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嫌いではあっても、その時は大事な友達だった。二人だけの友達。仲良くする事にしたよ。
あいつは少しも嫌な奴じゃない。俺が出会った中では一番のいい奴だ。あの日の事は今でも少し、後悔している。やり過ぎってやつだ。
俺は最低だよな。あいつには大きな恩がある。虐めから救ってくれたんだからな。それを逆恨みで嫌いになり、小さな嫉妬で大きな事件を起こしたんだ。
僕の家に来いよ。いい物が手に入ったんだ。
あいつの家に呼ばれた。いい物ってなに? 聞いても教えてくれない。あいつが言ういい物はまるで想像がつかなかった。
これなんだけどさ。
あいつが持ってきた箱の中、十冊以上の切手帳。俺だって二冊しか持っていなかったのに。
どうしたの?
父さんに買って貰ったんだ。見てみろよ。
そのコレクションに、俺は嫉妬した。世界の切手が沢山だ。この国の切手も、どれもが有名なものばかり。
ふーん、つまんないね。本の中と同じだよ。
俺の強がりに、あいつは鼻で笑った。
よかったら一冊あげるよ。この間のお礼だよ。
嬉しい言葉だった。俺は素直じゃない。いらねぇよ、なんて言いながら物色していた。
あっそう。だったらいいけどさ。僕にとっても大事な物だからね。同じ切手好きの君になら、って思ったけど、残念だよ。
ちょっと待てよ。今見てるんだ。切手の楽しさを教えたのは俺だろ?
俺が選んだ一冊は、スタンプがベタベタついている外国の切手ばかりの一冊。カラフルなミッキーマウスの切手に心惹かれた。
それでいいのか? 流石は君だよ。僕が一番好きな一冊を選ぶんだから。
あいつはそう言い、本当にその一冊を俺にくれた。いい奴? そうだよな。今ならそう感じる。けれど当時は、苛ついた。いい子ぶりやがって。バカにしやがって。そう感じてもおかしくないだろ? 俺はまだまだガキだったんだ。
よろしくね。友達になろうよ。
切手帳を貰った翌日の事だ。転校生がやって来た。女の子で、俺の隣の席に座る事になった。空いている席はそこしかなかった。




