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 始めにしたのは遠くからの物的攻撃。あいつに隠れて石を投げつけた。自分を嫌っている誰かがいる事をあいつ自身に知らせる必要があるだろ?

 あいつはバカだな。俺の仕業だとは気付かなかった。近くにいた生徒を適当に見つけ、犯人と決めつける。胸座掴んで殴ろうとした。今では考えられない暴力教師。当時はそれ程珍しくはなかった。

 意味のある暴力もたまにはある。けれど大抵は無意味な自己満足の暴力だ。だからこそ、今のような暴力が溢れたんだ。

 今の暴力は昔に比べて陰険だ。間接的暴力? 精神的暴力だよ。学校の先生が生徒に対して使う暴力じゃないよな?

 俺はあいつに何度も石をぶつけた。あいつが誰かに暴力を振るっている最中にもな。あいつは迷っていた。誰が犯人なのか分からない。複数の誰かに狙われている。そう感じ始めたようだ。まさか一年生の俺が犯人だとは考えもしない。狙い通りだ。

 あいつの精神は簡単に崩れていった。俺が追い詰める必要もなかったかも知れないと、今では思う。

 いつ石を投げつけられるかと、びくびく歩いているあいつの姿は最高だった。背後に怯えて何度も振り返り、なかなか前に進まない。

 嬉しくって、俺はつい笑顔になる。おかげでいつもニコニコしていると、クラスで人気者になれた。

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