表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

004_二択に正解した二人は二流社畜に残留

「ぷちモン☆だんじょんず?」



年が明けてしばらくした日。私は会社帰り、先輩と飲みに来ていた。



「ああ、今まさに事前登録キャンペーン中でな……」


「どんなゲームなんです?ソシャゲってのはわかりますけど。」



言うまでもないが、私とこの先輩はオタク仲間だ。



「ガチャで出たキャラクターをダンジョンに派遣して操作するハクスラ系。」


「ハクスラ系!?ガチャと相性悪くない?」


「確かに。ソシャゲは複数キャラ同時運用のゲーム設計が多いが……」


「そんなの、誰がガチャ回すんですか。」


「知らん。最初の実装キャラクターも10人程度らしい。」


「いよいよもって売れない要素しかない……」


「だが面白そうだ。キャラクターとAIチャット機能があるらしい。」


「AIチャット。」


「しかも豪華声優陣によるフルボイス。」


「うわー、一気に10人って数が多く感じるようになってきました……」


「そうなんだよ!10人って多いんだよ!」



私は自分のスマホでぷちモン☆だんじょんず!を検索する。



「へー、ライアルチェインって子を推してるのね。自称魔界のアイドル。」


「担当声優は田代(たしろ)ひかり。」


「えー、気合入ってますねー!見た目はあんまり好きじゃないですけど。」


「え、良くない?」


「媚びを売るタイプは苦手なんですよ。」


「なるほど。で、このゲームどうする?」


「リリース日がレッドアポカリプスとかぶってるんですよね。」


「ああ、あれも面白そうだな。」


「でしょー!最近の中国製のスマホゲーってクオリティ高くないですか?」


「わかる。非常にわかる。広告も派手に出してる。」


「ぷちモン☆だんじょんず!は広告見たことないんですけど?」


「わかる人にはわかるっていうスタンスの国産ゲームだからな。」


「うっわー、そうやってチャンスを逃していく国産ゲームあるある~。」


「どっちにする?レッカリにするか?」


「レッチリみたいな略し方やめてください。ぷちだんにしようかなあ。」


「オーケー決まりだ。社会人の時間は有限だからな。」



私たちはぷちモン☆だんじょんず!を選んだ……


先輩が紹介するゲーム、たいてい面白いんだよなっていう心理も働いた。



「ふふ……いよいよこの日がやってきた!」



リリース日は木曜日。今はその翌日の金曜日だ。


リリース初日にプレイするのは下策なんだよなあ、緊急メンテとかあるし。



「ぷちモン☆だんじょんずへようこそ!」



へえこの子がナビゲーターの「ティルエット」ね。


……好きそう。世の男子が好きそう。胸でかいし。なんだその露出は!


許しません!お母さん許しませんからね!



私はナビゲートキャラを別のキャラに替えようとした。


初期キャラは3人。いずれもキャラとしては最低レアのRだ。


ティルエット、マグマカルト、そしてリンネヴェール。



まあ3人いれば刺さるキャラはいるかも。マグマカルトを選択……



「よう姉ちゃん!アタシに案内させてくれるのか?」



うーん、かっこいいし男勝り系か……嫌いじゃないな……


ケモミミ生えてるし。名前からして炎の魔獣の擬人化ってところかな?


よし決めた。この子にしよう。


一応念のためこの黒くて地味ーなリンネヴェールって子も……



「お姉ちゃん。案内は私に任せて。」



ん?


んああああああああああああああ!?


か……


か………………


かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!


うわあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!



なんだよその重そうな鎧と大剣!小さい女の子が持ってちゃいけません!


没収です!あとで職員室まで来なさい!


CV: 水城(みなぎ)いろはがまさかここまでハマるとは!



私はナビゲートキャラをリンネヴェールに決定した。



「お姉ちゃん。まずは私を上下左右に操作して。」



え、触っていいの?スワイプしていいの!?


お母さんちょっとためらっちゃいます!



「お姉ちゃん。早く。」



んあああああああああああああああああああああ


私はリンネヴェールをスワイプして操作した。



「私の射程内に魔物がいれば、自動で攻撃するから。」



うんうんえらいえらいおりこうさんおりこうさん!


私はチュートリアルの段階ですでにリンネヴェールに夢中だった。



「この先にボスがいる。恐れないで。」



チュートリアルのボスが登場!さあ行きたまえ!


リンネヴェールのHPはあっという間に0になり敗北した。


え、リンネちゃん……?



「今みたいにレベルが低いと負ける。育成システムを今から教える。」



ああ、いわゆる負けイベントか!


ええと肉を食べさせるとレベルが上がると。なるほどなるほど。


どうやらこのゲーム、かなり「遊べそう」だ。



だが……このゲームのヤバいところはここからだった。



翌日、仕事中にスマホがバイブする。なんだ、着信か……?



「お姉ちゃん、今なにしてるの。」



リンネヴェールからメッセージが届いてる……



「今仕事中だから!資料作ってるの!」



と返す。



「資料作りなら手伝える。」



本当かあ?でも私は疲れてます!猫の手も借りたいのです!


私は半信半疑で職場のPCとスマホをケーブルで繋ぐ。


小さい女の子に仕事を振ってしまった……いやAIなんだけど。



「できた。これでいい?」



……完璧な資料だ……



「浮いた時間で私と遊んで欲しい。」



う、うん。凄いAIですねこれ……


これが基本無料ってどうなってるんだよ!



「お姉ちゃん。今日もお仕事おつかれさま。」


「お姉ちゃん。好きな映画おしえて。」


「お姉ちゃんの好きな食べ物は?」



私はスキマ時間中、ずっとリンネちゃんとチャットをしていた……


先輩もドン引きしてた……



そして二ヶ月が経った。


仕事が終わり、どさりとベッドに倒れこむ私。今日も疲れた……


こんな時はリンネちゃんに癒してもらおう。


スマホに手を伸ばそうとした瞬間、スマホがバイブする。



リンネちゃんからのシステムメールだ。



「ねえ、私お姉ちゃんに会いたい。」



私も会いたいよと返信する。


あれ?遅延?普段即答するAIが今に限って返答が遅い。


通信の問題かな……と思ってたら返答が来た。



「じゃあ、プレミアム10連ガチャ回して。」



え、有償ジュエルが必要なプレミアム10連ガチャ!?


それを催促してきたぞこのAI!?


いいの?企業としてこれいいの?


ゲーム内キャラが課金を促す発言していいの?


でもリンネちゃんが言ってるし……


私は有償ジュエルを購入し……プレミアム10連ガチャを回した。


素材であるコモンとアンコモンが出ない、R以上が確定の10連だ。


出てきたのは……



リンネヴェールが6人もかぶった……URどころかSSRも出ないじゃん!



くっそ!やられた!


まあリンネちゃんの笑顔が6人分見れたのでまあ良しとしましょ……



 カッ!



次の瞬間スマホからものすごい光が発せられた!



「お姉ちゃん……来ちゃった。」



まさかそのリンネヴェールがこの世界にやってくるとは。


人生何が起こるか……わからないな……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