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異世界街道爆走中〜転生したのでやりたい仕事を探します。  作者: セブンスバナナ
第4章 赤髪の魔法使いとの出会い

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第230話 レンタル聖女②

「ま、真面目な話ですよねロード様?」


 ロードの発したレンタル聖女と言う言葉にズッコケた白竜族の面々は、ソファに座り直しながら問い詰める。


「いたって真面目な話よヒュウガ」

「その・・・レンタル聖女とは何ですか?」

「ご説明します!」

「エルザ殿・・・ご無沙汰しております」


 突然、ガラガラとホワイトボードを押しながら現れたエルザに頭を下げながら、これでまともな話を聞けると安心する白竜族。


「あら?エルザ。説明ぐらい私がするわよ」

「いえ、ロード様。やっぱり私がお話する方が良いと判断しました」

「そ、そう。それじゃよろしくね」


 エルザの圧に素直に応じたロードはどこか釈然としない。


「現在、ミルフィーユ王国は未曾有の危機に瀕しております」


 ・・・・・・・・・・


 以下はエルザの話をまとめたものだ。


 約100年前に起きた精魔大戦は魔族と一部の人族(ビックウエスト帝国)VS精霊と勇者ガンテツをはじめとする人族という構図である。


 それ以前のアトランティス大陸において魔族と呼ばれた種族は少数であるが同じ世界に存在していた。


 魔族の代表である黒の精霊のクロノス・クロックが封印されている城を中心とした場所は魔大陸と呼ばれていたが、現在は結界によって隔絶されている。


 それは精魔大戦で勇者ガンテツをはじめとした精霊達が力を合わせて行った「時空結界」が貼ってある為であるが、それが一部綻んでしまっているという。


 その綻びを利用した魔族が再びアトランティスに侵攻しようとしているらしい。その兆候として先のシップ・ブリッチの聖戦において、クロノス教団の司教であるカウが魔大陸にいるはずの魔獣を召喚したこと。


 ユキナの誘拐やノーミーが囚われた際に使われた隷属の魔道具が使用された事など、もともと魔族が魔獣を従えるために使った技術や魔獣が現れたことで、すでに魔族がこの大陸に入り込んでいると予想される。


 このままでは再び精魔大戦が起こってしまうだろう。


 淡々とした説明をしていたエルザはそこで一旦区切った。


 ・・・・・・・・・・・・・


「なんと・・・そのようなことが・・・・」

「最近魔族が関与している事件が多く起こっているのもそのせいか・・・」


 ヒュウガとフブキの金色の瞳が険しさを増した。


「事情は理解しましたが、そもそもなぜ時空結界が緩んでしまったのでしょうか?あれほどの結界を魔族がどうにかできるとは思わないのですが・・・」

「うっ!いや・・・それはあれよ・・・たまたま」

「ワタル様を召喚してしまったからですヒュウガ!」

「チョッ!エルザ!そんなはっきり言わないで!」

「本来でしたらワタル様がこのアトランティスに来ることはできません。それをガンテツ様とロード様が無理やり理を曲げて召喚してしまったのです」


「・・・・・・・・・えっと・・・それはつまりロード様とガンテツ様が原因であると言うことですか?」

「そのとおり!この親バカのせいです」

「ふっ・・・親の愛は偉大だわ」


 遠い目をしているロードを白竜族が呆れた目で見ている。同時にその目は「なんてことをしてくれているだ」と言っていた。


「当然ディナール様はこの事をご存知なんですよねロード様?」


 ディナール・スペースはアトランティスの管理者であり、ロードやガンテツの上司にあたる人物である。


「チョー激おこだったわ。あんなに怒ったディナール様は見たことがないわね」

「現在ガンテツ様が謝罪と言い訳・・・弁明のためにあちらに行っています。きっと無事に帰って来ることはできないでしょう」

「・・・惜しい人を亡くしたわ」

「お、おう・・・ゴホン!ガンテツ様はまだ死んだ訳では無いですよ」


 スッっと遠い目で窓の外を見つめているロードにヒュウガは慰めの言葉をかける。


「それで、これからどのようにされるのですか?」

「ガンテツの尊い生贄のおかげでディナール様はありがたいお言葉を下さいました」

「それは・・・」

「全部七星家のせいなので、身内でどうにかしろと言っていたわ」

「具体的には?」

「魔族を追い返し、結界を張り直して来いだって」

「魔族を追い返すことは我ら白竜族ならばできると思いますが、結界の方はどうするのですか?確かロード様はこの世界に直接干渉はできないはずですが・・・」


 先の大戦で敵のラスボスである黒の精霊、クロノスのせいで、管理世界の者がアトランティスに干渉することが禁止された事を知っているヒュウガは疑問を呈した。


「そこで私と同じ力を持つ者を召喚しようと思います!つまり・・・レンタル聖女ね」

「そ、そんな事ができるのですか?」

「ええ・・・ワタルの時は無理やり連れてきたけど、今回は一時的にちゃんと手順を踏むから大丈夫!これでも色々あちらの弱みを握っ・・・違うわ!快く協力してくれる人がいるの。だから白竜族に協力を要請したいのよ」


「は、はぁ。わかりました。我々白竜族はロード様の配下でもありますのご命令とあらば・・・ユキナのこともありますし協力しましょう」

「魔族をぶっ飛ばしてやりますわお母様!」

「こら!リッカ!ロード様に失礼だろ!」


 こうして七星家がやらかした事件が動き出したのであった。

挿絵(By みてみん)

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