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王妃専属ガーデナー  作者: 瑛美(あきみ)


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久々の・・・

色々と久々です。投稿も・・・。

 その日、王宮の庭園の一角で、大雨が降りました。

 原因(犯人)は、わたしです・・・。


「勘を取り戻すまでは、毎日(・・)特訓だな」

 久々の魔力切れで座り込んでいるわたしにシオン先生が言いました。

 近くにある程度の大きさの樹があれば、それに抱きついて魔力を回復することが出来るのですが、ここは芝生の広場。芝生でも回復できないことはないのですが、ほんのわずかな回復量です。接する面積を広げればもっと回復出来るのかしら?ならば、いっそのこと、寝転がって・・・。


「マリー!大丈夫か?」

 背後から、声がしたので振り返ると、慌てた様子でエドワード様が駆け寄ってきます。

「エドワード様!お仕事中では?」

「晴れているのに突然大雨が降れば驚くだろう。それもすぐに止めば尚更だ。不思議に思って外を見れば、マリーが座り込んだのが見えたから慌てて来たのだ」


「オサワガセシテモウシワケアリマセン・・・」

エドワード様の執務室からよく見える場所のようでした。


「殿下、丁度良いところへいらして下さいました。ローズマリー嬢は、久々に魔法を使用したことで魔力切れを起こしてしまい、動けなくなってしまったのです。休憩できる場所に運んで差し上げたいのですが・・・、魔法で浮かせて運ぶことも出来るのですが・・・」

「ああ、そう言うことか・・・」

 シオン先生の言葉をすぐに理解したエドワード様は、わたしをひょいと抱き抱え上げました。

 ここには、シオン先生だけではなく、セイラさん、ゼータさん、そして、新たにわたし付きになった侍女のドリーがいるのに、そんなことはお構い無いようで・・・。

「それじゃあ、行こうか」

 恥ずかしがるわたしとは違い、エドワード様はとても(・・・)ご機嫌です。  


 運ばれたのは、一番近い場所にあったコテージです。

 ここに来るのも久しぶりです。

 数日前から再び王宮で暮らせることになったものの、場所はコテージではなく王宮内の新しい部屋です。


「セイラは侍女(彼女)と共にローズマリーに付いていてくれ。ゼータは私と共に来るように。それから、殿下!貴方もですよ!」

 わたしを応接室のソファに下ろし、さりげなく隣に座ったエドワード様に向ってシオン先生が言いました。

「いや、私もここでマリーの様子を・・・」

「で ん か!! そんな調子だから仕事を増やされるんですよ。ローズマリーの事をとても(・・・)愛していることは分かりますが、まだ、婚約中ですからね!ほどほどにして頂かないと・・・」

「うっ、それは困る。・・・仕方が無い。では、マリー、無理はしないように」

 去り際に、わたしの手にキスをして行きました。



 エドワード様達を玄関までお見送りしてきた三人、セイラさん、ドリー、そしてローラさんが部屋に戻ってくるなり、

「ローズマリー様。長官もおっしゃっていましたが、愛されていますね~~」

「メアリから聞いてはいましたが・・・・・・。エドワード様もあんな表情されるんですねぇ~」

「ますます甘くなっていませんか?叫びたいの我慢するの大変でした」

 恥ずかしがっているわたしを他所に、三人で盛り上がっています。

 

「この話は一旦、ここまでにしましょうか。ご本人が居心地悪そうですし。続きは、後ほどゆっくりと」

「そうですね。私達だけじゃつまらないですしねぇ」

 セイラさんの一言で話は終わったようですが、後ほどって、何ですか?私達だけって?


