておった。
紙の上に描かれた構造を一つずつ眺め、これは面白い、ここもよく考えられていると、何度も頷いておったからな。
だが、実際に製作する前提で検討を始めると、ダンジョンで使うには盾としての強度が足りず、クローで挟む力も弱いという結論になった。
学校の訓練用ならば、それでも問題はない。
相手を本当に傷つける必要はなく、危険なモンスターの攻撃を受け止めることもないからな。
しかし、我が使いたいのは、実際にダンジョンに持ち込める武器ぞ。
訓練室に置かれた標的を挟めるだけでは足りぬ。
暴れるモンスターを捕らえ、その力に負けず、こちらから押し潰せるだけの強度が必要となる。
小野坂殿には、学校の訓練で使う装備としか伝えておらぬ。
我が元の世界で魔王だったことも、将来ダンジョンに持ち込むつもりであることも、話すわけにはいかぬからな。
詳しい事情を話せぬ以上、こればかりは仕方あるまい。
もっとも、父上の研究所で申請が通ったのは、我のためだけではない。
このシールドクローは、我の魔力操作に関するデータを集めるための研究用試作品でもある。
複数の盾を浮かせながら、爪の展開やクローの開閉、ソーの回転まで、どこまで同時に正確に操れるのか。
扱う枚数を増やした時、我の身体と魔力にどれほどの負荷がかかるのか。
それらを調べるため、同じ物が五枚も作られたのだ。
そのうえ、モーターの力でクローやソーを動かしてしまえば、我の魔力だけでどこまで操作できるのか、正確なデータを取れぬからな。
そこで我は、モーターやバッテリーを取り除き、空いた場所を盾の補強に回してもらった。
機械の部品を収める必要がなくなれば、その分だけ内部の構造を頑丈にできる。
衝撃を受け止める部分を厚くし、クローの基部も、より大きな力に耐えられるよう作り直してもらったのだ。
さらに、シールドの内側には、携行物資を収められる収納スペースも設けてもらっておる。
広い場所ではないが、予備の弾薬や小さな道具、応急処置に必要な物資などを収めるには十分。
盾そのものが収納を兼ねるため、身につける荷物を減らすこともできる。
何故、機械の動力を取り除いてまで、そのような作りにしたのか!
なに、爪やソーを動かす機構さえ残っておれば、モーターやバッテリーなど我には必要ない。
爪の展開も。
クローの開閉も。
ソーの回転も。
そのすべてを、我の魔力で直接動かせばよいのだ。
モーターよりも強く挟みたければ、流し込む魔力を増やせばよい。
ソーを速く回したければ、その動きに合わせて魔力を巡らせればよい。
壊さぬよう細かく動かすことも、一気に力を込めることも、我の意思一つで変えられる。
故に、我以外の者が使っても、このシールドクローの真価は引き出せぬ。
動力が組み込まれておらぬ以上、普通の者が持てば、少し変わった重い盾にしかならぬだろう。
だが、我が使えば違う。
盾であり。
爪であり。
刃であり。
そして、我の意思に従って空を飛ぶ武器となる。
まさしく、我だけの専用武器よ。
この仕組みを提案した時、父上は目を丸くしておった。
しばらく我の顔を見つめたまま、何も言わなんだからな。
…………。
呆れていたのではないぞ。
恐らく。
きっと、我の発想に驚いていたのであろう。
そうであるに違いない。
そうして完成した現物が、今まさに我の目の前に置かれておる。
うむ。
素晴らしい。
実に素晴らしいのだが――。
何故だ?
「何故、我だけ測定着を着ねばならぬのだ?」
我が測定着に包まれた身体を見下ろしながら尋ねると、普段着のまま椅子に座っていたユウが楽しそうに笑った。
「だって、今日は私、関係ないもん」
笑いながら言うでない!
我の身体の動きや、武器を装着した際にかかる負荷を測るために必要な服だということはわかっておる。
身体のどこに力がかかり、どのように魔力が流れているのか。
シールドクローを動かした時、我の身体にどのような変化が生じるのか。
それらを正確に測るためには、この測定着を身につけねばならぬらしい。
以前にも着たことはあるが、一度経験したからといって慣れるものではない。
身体にぴったりと張りつくため、どうにも落ち着かぬのだ。
腕を動かすたび、生地が肌に沿って僅かに引っ張られる。
普段の服よりも遥かに身体の形がわかりやすく、誰かの視線が向くだけで、妙に気になってしまう。
しかも、前にここへ来た時には、ユウも同じ格好であった。
隣に同じ者がおれば、それほど気にはならなんだ。
だというのに、今日は我一人。
何故か以前よりも恥ずかしい……。
「天神」
千葉先生よ。
何をそのように呆れた顔で、シールドクローを見ておる。
腕を組み、台の上に並べられた五枚を一つずつ眺めておるが、その表情からは感心しているのか、呆れているのか、いまひとつ判断できぬ。
「これがお前の希望したシールドクローか……博士、娘に甘いんだな」
うむ。
父上は我に甘い。
我のために、これだけ立派な武器を五枚も作ってくれたのだからな。
羨ましいだろう。
「マオ。これ、かなり重いけどいいの?」
ユウはシールドクローの縁に手をかけ、少しだけ持ち上げようとしたようだが、すぐに手を離した。
台に戻った盾から、低く重い音が響く。
うむ。
盾としての強度を上げ、クローまで組み込んだのだ。
見た目よりも遥かに重くなっておるのだろう。
「うむ。問題あるまい」
そう!
