やっちまった。
「(うわー、人の話聞かない系だこいつ)」
そう思い勇人は離れて
「いや、あなたは私のパーティーにふさわしくないのでお断りさせていただきます」
と言ってペコリと頭を下げる。
「なに言ってるんだ、さっきから見ていたがずーっとお前1人だったじゃないか!だから、俺も声を掛けられたんだぞ!」
堂々といいはなつ身なりの綺麗な男。
そう言った冒険者を見て勇人は一言。
「なるほど、ただのコミュ症か」
「コミュ症っていうな!」
やたらとデカイ声で反論する冒険者。
「あー、はいはい。で、なんだっけ?」
「だから、俺様がお前と一緒に魔王討伐に行ってやろうと言っているのだ!なぜわからん、この愚か者!」
「いや、だってお前…」
そういって勇人は冒険者の姿を見渡す
少しも傷のついていない鎧を身につけ、ピカピカに光っている盾と剣をたずさえていた
「どう見たって新人の冒険者だろ」
「な、なぜわかったー!」
「だから、見たらわかるって本当に人の話を聞かないな…」
はぁ、とため息をつく勇人。
「だ、だがなこの鎧は父上がくれた最高級の鎧であるし、剣も最高級だ!ま、魔法も使えるんだぞ?」
「はいはいとにかく、お前じゃあ魔王城に行くのに足手まといになってしまうだろう。だから、俺の仲間にはしてやれない」
「(こいつの家金持ちなのか。坊ちゃんの家出ってとこか?)」
「ぐぅ、では魔王城に行くのに足手まといにならないというのを証明すればいいんだな?」
そういって冒険者は勇人をにらんだ。
「う~ん、まぁ考えてやってもいい」
そういった勇人を見て冒険者はニヤリと笑った。
「じゃあ、俺の特技を見せよう」
そう言うと冒険者はなにか魔法のようなものを唱え出した。
「お、おい何をする気だ?」
「ちょっと、黙っててくれ。集中しているんだ」
「(こいつ!)」
まぁ、とりあえず見てやろうと勇人はその辺にあった椅子に座り様子を眺めた。
「よし、よしよしよし。いい感じに魔力が溜まってきた!」
しばらく経つと冒険者は興奮したように騒ぎ始めた。
「おっ、やっとか…」
なかなか魔法を発動しない冒険者を見て先ほどから勇人はギルドで販売されているコーヒーもどきを飲んでくつろいでいた。
「あとは、前に失敗した見たいにならないようにと…」
なにか聞き捨てならないことを言う冒険者。
「おい、お前…魔法を発動したことはあるんだろうな?」
そう言って勇人はあとずさる。
そんな勇人を見てキョトンとした冒険者。
そしてこう言い放った
「あっはっはー!なに言ってんだ、あるわけないだろ」
「このバカ野郎!今すぐその魔法を止めろ!」
勇人は大声で叫ぶ。
そして、その声を聞いた周りの他の冒険者はざわざわと勇人たちから離れていった。
「おい、ゆっくり、ゆっくり魔力を止めていけ。そうしたら魔法は消えていくから…」
デンティーとの修行を思い出しながら助言をしていく勇人。
しかし、このバカ冒険者にそんなことが伝わるはずもなく。
「こうか?」
「バカ!それは魔力を流しているだろ!」
「あっ」
「あっ」
そういった冒険者と勇人の前には凝縮された魔法玉ができた。
「まずい!」
大きくなった魔法玉は勇人を巻き込み爆発した。




