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Reincarnation -Record of memories-  作者: 斗真
第三章 戦乙女たちの招待状

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第四十四話 真正面を探す足

第二試合。


レナ対イリス。


闘技場に立つ二人は、まるで正反対だった。


レナは前のめりに構えている。


包帯の残る腕を軽く回し、足先で地面を何度も叩く。


走りたい。


飛び出したい。


それが全身から漏れていた。


対するイリスは、静かに立っている。


薄紫の髪が風に揺れ、穏やかな微笑みを浮かべている。


その周囲には、薄い鏡のような結界がいくつも浮かんでいた。


見る角度によって、彼女の輪郭が半歩ずれて見える。


そこにいる。


だが、少し違う。


見えているのに、掴めない。


レナは眉を寄せた。


「うーん」


イリスが首を傾げる。


「どうしました?」


「見えにくい!」


「ありがとうございます」


「褒めてないぞ!」


「戦い方としては褒め言葉です」


「そうなのか?」


レナは少し考えた。


「じゃあ、すごく見えにくい!」


イリスは微笑んだ。


「ありがとうございます」


観客席のユナが額に手を当てた。


「会話が成立してるようでしてない」


ミアは楽しそうに言う。


「でもレナらしいぞ!」


ロイドはまだ治療を受けながら、記録板を持っていた。


「レナにとってイリスは相性が悪い相手です」


トーマが問う。


「やっぱり?」


「はい。レナは速さと直感で相手の懐へ入るタイプです。しかしイリスは、相手の直感そのものをずらしてくる」


ノアが不安そうに言う。


「じゃあ、レナさんはどうすればいいの?」


ソルが静かに答えた。


「止まって見る」


ユナも頷く。


「レナさんが一番苦手なやつ」


レナは遠くから振り返った。


「聞こえてるぞ!」


ロイドが淡々と言う。


「事実です」


「うぐっ」


そのやり取りに、キリカがベイル側の観覧席で鼻を鳴らした。


「あの足速い人、また突っ込むんじゃない?」


メルはふわっと笑う。


「でもさっきのガーネさんとの試合では、ちゃんと止まってたよぉ」


「一回止まれたくらいで信用できないっての」


「キリカちゃんも一回褒められたくらいで調子に乗るよねぇ」


「乗らない!」


「昨日、罠の置き方褒められて三回同じ罠使ったよ?」


「覚えてない!」


「覚えてるよぉ」


キリカは顔を赤くしてそっぽを向いた。


一方、テリア側のリトル姉妹も真剣に見ていた。


ルチアは背筋を伸ばす。


「イリス様は、真正面から来る相手ほど得意ですわ」


フィナがにこにこしながら言う。


「でも、あのレナさん、真正面しかなさそうだよ?」


「だからこそ危険です。真正面しかない者は、時に予測を超えてきます」


フィナは少し目を丸くした。


「お姉ちゃん、ちゃんと見てるね」


ルチアは誇らしげに顎を上げる。


「当然です。私は姉ですから」


「姉って観察力の役職だったんだねぇ」


「違いますわ!」


フィナは楽しそうに笑った。


⸻


審判が中央へ立つ。


「第三カード群、第二試合。シェイン王国代表、レナ。テリア王国代表、イリス」


レナは足を開き、深く腰を落とす。


イリスは両手を胸の前で重ねる。


鏡結界が彼女の周囲を静かに回転する。


審判の手が上がった。


「開始!」


鐘が鳴る。


レナが消えた。


いや、走った。


速い。


最初から全力に近い踏み込み。


闘技場の砂が後ろへ吹き飛び、一直線にイリスへ迫る。


「速いですね」


イリスは穏やかに言った。


鏡結界が一枚、レナの進路へ滑り込む。


レナは迷わず蹴った。


「邪魔だ!」


