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王妃専属ガーデナー  作者: 瑛美(あきみ)


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星に願いを(2)

 『デイジー』に出かけた翌日、王妃様に『流星群の時期に行われる恋人達の行事』について報告に行きました。

 大変興味を持たれたようで、

「もっと詳しく知りたいわね」

と、おっしゃっていました。


「ある程度の事は知っていますが、詳しいことはわたし達が街で調べてまいりましょうか?」

そう言ったのは、リズさんとメアリ。二人とも恋人あいてがいます。

 恋人達の行事なので、当事者に聞くのが一番だと思い、二人に尋ねたのでした。

「お願いしますね。ついでに『デイジー』で、腕輪の基本セットを二つ買ってきて貰えないかしら」

 ジェームス兄様だけに渡すと、お父様とロジャー兄様がいじけてしまいます。

 ついでに、リズさん達が『デイジー』に行く口実も出来ます。二人とも、わたしとエミリーさんが作った腕輪が気になっていたようでしたから。

「分かりました。明日、行っても宜しいですか?」

「ええ。お願いします」




 翌日、リズさん達が街へ出かけたので、エミリーさんとローラさんと三人で庭園の仕事をします。

 まずは、温室です。

 こちらは年中気温がほぼ一定なので、作業も普段と変わりありません。

 水遣りをして、雑草を抜いて、花がらを摘んで、込み合った枝を切って・・・。

 毎日やっていることなので、すぐに終わります。

 次に、外です。

 冬なので、他の季節と比べて作業は少ないです。

 昨日水遣りをしたので、今日は必要ありません。

 雑草も毎日手入れをしているので、ほとんどありません。

 寒さと乾燥を防ぐために、土の表面に腐葉土を敷き詰める作業も終わらせてあります。

 後は、花がら摘みですね・・・。


 庭園の花壇には、パンジー、ビオラ、スイートアリッサムなどを植えています。

 現在、庭園は改装リフォーム中。

 今まで芝生だった場所にも新たに花壇を作りました。

 魔法で土を掘り起こし、肥料を混ぜて栄養のある土を作りをしました。この作業が終わった頃は、冬の始まり。

 急に寒くなって、植えたばかりの植物が傷むのを避けたかったので、本格的に植物を植えるのは、春になってから。何も植えられていない花壇は寂しいので、寒さに強い1年草を植えることにしました。

 ただ植えるのもつまらないので、5人それぞれに花壇を割り当てて、好きなように植えてみました。

 リズさんの花壇は、ピンクと白の花を中心に可愛らしくまとめてあります。

 メアリも同じく、ピンクが中心です。

 エミリーさんは、赤やオレンジ、黄色です。

 ローラさんは、紫や青系です。

 皆さん、同系色でまとめている中、

「マリー様の花壇が、一番カラフルですね」

 ピンク、水色、黄色などの淡い色のビオラの花壇です。

「このビオラの色の組み合わせが可愛かったので、それに合わせて選んだら、こんな風になってしまいました」

 ピンクと紫の花弁のビオラです。

 この花に合わせて、ピンクと黄色、黄色と紫、紫と水色・・・と、別の組み合わせの花を選んでいくうちに、とてもカラフルな花壇となってしまいました。


「それにしても、性格を表しているような花壇ですね・・・」

 ローラさんの言うとおりかもしれません。

 恋人がいて、幸せいっぱいのリズさんとメアリはピンク。

 明るく、行動的なエミリーさんは赤系。

 冷静なローラさんは青系。

 では、わたしは・・・?

「好奇心旺盛?天真爛漫?・・・マリー様の雰囲気に合っているのは確かですよ」

 

 春には、一緒に植えてあるチューリップなどが花を咲かせ、また違った雰囲気の花壇となることでしょう。

 



 夕方、帰ってきたリズさんとメアリはとても満足そうな顔をしていました。

「テレサさんが『デイジー』にいらしてましたよ」

 テレサさんに、『流星群』の行事イベントについて何か知っていることは無いか、訪ねたところ、

「ロゼッタ姉さんの出版社ところから出した小説がきっかけになった可能性がありますよ。『流星群』の時期に、贈り物(プレゼント)を贈ることは無かったはずですから」

 その本を探して、クララさんに届けてくれるそうです。

「それから、一緒に教室を受けた方から聞いたことなのですが・・・」

 色々なお店で『流星群』にちなんだ催し(フェア)が行われているそうです。

「限定のお菓子とか、メニューとかあって、『流星群』のころは人気のある食堂は予約待ちらしいですよ」

 街では、行事イベントとして定着しつつあるようです。


「マリー様。『基本セット』だけで良かったのですか?他に材料は必要なかったですか?」

リズさんが、わたしがお願いしていた物を渡しながら尋ねてきました。

「ええ。お父様とロジャー兄様にあげる物ですから。ジェームス兄様と同じでなければジェームス兄様がいじけてしまいますからね」

 わたしが不思議そうに答えると、リズさんだけでなく、他の三人も複雑そうな表情をしています。

「そうなんですか・・・。兄妹きょうだい仲がよろしいんですね・・・」

 エミリーさんがため息をついて、何か呟いていましたが、わたしには聞こえませんでした。

 

 

エミリーの呟きは、「エドワード様、忘れられてる・・・」です。

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