思春期は突然訪れるもの
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「ウァ”ァ”ァ”ァ”ァ”」
俺は意識の覚醒と同時に飛び起きた。
俺は倒れて…アレ?なんでベットで寝てんだ?紗良が運んでくれたのか?いや、あの時紗良も倒れて…
「紗良ァァァ!」
俺は妹の無事を確認すべく、名前を叫び、階段を駆け下りた。
返事がない。どこだ!どこだぁ!
風呂場の方から、シャワーの音が聞こえる。
「なんだ、朝風呂かぁ」
いるならいるで返事してくれよぉ…ちょっと焦っちまったよ。やっぱあれは夢だったのか。
ふと、安堵していると、リビングにある時計が目に入る。その時計は、午前十時を示していた。
「って、遅刻じゃねーかぁ!」
俺は、大慌てで、制服を探すが見つからない。あれ昨日どこに脱いだっけ?思い出せない?いや倒れて…違う、あれは夢だったんじゃないのか。とりあえず仁か葉月に連絡をしないとだな。
俺は、二階に戻り、自分の部屋に置いてあるはずの携帯を探した。
「あれ?昨日充電したっけ?」
充電した覚えがない携帯電話が充電されていた。俺は、充電器を携帯から外し、チャットを開く、しかし。
「あれ?無い」
嘘…だろ。仁とはづきどころか、同じクラスのやつの連絡先、それどころかチャット履歴も無くなっていた。もっと細かく見ると高校の奴の連絡先が全てが消えていた。
「チャットバグったか?」
俺は、連絡を諦めて改めて制服を探すことにした。リビングに戻って探し始めると、ちょうど紗良が風呂から上がって来た。
「紗良、昨日大丈夫だったか?」
念の為、昨日のことが夢だったかを確認する。
「はぁ?急に何、キモイんだけど」
「ん…」
俺は紗良の唐突な罵倒に戸惑う。
あっ、あれ、思春期かな?もう中二だもんな。俺もあったよ、そうゆう時、ほら、右眼が疼いたり、木刀振り回したり、って違うそれは別の厨二だ。懐かしいなぁ、俺は強くなるんだァとか言って木刀の素振りしてたなぁ、あの時は趣味は木刀を振ることですってドヤ顔で言ってたからな…って落ち着け俺、なんで自分で自分の黒歴史掘り起こしてんだよ。テンパリ過ぎだな。たかが妹に思春期が来ただけだ。そうだ、たったそれだけ…
嫌だァァァァ!?戻ってこいサラァァ、カムバックッ!
「さっきから何ジロジロ見てんの?視線がキモイ」
ぐはぁ!?
紗良の言葉が俺を貫く。しかし俺は、めげなかった。
「なぁ、俺の制服知らないか?」
「何?ついにはコスプレに目覚めたの?死ねば」
「いやそうじゃなくて、高校の?」
「何言ってんの、だって、あんた…」
俺はこの後の紗良の一言で今までの違和感が実感へと変わった。
「ヒキニートじゃん」
「だれがヒキニートだコラァァァァ!?」
紗良の発言に驚愕を隠せなかった。
「いくら冗談でもにぃちゃん傷付くぞ…」
「なんなの?今度は、現実逃避?」
妹ぉぉぉぉ!?
全然、話が通じないんですけど。あれっ?昨日まで学生してたんですけど。何でだ!紗良ぁ記憶喪失でもしたのか?もしかして倒れた時に!?いや、あれは夢だろ…そっ、そうだ、確か九月に行った修学旅行の写真が携帯に入ってるはず。それを見せれば。
俺は学生であることを証明するのため、写真を開いた。
「そ、そうだ〜修学旅行の時にはづきが飛行機、間違えて台湾に行っちまった写真が…」
携帯のアルバムをスクロールしていくとみるみる顔が青ざめていく。
「写真が、無い」
まだ写真が無いだけならいい。スクロールして出てきたものは、知らないゲームの攻略サイトのスクショやら諸々、一度も見たこと無い写真が入っていた。写真の日付見てみると、丁度、修学旅行に行っていた日付けと被っていた。
これじゃまるで…
「俺じゃ、無い」
「いや、あんたでしょ。頭おかしくなったの?」
焦燥感にかられ、少し強引に肩を掴んで聞いた。
「紗良!?俺はいつからこうなったァ!?」
「痛い、触らないで!」
「ごめん」
紗良は憤慨して踵を返してしまった。しかし、一度立ち止まり、
「あんたが中学三年の時に、変な病をこじらせて学校に行かなくなったんでしょ」
紗良の怒号が響き渡る。
「そうだったんだな。なんか…迷惑かけちまったみたいだな」
俺は再び近づき、紗良の頭を撫でた。
「マジでキモイありえない」
「ぐぶっ!?」
紗良は、ボディブローを噛まして、リビングの方へ走り去った。俺はそのまま右膝を着き、頭を抑える。
これは一体全体何が起こってるんだ。知らないうちに充電されていた携帯、無くなっていた高校以降の連絡先、変貌した妹、消えた写真、職を失った俺。
どうやら俺は、パラレルワールドような所に来てしまったようだ。しかも、ヒキニートルートという最悪の世界線に。
そう、その時はまだそう思っていた…
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