我が魔力を流せば――ほら、この通りよ。
我が意識を向けると、台の上に置かれていた五枚のシールドクローが、一度僅かに揺れた。
次の瞬間、それぞれの周囲を我の魔力が包み込み、そのまま音もなく宙へ浮かび上がる。
重さを感じさせることもなく、五枚の盾は我の周囲までゆっくりと移動し、床から少し離れた位置で静止した。
「シールドが浮いてる」
「我の魔力よ。ユウも以前、我が盾を浮かせたところを見たであろう」
「そうだけど。結構重いのに、軽々と……もしかして、私が乗っても大丈夫?」
ユウよ。
何故、そこでそのような発想になる?
おぬし、乗りたいのか?
「マオ! これ、浮かしてよ」
そう言うが早いか、ユウは五枚あるうちの一枚に片足を乗せた。
盾が傾かないことを確かめてから両足を載せ、落ちぬよう、その縁を両手でしっかりと掴む。
そして、期待に満ちた瞳を輝かせながら、我を見ておる。
まったく。
そのような目で見られては、断りづらいではないか。
少し浮かせるだけならば、問題あるまい。
まあ、よい。
「しっかり捕まっておれ」
「うん!」
我はユウの身体が傾かぬよう注意しながら、乗っているシールドクローにゆっくりと魔力を流した。
盾の左右で魔力の強さに差が出れば、その上に立つユウまで傾いてしまう。
我は盾全体を下から支えるように魔力を広げ、慎重に持ち上げていく。
すると、ユウを乗せたシールドクローが、床から静かに浮き上がった。
まずは、ほんの僅か。
それから、少しずつ高さを増していく。
ユウの足が完全に床から離れ、シールドクローごと宙に浮かんだ。
うむ。
問題なく浮いておるな。
ユウ一人が増えた程度では、我の魔力操作に大した影響はない。
「おおお! 浮いた!」
ユウは眼下の床を見下ろし、嬉しそうな声を上げた。
「うむ。だが、危険ぞ。もう降ろすからの」
「マオ! もうちょっと進んでみて」
ユウが縁を掴んだまま、身体を前へ傾ける。
おい。
動くでない。
我が慎重に浮かせておるというのに、その上で勝手に重心を変えるでないぞ。
「白崎、駄目だ。天神、降ろせ」
千葉先生の鋭い声が、測定室に響いた。
その声に、我もすぐ考え直す。
そうよな。
浮かせるだけならばともかく、ユウを乗せたまま動かすのは危険ぞ。
このシールドクローは、人を乗せて運ぶために作られた物ではない。
もし途中でユウが体勢を崩し、縁から手を離せば、そのまま床に落ちてしまうかもしれぬ。
「うむ。遊びはここまでよ」
「え~~」
不満そうな声を上げるでない。
我はユウを驚かせぬよう、シールドクローをゆっくりと床に降ろした。
盾の底が床に触れると、ユウは名残惜しそうに両手を離し、その上から降りる。
「ちぇっ」
「そうすねるでない。いずれダンジョンでやってみればよかろう」
「まだまだ先じゃない」
うぬ……。
それは、そうなのだが。
我らが実際にダンジョンへ入れるようになるまでには、まだ覚えねばならぬことも、受けねばならぬ訓練も数多くある。
今日明日に行けるわけではない。
「あ~。マオちゃん、ユウちゃん。もういいかな? そろそろ始めよう。時間も惜しいからね」
観測室の方から、少し困ったような父上の声が聞こえてきた。
そうだった。
父上。
忘れておったわ。
今日はユウを盾に乗せて遊ぶために来たのではない。
完成したシールドクローが、我の魔力でどこまで動かせるのか。
実際に攻撃と防御に使えるのかを確かめるために来たのだ。
「千葉先生。ターゲットをお願いします」
「はい。白崎、手伝え」
「はーい」
千葉先生とユウは、壁際に用意されていた人型のターゲットに歩み寄った。
見たところ、以前の測定で使った物よりも頑丈そうだな。
全体が分厚い素材に覆われており、床に固定するための台座も大きい。
我のシールドクローによる打撃に耐えられるよう、用意された物なのであろう。
「マオ、約束だからね」
ターゲットを運びながら、ユウがこちらを振り返る。
わかっておる。
いずれ、盾に乗せて動かしてやる。
まったく。
子どもよな。
…………。
我も同じ年齢であることは、この際、気にせぬ。
さて、我も集中するか。
千葉先生とユウが離れると、測定室の中央には、人型のターゲットだけが残された。
我は五枚のシールドクローを周囲に浮かべたまま、その姿をじっと見つめる。
「マオちゃん。まずは、中央のターゲットに攻撃してみて」
