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 まぁいい。話を元に戻さなくちゃな。

 息子は態度も悪く、嫌な奴だった。それは仕方のない事だ。社長の一人息子。甘やかされて育った世間知らずだ。けれど何故だか、俺は息子が好きだった。仲良くはならなかったけれど、たまに話をしていた。飲みに行ったりしてな。息子は俺を捌け口にして色々喋っていた。特にあいつの事をな。悪口を言うような奴じゃなかった。事実だけを愚痴っていたよ。

 あいつは社長の遠い親戚だった。

 僕なんかそれまでに一度も会った事なかったよ。息子がそう言う。親戚っていうか、殆ど他人だよ。社長も困っていた。まだ若かったんだから、他にも就職先は幾つもある。当時は仕事は忙しかったけれど、人には困っていなかったんだ。

 あいつの奥さんのお祖父さん、その従兄弟の娘の旦那の鳩子、その旦那が社長だという。親戚? 俺には他人としか思えない。

 お爺ちゃんに従兄弟から電話がきたんだ。お爺ちゃんと従兄弟が連絡を取るのも久し振りだったみたい。息子がそう説明した。

 仕事を探していたあいつは妻に泣きついた。あんな奴でも結婚出来るんだぜ。俺が出来ないってどういう事だ? 神様の趣味を疑うよな。

 妻は親戚だけでなく、全ての知り合いに旦那の働き口を紹介して欲しいと頼んだ。妻には人望があった。けれどあいつには、その欠片もない。無理だよと、皆が断る。当然だよな。俺だってお断りだ。妻は親戚のまた親戚へと手を広げていった。誰でもいい。とにかく主人に仕事を与えたかった。

 どうしてそこまで? あいつの家は小金持ちだ。親がある程度の金と土地を持っていたからな。あいつは長男だ。金には困らないだろ? って俺は思ったよ。けれど後から知った。あいつは家族からも嫌われていた。俺はその事を、あいつの妻から聞いたんだ。

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