天然ってカワユス
山上を堪能してください
「うーん」
数時間後、勇人は布団でごろごろとしながら今後の事を考えていた。
「(とりあえず、まず第一目標としてはこの状況から脱することだよな…。じゃないと行動すらできないし。そして第二に、山上を勧誘してまおのところまで一緒に行く。見たところ山上のこの街の地位は、まあまあありそうだから、山上にここから出してもらうか…)」
そう考えをまとめていると、入り口の方からガチャガチャと鎧の音が聞こえてきた。
「(誰かきたな…)」
そう思うと勇人は気を張り巡らせた。
やがて、扉の前で止まるとジャラジャラと鍵のような音がしてきた。
そして鍵穴に差し込む音が聞こえ勇人が開くかと思ったとき
「あ、あれ?鍵、間違えたかなぁ?」
扉がガンガンと叩かれるが一向に開く気配はない
「………………」
ジト目で扉を見つめる勇人、その先にはおそらく山上がいるであろうと確信していた。
「(久しぶりに見たな……山上のドジ属性…)」
そう勇人が思うのも無理はない…
なぜなら勇人は先ほどサンドルが扉を横に引いて開けていたのを見ていたのだ。
しかし目の前の山上は横に引くことをまったくせず、押したり引いたりしてウンウンと唸っている。
「(面白そうだから、ちょっと見てよ)」
数十分後
「うぅー………」
うなだれたような声が扉ごしに、聞こえてくる
「(まさかこんなに時間が経っても気づかないとは…)」
あまりの山上の察しの悪さに驚きを隠しきれない勇人。
さすがにいたたまれなくなって
「(教えてやるか…)」
そう思うと勇人はすぅと息を吸うと
「おおーい!山上!聞こえるか!」
と大声を出した。
「!?えぇ、聞こえるわ!」
心なしか山上の声が少し嬉しそうに聞こえる。
若干の罪悪感を覚えながら。
「じゃあ、教えてやるがその扉横に開けるんだぞ!」
と勇人は叫んだ。
「え!?」
驚いた声がしたあとガチャと音がして扉が遠慮がちにあいた。
そして扉の奥には真っ赤な顔をした山上がプルプルとしながらたっていた。
「もしかして、全部聞いてた?」
正直に言うべきか、数秒迷ったあと
「なんか……ごめんな…」
「一回死ね!」
久しぶりの山上との絡みを堪能した勇人であった。




