表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/39

2

 あいつはそうだな、俺より少し年上だ。四十過ぎか? 独身で無職、母親と二人暮し。母親ができた人間でな、なんだかよく知らねぇが、国の仕事をしていたとか、国会議員だったか、とにかく結構な年金を貰っていたらしい。そいつは俺なんかより断然にいい暮らしをしていた。

 今まで出会った奴の中で、あいつが一番狂っている。あんな頭の構造をしている奴は初めてだ。どんな育ち方をすればあんな人間に育つ? 不思議でならない。ついあいつの生い立ちを聞いてしまったくらいだ。普段は別にそいつがどんな環境で育ったとか、そんな事を気になんてしない。初めてだよ、あんな気持ちになったのは。あいつの事は色々と気になったからな。

 金持ち生まれ、一人っ子で甘えん坊。羨ましい限りだね。狂ってる奴ってのは、一人っ子が多いようだな。そうでもないか? 長男ってのは狂ってる。それは間違いない事実だ。長男の俺が言うんだから真実だよ。まぁ、二番目長男だけどな。

 生まれた時からあいつは母親と二人暮しだ。父親が誰なのか、俺には言えないと言っていた。有名な政治家か、有名な歌舞伎役者、そのどちらからしい。あいつ自身は知っているとも言っていた。けれどそれ以上は教えられない。ワイドショーのネタにされるのは困る。なんて言っていたよ。どこまでが本当なのか、俺には分からない。金があるといっても、俺と出会った時は大金持ちとは呼べなかったな。だからこそ、あんな事を繰り返して小金を稼いでいた。

 子供の頃は大金持ちだったってのも、あいつの言い分だ。母親の仕事もあいつの言い分に過ぎない。俺が知っているあいつの真実は、無職の大バカ野郎ってだけ。

 あいつは嘘で自分を固めて生きてきた。あいつの話から分かった事はそれだけだ。金に不自由なく育ってきた。本当にそうなのか? 大物の父親がいる。誰だ? 何を聞いても詳しい事は教えてくれない。まぁ、話の途中であいつへの興味は薄れてしまったからな。無駄に突っ込んだりはしなかった。

 つまりあいつは、狂った人生の中、当然のように狂ってしまったって訳だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