「承知した」
我は胸の前で腕を組んだ。
「マオ?」
ユウが不思議そうに首を傾げておる。
ふっ。
ユウよ、とくと見ておれ。
これが、魔王の戦い方よ。
まずは、我の周囲に五枚のシールドクローを展開。
一枚を正面。
二枚を左右。
残る二枚を、僅かに後方へ。
五枚すべてに魔力を巡らせ、それぞれの位置と向きを確かめる。
まだ装着しておらぬが、我の意識は一枚一枚にしっかりと届いておる。
「ゆけ」
我の合図と同時に、五枚のシールドクローが一斉に中央のターゲットに襲いかかった。
まずは打撃。
クローを格納したまま、殴りつけるように周囲から何度も叩き込む。
正面から一枚。
ターゲットの胸に盾の表面が激突し、重い音が測定室に響いた。
身体が後ろへ傾いたところへ、今度は右から。
さらに左から。
体勢を立て直す暇など与えず、続けて背後から二枚を叩きつける。
標的が前へ押し戻されたところへ、再び正面の一枚。
右。
左。
正面。
さらに背後。
五枚のシールドクローが入れ替わりながら、途切れることなくターゲットを打ち据えていく。
逃げ道など与えぬ。
もっとも、このターゲットは逃げぬのだがな。
続いて、二枚のクローを展開。
左右から両腕に当たる部分を挟み込み、逃げられぬよう固定する。
我が魔力を流すと、左右の爪が同時に閉じ、ターゲットの腕に強く食い込んだ。
そのまま両側へ引き、身体を動かせぬよう拘束する。
そして、残る三枚で徹底的に打ち据える。
胸元。
腹部。
背中。
一枚が離れれば、次の一枚が叩き込まれる。
動きを止めることなく、三方向から何度も打撃を重ねていく。
これならば、相手を拘束しながら、一方的に攻撃できるな。
最後は、すべてのクローを展開。
足に当たる部分へ二枚。
両腕へ二枚。
そして、首へ一枚。
五枚のクローが、それぞれ狙った場所を同時に挟み込む。
我が魔力を一気に流し込むと、開いていた爪が強い力で閉じていった。
ターゲットを支える台座から、金属同士が軋むような音が響く。
頑丈に作られているはずのターゲットが、あちらこちらから締め上げられ、不自然な形へと歪んでいった。
腕が引かれ。
足が押さえ込まれ。
首元が大きく傾いていく。
そして――。
「これで仕舞いよ」
最後に、五枚すべてに一気に圧力をかける。
人型のターゲットは全身を歪められたまま固定され、台座から響いていた軋みも、ようやく収まった。
これが、我の戦い方。
我は動かぬ。
盾が頑張ればよい。
もちろん、我自身も強いぞ。
拳を振るえば相手を殴り飛ばせるし、魔法だって使える。
だが、自分が動かずとも倒せる相手なら、わざわざ走り回る必要などあるまい。
ただ、魔王には威厳というものがある故、我は動かぬのだ。
決して、動くのが面倒だからではない。
『それは言い訳では? 書類仕事で腰が痛いと言っていたでしょう』
なぜ、こうして昔のこととなると、モロイの奴の小言が思い出される!
仕方なかろう。
あの時は、本当に腰がぴきっといっておったのだ。
玉座に長く座り、山のように積まれた書類に目を通しておれば、腰くらい痛くなる。
それを理由に少し休んだだけではないか。
決して、仕事から逃げたわけではないぞ。
多分。
「マオって、結構えげつないね」
ユウ。
おぬしが言えることか?
かつて我の首を狙って、一直線に魔王城まで乗り込んできた首置いてけウーマンのくせに。
ユウの記憶には残っておらぬが、我は忘れておらぬぞ。
「使い方としてはありだが……素材が無駄になる戦い方だな」
うぬ。
千葉先生には、ハンターとしてそう見えるのか。
確かに、これだけ全身を叩き、挟み、締め上げれば、倒した後に残る素材も無事では済むまい。
角や牙だけでなく、皮や肉まで傷んでしまう可能性がある。
モンスターを倒せればよいというものではなく、回収する素材の価値まで考えて戦わねばならぬのだな。
元の世界では、我を倒そうと攻め込んできた相手に、そこまで気を遣う必要はなかった。
だが、ダンジョンハンターとして戦うのであれば、覚えておく必要がありそうだ。
「マオちゃん……。僕、心配だよ」
父上まで!
観測室にいる父上は、歪んだターゲットと我の顔を交互に見ておる。
その目には、娘の成長を喜ぶというより、この先を不安に思うような色が浮かんでおった。
そこまで酷いのであろうか?
我、疑問。