鏡が割れる。


観客席がどよめく。


だが、割れた鏡の向こうにイリスはいない。


レナの拳は空を切った。


「え?」


イリスは半歩横にいた。


いや、半歩横に見えた。


レナが振り向く。


その瞬間、別の鏡結界が光る。


レナの視界に、イリスが三人映った。


「増えた!」


レナは叫ぶ。


イリスが微笑む。


「本物は一人です」


「じゃあ全部触ればいい!」


レナは即座に動いた。


右のイリスへ突っ込む。


拳が通り抜ける。


幻影。


勢いを殺せず、レナの体が前へ流れる。


その背後から、イリスの光帯が伸びた。


レナの足首を絡め取る。


「うわっ!」


レナは転びかけた。


だが、地面へ手をつき、腕の力だけで体を跳ね上げる。


足首の光帯を力任せに引きちぎり、空中で一回転して着地した。


観客席から歓声が上がる。


イリスは少し驚いたように目を開いた。


「今のを力で?」


レナは胸を張る。


「私は足が速いからな!」


イリスは首を傾げる。


「足首を縛ったのですが」


「足が速いからな!」


「なるほど」


「分かったのか?」


「少しだけ」


ロイドが観客席で小さくため息をついた。


「イリスさんも合わせてくれていますね」


トーマは苦笑した。


「相手が優しい人でよかったな」


ソルは目を細める。


「優しいが、甘くはない」


その言葉通り、イリスは次の術式を展開していた。


鏡結界が床へ映る。


闘技場の砂地に、細い光の線が浮かび上がる。


本物の足場と、映された偽物の足場。


レナの目が揺れる。


「地面も見えにくい!」


「はい。走る方には少し不便かと」


「少しじゃないぞ!」


レナは走り出そうとして、足を止めた。


一瞬。


本当に一瞬だったが、止まった。


観客席のユナが小さく言う。


「止まった」


ミアが目を輝かせる。


「レナ、止まったぞ!」


ノアも頷く。


「見ようとしてる」


レナは足元をじっと見た。


どれが本物か分からない。


でも、全部が嘘ではない。


イリスは相手を騙す。


けれど、完全な嘘だけで戦っているわけではない。


本物を少しずらす。


見えるものを半歩だけずらす。


なら。


レナは目を閉じた。


「見るの、やめる」


イリスの眉が少し動く。


レナは足先で地面を叩く。


一度。

二度。

三度。


音。


砂の硬さ。


跳ね返り。


風の流れ。


レナは難しいことを考えるのが苦手だ。


だから、全部を頭で理解しようとするのをやめた。


自分の足で確かめる。


「ここは本物」


一歩。


「ここも本物」


もう一歩。


「ここは、なんか変!」


その瞬間、レナが横へ跳んだ。


踏んでいたら足を取られる鏡の罠が、彼女の横で光る。


ロイドが目を見開いた。


「感覚で判別しています」


ユナが少しだけ笑う。


「レナさんっぽい」


キリカも思わず身を乗り出した。


「へえ。あの人、馬鹿っぽいのにやるじゃん」


メルが言う。


「キリカちゃん、馬鹿っぽいは失礼だよぉ」


「じゃあ、走ることしか考えてなさそうなのに!」


「それも失礼だよぉ」


ミアが遠くから叫ぶ。


「レナは走ることだけじゃないぞ!」


レナは闘技場で叫び返す。


「そうだぞ! 止まることもできる!」


ユナがぽつりと言う。


「自慢することではないけど、成長」


イリスは微笑んだ。


「なるほど。では、もう少しずらします」


鏡が増える。


イリスの姿が五つに分かれた。


さらに、音もずれる。


右から聞こえた足音が、左から響く。


前にいるはずの気配が、後ろへ流れる。


レナは顔をしかめた。


「うわ、気持ち悪い!」


「ありがとうございます」


「だから褒めてない!」


レナは走った。


ただし、今度は最初から全力ではない。


短く走る。


止まる。


