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 あいつとドラムスコのおかげで、俺への虐めはいつの間にか減っていき、気が付くと俺でさえ忘れてしまう程以前の毎日に戻っていた。

 不思議だよな。あいつは何もしていない。ただ俺に話しかけ、周りの虐めに参加しなかっただけだ。それだけで虐めはなくなる。そんなもんだ。虐めはローテーションだって誰かが言っていたな。その通りだ。虐めになんてな、元から大した理由なんてない。ほんの少しのきっかけで事態は変わって行くもんなんだ。

 一緒に帰ろうよ。

 俺は何も答えない。と言うか、答えられなかった。学校で先生以外の誰かに声をかけられるなんて、久し振りだ。一週間。長かったな。無視をしなかった二人も、最初は皆と同じだったんだ。雰囲気に呑まれ、俺を遠ざけていた。

 今更なんだよ! そんな気分だった。

 俺も一緒に帰るよ。

 ドラムスコがやって来た。当時からあいつはニコニコ。その笑顔に、俺は勝てない。俺の頬が、久し振りに緩んだ。

 どうしてもっと・・・・

 俺の言葉だ。

 泣くなよ。悪かったな。僕だって色々考えてたんだよ。

 あいつの言葉だ。

 何をだよ!

 分からないよ。けれどもう、辞めたんだ。何も考えない。考えても意味がないって分かったんだ。

 なんだよ、それ? そんなんじゃ分からないよ。

 別にどうだっていいだろ? いいから帰ろうぜ。

 その日あいつらは俺の家にやって来た。俺の部屋で遊んだんだ。ゲームウォッチをしたり、絵本を読んだり、切手を眺めたりしていた。

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