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 けれど俺はバカだった。その後の事をまるで考えていなかった。

 タバコの不始末。出火原因はすぐに判明。あいつは家族からも警察からも怒られた。僕じゃないと必死に否認していたけれど、運が悪い事に、あいつはちょうどその時間、部屋から出ていた。トイレに向かう物音を母親に聞かれていた。

 あいつの偉いところは、俺の事を持ち出さなかったって事だ。俺が犯人だって事は、あいつだけが知っている。俺はそう思っている。あいつがバカなのか? 本気で気付いていないのかも知れないな。いまだによ。

 俺がバカだったのは、あいつの家が燃えて、それで終わりだと考えていた事だ。ほんのいたずら。俺の気が晴れれば、あいつとの関係も、あいつの家も、全てが元通りになると思っていた。そんなのは無理だって、今なら当然分かるけどな。

 あいつはそのまま学校には顔を出さなかった。あいつの家も、一年近くは更地だった。俺にも俺の家族にも連絡はなしだ。何も言わずに転校していった。

 俺が悪いって? そうだろうよ。自覚している。俺は何度も謝りたいと思ったよ。今でもそうだ。あいつにだけは謝りたい。この人生の中でたった一つの過ちだ。

 ドラムスコはバカでいいよな。何も気づいていなかったし、何も感じていなかった。あいつが転校しても、どうでもいいって感じだったな。その後一度もあいつの名前を出さなかった。本当に忘れちまったのかもな。

 彼女は俺に何度もあいつの引越し先を聞いていた。俺が知らないと分かると、先生から聞き出そうとしていたよ。先生にも分からないと言われたそうだ。そんな事ってあるのか? どうでもいい事だけど、俺は学校に対して不信感を覚えた。嘘だとしても、本当だとしてもだ。嘘はよくないだろ? 生徒の転校先も知らないなんていうのは無責任過ぎる。どちらにしても最低だ。

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