足元を叩く。


また走る。


止まる。


視線を上げる。


イリスの幻影が揺れる。


レナは本物を探す。


だが、イリスは巧妙だった。


本物だけが自然に動くわけではない。


幻影も呼吸をしているように揺れる。


本物だけが影を落とすわけでもない。


鏡が影まで映している。


レナは苛立つ。


「もう!」


走りたい。


一直線に行きたい。


でも、真正面が分からない。


その苛立ちを見て、イリスは静かに手を上げた。


「焦ると、さらにずれますよ」


「分かってる!」


「本当に?」


「たぶん!」


「そこは自信を持たないのですね」


レナは歯を食いしばる。


焦るな。


止まれ。


見る。


聞く。


足で確かめる。


レナは深呼吸した。


「トーマも、怖いって言ってた」


ふと、そう呟いた。


「ロイドも、怖いって書いた」


自分は何を言えばいい。


レナは考える。


難しい言葉は浮かばない。


だから、素直に言った。


「見えないの、嫌だ!」


観客席のロイドが小さく頷いた。


「良い自己認識です」


トーマも笑った。


「レナらしい」


レナは続ける。


「でも、嫌でも走る!」


ユナが少し眉を上げる。


「結局走る」


ソルが静かに言う。


「だが、今度は違う」


レナは足を止めた。


深く腰を落とす。


イリスの幻影が五つ。


足場もずれている。


音もずれている。


なら、どうする。


全部見ない。


全部信じない。


けれど、全部捨てない。


レナは片足を後ろへ引いた。


「私は、真正面が好きだ」


彼女の足に魔力が集まる。


速さを支える、単純な強化。


だが、今回は走るためだけではない。


「でも真正面が分からないなら」


レナの目が開く。


「真正面を作る!」


次の瞬間、レナが地面を蹴った。


ただ走るのではない。


踏み込みの衝撃で、砂地を大きく弾き飛ばした。


砂が前方へ一直線に舞う。


イリスの鏡と幻影に、砂がかかる。


本物の鏡には砂が当たる。

幻影は砂を通す。

本物の体は、砂を避けるか受ける。


一瞬。


ほんの一瞬だけ、幻影と本物の差が生まれた。


イリスの目が見開かれる。


「砂で……?」


レナは笑った。


「見えた!」


一直線。


今度こそ本物のイリスへ。


イリスは即座に鏡結界を展開する。


反射。


レナの突進を逸らすつもりだ。


だが、レナはそれも見ていた。


「そこも!」


レナは突進の直前で止まった。


靴底が砂地を削る。


勢いを殺しきれず体が前へ倒れそうになる。


それでも止まる。


イリスの鏡結界が、誰もいない前方へ滑っていく。


レナは笑った。


「止まったぞ!」


そして、止まった反動を使って横へ跳ぶ。


鏡の横を抜け、イリスの懐へ入る。


観客席が爆発するように沸いた。


「入った!」


トーマが叫ぶ。


イリスはすぐに後退しようとする。


だが、レナはもう近い。


拳を振る。


イリスは鏡で受ける。


鏡が割れる。


二枚目。


割れる。


三枚目。


ひびが入る。


レナの拳は重くはない。


だが、速い。


何度も何度も、同じ場所を叩く。


「当たれ! 当たれ! 当たれー!」


「元気ですね……!」


イリスは少し困ったように笑う。


だが、その額には汗が浮かんでいた。


近づかれた。


レナの距離だ。


イリスは幻惑型。


近距離で連打されると、術式の組み替えが追いつかない。


それでも、イリスは冷静だった。


彼女の足元に、小さな鏡が一枚。


レナは拳を振ることに集中していて、気づかない。


ユナが叫んだ。


「レナさん、足元!」


「え?」


レナの足元の鏡が光る。


視界が反転した。


上と下。


右と左。


前と後ろ。


一瞬、レナの感覚が逆になる。


拳が空を切る。


