素晴らしい出会い
「気づいたらこの街に…ですか…」
「はい、そうです」
明るく答える店員さん。
そんな店員さんに勇人は1つこの世界に来てからずっと抱えていたことを質問した。
「不安とかは無かったんですか?」
「まぁ、最初は困りましたねー、日本のものを作るために必要な食材も調味料も足りなくて…でもこの世界で色んな人と出会ってたくさん助けてもらったんですよー」
「色んな人の助けですか…」
「はい、この街までたどり着いたあなたも助けて貰ったんじゃないんですか?」
そう言われ勇人はデンティーやサラ、ディムたちを思い出した。
「そうですね、僕も色んな仲間に助けられてきました」
少し哀愁の漂う顔で勇人は言った。
「ですよねー。」
明るく勇人に同調する店員さん。
「お客さん、少し口を挟んでもいいかい?」
するとさっきから料理をしていた店長さんが話しかけてきた。
「え、ええどうぞ」
少し戸惑いながら勇人は店長さんに話を促した。
「そのお客さんが助けてもらった人たちとの縁は大切にした方がいいよ。これは経験談だが、自分が今まで料理を振る舞ってきた人たちに助けられたとき、この世界でも料理をしてよかったと思えたんだ…。その気持ちをお客さんにもいつか味わってほしい。今、お客さんの話を聞いてそう思ったんだ」
「そう…ですか…」
勇人は自分にもいつかあるのだろうかと思いながら返事をした。
「そうですね、店長さんの言うとおり人との縁は大切にさせてもらいます」
しみじみと勇人は言った。
「それがいい」
満足そうに店長は顔にシワを刻みながら言った。
「ちょっと、湿っぽい話をしてしまったね。お詫びといっては何だがこの食事代はおまけしておくよ」
「え、本当ですか!?ありがとうございます」
2人の優しさに勇人はとても嬉しくなった。
「(この2人はまたいつかお世話になりそうな予感がする…)」
勇人は異世界での思わぬ出会いでさらに妹救出へのやる気を出したのであった。
「う~ん、異世界転移の手がかりは得られなかったな…」
勇人は満腹感にウトウトとしながら街の道を歩いていた。
「しかし、久しぶりに日本の料理を食べたなー」
勇人が居酒屋で食べたのは刺身定食だった。
こちらの世界の魚もなかなか美味しく例えばカツオっぽい刺身やマグロっぽいものもあった。
「絶対また今度行くぞ~」




