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公園から歩道へ出る道は一つだ。そこまでは血の跡を探さなくても想像が出来る。問題はそこからだ。右か左かの二択。どっちも歩いて血を探せばいい。そうなんだ。簡単な事なんだけど、こういう時、人は迷う。正解を一度で当てたがるんだ。俺は立ち尽くし、悩んだ。けれどあいつは違っていた。
簡単だろ? 俺達がさっき出て行ったのと逆を選んだだけだ。
あいつにはそういう頭がある。
まだ近くにいるな。早く捕まえちまおう。
捕まえてどうする?
俺は疑問に感じていた。殺すのか? そんな事して何が楽しい? 疲れるだけだ。
ああいうのは痛い目に遭わせないとダメだ。世間っていうのを教えてやるんだよ。てめぇがクズだって事を、分からせてやる! 生意気に逃げやがって、むかつくんだよっ!
あいつの頭は空っぽだ。
それから一つの角を曲がり、コジキを見つけた。あいつは大興奮で、チャリンコで大激走した。うらぁー! そんな叫びで威嚇する。川沿いの人通りの少ない道だ。当時は田んぼが並んでいたはずだ。ガキの頃にはよくザリガニを捕まえていた。近くの野原では虫なんかも捕まえていた。
コジキの身体がビクッと震えたのが見えた。そして立ち止まり、ゆっくりと振り返った。コジキの顔が泣いている。
あいつはコジキの顔を見るとチャリンコを乗り捨て、というかガシャンッと投げ捨て、零れたグローブを拾って走り出した。訳のわからない喚き声を上げ、何故だか着ていたティーシャツを脱ぎ捨てた。
その後は滅多打ちだ。顔面だけでなく、身体中にグローブを叩きつけていた。このクズ野郎! とか、死んじまえ! とかなんとか叫んでいた。俺はゆっくり近付き、その様子を眺めていた。タバコを吸いながら、こいつはなんて酷ぇ奴なんだと思いながらな。




