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王妃専属ガーデナー  作者: 瑛美(あきみ)


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休 暇

今回は、マリーの平和な一週間の休暇の話です。

 領地より、お祖父じい様とお祖母ばあ様がいらっしゃるとのことで、久々に実家に戻って来ました。



「温室の事は、任せて下さいね~」

と、エミリーさんに送り出されました。

 現在、温室は内装工事中です。

 中央に屋内庭園、両端には、暑さや寒さに弱い植物の避難場所と、種から苗を育てるための場所にするため、仕切りの壁を作っているのです。

 壁の高さは温室の高さの半分ですが、平屋の建物と同じくらいの高さはあります。

 本当は、この工事を見届けるつもりだったのですが、実家に帰る日程と、工事の日程が重なってしまったのでした。

「帰ってからのお楽しみですよ~」

 私の代わりは、エミリーさんが引き受けてくれました。私が今回、温室内を改装するために参考にした本を、彼女も読んでいたからです。

 心残りではありますが、エミリーさんの言うとおり、帰ってからのお楽しみと思うことにしました。



 久しぶりにお会いしたお祖父様とお祖母様は、とてもお元気です。

「今回のお休みの長さは?」

 お祖母様が尋ねてきました。

「一週間ほど、お休みを頂いてきました」

「それなら、卒業祝いも兼ねて、色々な所に行けるわね」


 その言葉どおり、翌日から色々な所に連れて行かれました。


 一日目は、お祖母様ご贔屓の仕立て屋で、お祖母様の服ではなく、私の服を注文することになりました。

「秋用の外出着を何着か仕立てましょう」

 楽しそうに生地を選ぶお祖母様に、「そんなに必要ないです」などとは言えませんでした。


 二日目は、お祖父様も一緒に、三人で観劇です。

 とても人気のある歌劇だそうで、主演の男女は声だけではなく、見目も美しい方達でした。お祖母様はたいそう感動していらっしゃいました。お祖父様は、恋愛物は苦手なようです。私は、それなりに楽しめました。


 三日目は、お母様の案内で、貴族や裕福な商人のご婦人方に人気のカフェに、お祖母様と三人で訪れました。お祖父様は、ご友人のお宅に行かれたそうです。

 流石、上流階級のご婦人方が通うお店です。お菓子など芸術品です。お茶も高級な茶葉を使用しているのが分かります。


 四日目は、天気が悪かったので、私は(・・)家でゆっくり過ごしました。

 連日の外出は、さすがに疲れてしまいます。


 五日目、お祖父様達は明日お帰りになります。私のお休みも明日までです。

「王都の若い女性たちの間では、何が流行しているのかしら?」

 お祖母様が尋ねてきました。領地のお邸の若い侍女達への土産話に知りたいそうです。

「それなら、いいお店がありますよ」

 

 私はお祖母様を連れて、『デイジー』にやって来ました。

 若い女性の集まるお店なので、流行には詳しいはずです。

「いらっしゃいませ。あ、ローズマリー様、お久しぶりです」

 クララさんが出迎えてくれました。

「こんにちは。今日は、祖母と一緒に参りました。最近、街で流行している物を知りたいそうなんです」

「初めまして。ローズマリーがお世話になっています」

「あ、は、初めまして。こちらこそ、ローズマリー様のおかげで、お店が人気なんです・・・」

 クララさんは緊張しているようです。

「そんなに改まらなくても宜しいのよ。早速、教えていただけないかしら」

「あ、は、はい。分かりました。今、一番人気なのはコチラです」

 クララさんが見せてくれたのは、オーデコロンでした。

「お祖母様、これ、領地うちの物ですよ」

「あら、本当」

 クララさんが見せてくれたのは、ヴェニディウム伯爵領で作られている物でした。

「テレサの小説の影響ですよ。他には、アクセサリーもですが、革製品も小説のおかげで人気です」

 お祖母様に、クララさんの友人のテレサさんの事を説明しました。

「最近、テレサさんの小説は人気なんですか?」

「ええ、主人公たちのモデルが良いから・・・」

「モデルですか?」

「ええっと・・・。お店や街で人間観察を二人でしてまして・・・」

「まぁ、研究熱心なんですね」

 お祖母様が関心していらっしゃいます。

「その小説を、お土産に買っていこうかしら」

「良いですね。王宮でも、若い侍女の間で人気なんですよ」

 ロゼッタさんから頂いた本は、王宮の使用人用の休憩室の本棚に置くようにしています。読みたい時は、そこに行って借りるようにしているのですが、ほとんどが貸し出し中になっています。

 クララさんにお願いして、人気の本を見繕ってもらいます。

 他にも、リボンやハンカチなどの小物を購入しました。

「可愛らしい物ばかりで、楽しいお店ね。今度来る時は、何が欲しいか、皆に聞いてからにしましょう」

 お祖母様は、お店を気に入ったようです。

 

 六日目、お祖父様とお祖母様は、領地へと帰って行きました。

 ほぼ、毎日のように出かけられたにも関わらず、お二人は最終日までお元気でした。

 反対に、私は連日の外出で、人酔いしたようです。

 本日中に王宮に戻る予定でしたが、今日はゆっくり休むことにして、明日、お父様達と共に戻ることにしました。

 温室がどの様になっているかは、非常に気にはなりますが、体調を優先に我慢することにしました。(お兄様がうるさいので)

 





温室の工事日程とマリーの休暇が重なったのは、ロジャーの策略です。

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