イリスはその隙に身を引き、光帯を伸ばす。


レナの腕と足に絡む。


今度は強い拘束。


レナが動こうとするほど、鏡の反転で力の向きがずれ、自分で自分の体勢を崩す。


「うわっ、右が左だ!」


「落ち着いてください」


イリスが言う。


「落ち着いたらほどけるのか?」


「いいえ」


「じゃあ落ち着かない!」


レナは力任せにもがく。


拘束が軋む。


だが、完全には切れない。


イリスは深く息を吐いた。


「これで終わりです」


光帯がさらに締まる。


レナの膝が地面につく。


審判が近づく。


「続行不能か確認を」


レナは歯を食いしばった。


負ける。


また負ける。


ガーネ戦に続いて、二度目の敗北。


悔しい。


でも、前と違う。


今回は、止まれた。


見ようとした。


真正面を作れた。


イリスに近づけた。


なら、まだ終わりたくない。


「まだ……!」


レナは膝を立てる。


拘束された腕を引く。


光帯が食い込む。


痛い。


だが、レナは笑った。


「私、分かったぞ」


イリスが少し首を傾げる。


「何をですか?」


「見えない相手には、ちゃんと止まる」


「はい」


「足元も見る」


「はい」


「でも最後は」


レナの足に魔力が集まる。


膝をついた状態。


腕も拘束されている。


普通なら走れない。


だが、レナは足が速い。


立っていなくても、蹴れる。


「やっぱり走る!」


レナは地面を蹴った。


拘束されたまま、イリスへ突っ込む。


正確には、光帯ごと自分の体を引きずった。


イリスの目が見開かれる。


「その状態で!?」


レナの体が低く滑る。


腕は使えない。


だから、肩から行く。


一直線。


イリスは鏡を出す。


だが、距離が近すぎる。


レナの肩が鏡にぶつかり、鏡ごとイリスを押し込む。


衝撃。


イリスの体が後ろへ弾かれる。


観客席が沸く。


しかし。


イリスは倒れなかった。


後方にもう一枚、柔らかい反射膜。


自分の体を受け止めるために用意していた。


レナの最後の突進は、イリスを倒すには届かなかった。


イリスは息を切らしながら、光帯を引いた。


レナの体が地面に固定される。


今度こそ動けない。


審判が確認する。


「レナ選手、続行可能ですか?」


レナはもがこうとした。


だが、足が動かない。


腕も動かない。


魔力も乱れている。


少しだけ悔しそうに顔を歪める。


それでも、笑った。


「……無理だ!」


審判が手を上げる。


「勝者、テリア王国代表、イリス!」


観客席から拍手が起こった。


勝者はイリス。


だが、レナにも大きな拍手が送られた。


レナは拘束を解かれ、地面に大の字で寝転がった。


「また負けたー!」


イリスが近づき、手を差し出す。


「とても怖かったです」


レナは手を掴んで起き上がる。


「私がか?」


「はい。何度も届きそうでした」


レナは少し嬉しそうにした。


「じゃあ次は届くな!」


イリスは微笑む。


「次は、もう少し遠くへずらします」


「むむ。なら私はもっと速く走る!」


「止まることも忘れずに」


「分かってるぞ!」


その言葉に、イリスは少しだけ笑みを深めた。


「本当に、少し分かっている顔です」


「少しか!」


「はい。少し」


「次はいっぱい分かる!」


二人は笑い合った。


⸻


シェイン側へ戻ってきたレナを、ミアが全力で迎えた。


「レナ! 惜しかったぞ!」


「負けた!」


「でもすごかった!」


ユナが静かに言う。


「止まれた。足元も見た。最後も考えてた」


レナは目を輝かせた。


「ほんとか?」


「うん。でも最後はやっぱり走った」


「それは私だからな!」


ロイドは記録板に書き込む。


「敗北ですが、内容はかなり良いです。ガーネ戦よりも判断の種類が増えています」