「ローズマリー様、具合はどうですか?」

 セイラさんが尋ねてきました。

「ええ~っと、少しは良くなったようです」

 魔力切れを起こした直後より幾分か身体が軽くなりました。脚はまだまだですが。

「しばらく魔法を使っていなかった割には、魔力切れの症状が軽いですよね」


 わたしが魔法を使うのは、主に植物の世話をする時です。

 しかし、ここ一ヶ月、庭園に数回は訪れたものの、魔法を使う機会はありませんでした。


「でも、初めて魔力切れを起こした時もこんな感じでしたよ」

「そうなんですか?最近、植物のお世話はしていましたか?」

「ええ。お部屋に鉢植えの植物があるので」

 王宮の、わたしが過ごす部屋にはデニスさんが選んでくれた鉢植えがいくつか置いてあります。

 最近、庭園の仕事が出来ない代わりに、鉢植えの世話をしています。


「時々、世話をしながら愚痴られていますよね。植物に」

 確かに、時々、ダンスの練習がきついとか、ドレスは動きにくいとか言ってはいましたが、まさかドリー達に聞かれていたとは・・・。今度から気をつけないといけませんね。


「では、長官の推測していたことが正しいのかもしれないですね」


 シオン先生は、わたしの魔力の研究をしています。

 先生の前で実際に魔法を使って見せる他、時々先生が庭園にふらっと現れて、わたしが植物の世話をしているところを観察しています。


「魔力切れを起こすのは、魔力の操作が上手くいかなかったことが主な原因なので、そうならない為にも日々の訓練は欠かせないのです」

「でも、わたし、訓練らしい訓練は時々しかしていませんでしたし、魔法を使うことだって毎日ではありませんでしたよ?」

「以前、長官がおっしゃっていませんでしたか?『植物の世話をしている時は、無意識に魔法を使っている』と。ローズマリー様の場合、それが訓練の代わりとなっているようです。ですから、初めての時も軽くで済んだのでしょうね。ちなみに、人によって魔力切れの症状は様々ですが、ローズマリー様のよに力が抜けて座りこむ程度でしたら軽いほうで、酷い頭痛がするとか、全身が動かせないとか、酷い人では気絶します。症状が軽くなるまで早くて数時間。多くは半日はかかります。完全回復までは一日は必要ですね」

「うわぁ。そうなんですか」

 そうならない為にも、植物のお世話は毎日やったほうが良いようですね。


「危険な場所で魔力切れを起こすと大変ですね。例えば森の奥とか・・・・・・」

 ローラさんの言葉、最後のほうがよく聞こえませんでしたが、危険な場所は色々あるようです。

「ええ。ですから、そういった場所に行くときは最低でも二人一組で行くことにはなっています。それに、常日頃から魔力の回復薬を数個は持ち歩くようにはなっていますから、魔力切れを起こす前に飲むようにと指導されていますよ。その限界を知るために、初期の訓練ではわざと魔力切れを起こさせますけどね」

 そうなんですね~。なんてローラさんやドリーと関心しながら聞いていましたが、ある単語がひっかかりました。

「ん?魔力の回復薬?」

「ええ、これの事です」

 セイラさんがポケットから緑の液体の入った小瓶を取り出しました。

「そんな物があったのですか?!初めて見ました!」

「あ、そうなんですか?」

 セイラさんの返事は特に驚いた様子がありません。

「シオン先生も持っているのですか?」

「長官ほどの魔力の持ち主でしたら必要ないですが、念の為に1個ぐらいは持っていらっしゃるかと」

「え?じゃあ、それ使えば、わざわざあんな恥ずかしい思いしなくて済んだのでは・・・?」

 いくら魔法で周りから見られないようになっていても、抱っこされるのは恥ずかしかったです。

「ローズマリー様の魔力がどれぐらいの時間で回復するか調べたかったのではないでしょうか?」

「そうだとしても、初めの数回で解ったのではないですか?それに、今回だってセイラさんが持っていたのを飲んでさえいれば・・・」 

 エドワード様に部屋まで運んでもらう必要は無かったと思うのですが。

「長官の指示が無かったからです。それに、丁度エドワード様もいらっしゃいましたし。おかげで私達、良いものを見ることができました」

 セイラさんの言葉にローラさんとドリーが頷きました。

 明日からは魔力切れを起こさないように、魔法を使うときは慎重にしましょう。



 翌日からの魔法の訓練には、魔力切れを起こした時の為にジェームス兄様も付くようになりました。


「回復薬は?」

「緊急事態ではないから、必要無い!」

 わたしの訴えは聞いて貰えませんでした。


 

 


今までの話の訂正しています。主に誤字とか、口調の統一などです。

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