レナは胸を張る。


「つまり成長だな!」


「はい。成長です」


ロイドが素直に認めると、レナはぱっと笑った。


「やった!」


ノアも笑う。


「レナさん、ちゃんと帰ってきたね」


トーマは頷いた。


「ああ。負けても、ちゃんと戻ってきた」


レナはトーマを見て、にっと笑う。


「負け仲間だな!」


「そうだな」


「でも次は勝つ仲間になるぞ!」


「それもいいな」


トーマは笑った。


レナの敗北は、明るかった。


悔しいのに、暗くない。


倒れても、次の一歩が見える。


そういう敗北だった。


⸻


一方、テリア側では、イリスが戻ってくる。


ルチアが礼儀正しく頭を下げた。


「イリス様、お見事でした」


フィナもにこにこしながら言う。


「でも最後、ちょっと危なかったねぇ」


イリスは苦笑した。


「はい。思ったよりずっと近づかれました」


フィナは楽しげに言う。


「ああいう人、広範囲で先に足場ごと崩した方が安全そう」


ルチアがすぐにたしなめる。


「フィナ、すぐに足場を崩そうとしない」


「だって安全だよ?」


「見栄えというものがあります」


「お姉ちゃん、試合中も見栄え気にするの?」


ルチアは一瞬詰まった。


「……気にしますわ」


イリスはくすりと笑った。


「二人とも、よく見ていますね」


ルチアは少し誇らしげに胸を張った。


「はい。私たちも、いずれあの舞台に立つ者ですから」


フィナはにこにこ頷く。


「その時は、お姉ちゃんが前で、私が後ろからどーんってするね」


「だから私ごとどーんは駄目です!」


「避けてね?」


「避ける前提で撃たないでください!」


イリスは穏やかに笑いながら、治療席へ向かった。


⸻


魔法掲示板が光る。


第三カード群、第二試合。


勝者、テリア王国代表イリス。


現在の結果。


テリア王国 1勝

シェイン王国 1勝


再び並んだ。


そして、次に表示された名前で、闘技場の空気が変わった。


第三試合。


ソル 対 ロイ。


その文字が浮かんだ瞬間、歓声ではなく、まず静寂が落ちた。


待っていた試合。


シェイン最高戦力、ソル。


テリア最高戦力、ロイ。


長年のライバル。


互いを知り、互いを認め、互いに勝つことを譲れない二人。


ソルは静かに立ち上がった。


ロイも、いつの間にかテリア側の入口に立っていた。


二人の視線が、闘技場の中央で交わる。


言葉はない。


それだけで十分だった。


トーマは息を呑んだ。


「いよいよか」


ロイドは記録板を持つ手に力を込める。


「はい。今大会屈指の一戦になるでしょう」


ノアは小さく言う。


「二人とも、すごく静か」


ユナが答える。


「静かな方が怖い」


ミアが拳を握る。


「ソルさん、勝って!」


レナも包帯を巻き直されながら叫ぶ。


「ソルー! 絶対勝てー!」


ソルは振り返らない。


けれど、その声は届いていた。


テリア側では、アリスがロイを見る。


「ロイ」


「うん」


「負けた分、取り返しなさい」


「うん」


イリスも静かに言う。


「ご武運を」


ロイは頷く。


そして、ソルへ向かって歩き出した。


ベイル側のキリカが息を呑む。


「なんか、空気が違う」


メルも珍しく菓子を食べる手を止めていた。


「うん。これ、本気の人たちだねぇ」


ルチアは背筋を伸ばし、フィナも目を細める。


小さな戦乙女たちも分かっていた。


これは見逃してはいけない試合だ。


ソルとロイ。


二つの最高戦力が、闘技場の中央へ進む。


静かに。


鋭く。


そして、誰よりも熱を秘めて。


第三カード群、第三試合。


最高戦力同士の戦いが、ついに始まろうとしていた。

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