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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
異世界ミリカンテア編
4/260

第3階 アオナ・エカルラート

敵の親玉っぽい人物の名前が

分かったので父に確認しようと

母に連絡し代わってくれる様に

お願いしていた


「おう!どうした?」

父の声が耳を撫でる様に

染み込んでくる

大好きな父に私は報告した

メイユールの名を


「...正直その名前は知らないが

何か篭っている感じがする

要するにだ、そのあれだ

なんて言えば良いかなぁ....

そうだ!ある大物の残り火だ」

父が親身になっている事に

日々感謝を覚える私であった


「それって模しているって事?」

私は本来の大きな存在を

大きな大炎に例え

メイユールを残りの小さな火に

例えたのと思った


「まぁそれに近いな

そいつは表舞台にはいないはず

まぁ大丈夫だろ

危なくなったら連絡くれよな!」

父に信頼されている

そう感じた私は泣きそうになっていた


「うん、分かった」

けど、笑顔で行ってきますのつもり

で元気に笑って答えた


その後母が代わりたいということ

だったので代わって貰った

何が食べたい?と聞いてきたので

レッドドラゴンのパスタと答えたら

腕がなるよ〜とか言っていたので

楽しみと伝えてあげた

母は家事が大得意で料理は超得意

全部父を幸せにする為に

身に付けた事と話してくれた事があった


さて私はこの世界に生まれる際に

1つの魔法をかけていた

この世界の私であるアオナと

父と母から生まれた

たった一人の私がズレない様にする

認識魔法を。

私は本来の私に最も近い姿で

この世界に転生出来る様に


私の身体は10年経ち

大きく成長していた

体力も気力も溢れていた

しかしこの世界の時の流れの速さは

私の本来の世界での1ヶ月にも満たなかった

いわゆる"速い世界"


私はこの和泉の国では

目立たない様にしてきた

アカナには全面的に協力して貰い

私は冒険者と成る事をアカナに告げていた


アカナと同等の強さを

アカナだけに示してきた

私はアカナに心配はされたものの

止められはしなかった

私、アオナ・エカルラートは

物語の世界の冒険者に憧れ

国の繁栄の為に裏で

暗躍すると決めたのだった


隣の国に敵が迫っていると

十分な別れも出来ずに

明け方アカナは国をあとにした

1度国を出るとアカナは半年近く帰らない

それだけ被害が大きいと

アカナは苦笑していた


私は目星を付けている方向に向かった

それはアカナ陣営の更に最奥の

最も危険と指定された場所にいた


ラブラビアの居城

セイクリッド・エレガント・ザナドゥ

と呼ばれる

世界の恐怖の象徴の1つとして

認知されるその居城は

桜色した彩り鮮やかなピンクが

咲き乱れる白亜の城だった


ラブラビアは周囲の山、海、そして

荒くれ者やはみ出し者に首輪を付けさせ

魔法で服従させ支配下に置いていた

居城の周辺の荒野に放置させるという

エゲツなさ。

周辺のクマをはじめとする

肉食含む動植物は彼等に狩り尽くされていた

これがラブラビア軍であった


進軍する度に女子供は勿論

村々の男性達は怯え震えた


境界線を徐々に侵攻する

ラブラビア軍に対して

今回アカナは最前線に立ち

対策を講じようとしている事を

国の重鎮達から聞き出した


私の第一の目的と

アカナの力になりたい

気持ちが合致した

幸先の良い始まりだった


和泉の国は魔法少女の国で

捨てられた少女達や

必要とされなかった少女達を

集めて生きる力を養っていた


よって最前線に出る

戦力も15までの少女達が主となる

私としては早期決着を望んでいる

あの女、ラブラビアが危険極まりない

性格をしている為である


私は駆けた

まるで飛ぶように


呻き声が怒号の様に聞こえた

先手必勝の奇襲攻撃を仕掛けたい

ラブラビア軍はもう目と鼻の先だった

私は大地を蹂躙する

ラブラビア軍の歩みによって

風前の灯火の村の

女性に語りかけた

ラブラビア軍の唾が飛び

大地を揺らす逞しく激しい足取りが

その女性に恐怖を今も与え続けていた

私は村周辺に"速い世界"の魔法を与えていた

ラブラビア軍はほんのり動いていた

時が停止する直前のスローモーションが

周囲を包み込んだ


「ねぇ?貴女達を狙っている...で

間違えないかしら?」

私の問いに女性は恐怖を

一瞬忘れた様な顔でコクっと頷いた


私はもう既に動いていた

女性を襲おうとしていた

ラブラビア軍の最前線の

化け物は血の涙を流していた


そのままガクッと膝を

落とし邪気が消えた


世界の速度が通常になった今

私の放った黄色い閃光が

まるで大津波の様にラブラビア軍を

跡形も無く蹂躙した

ただただ無慈悲にただただ無感情に


「あなたが助けてくれたの?」

剣を振り終えた私に女性は

ほんの少しだけ

ホッとした表情を見せた


「えぇ」


目の前で倒れている男性を抱き寄せた

先程最前線にいて女性を殺そうとした

化け物であった

今ではすっかりズタボロの

好青年といった感じ


「あなた...!!」

私は女性の言葉から

ラブラビアの恐ろしい所業を

目の当たりにした

女性が最も信頼している男性に

魔法をかけて無理やり襲わせていた


「良かった!!...生きてる!!」

女性は涙を強く滲ませていた


あのクズ

私は心の中で毒づいた


「あ!ありがとうございます!」

女性は私に頭を下げてきた


私は自身の頰がほんのり

高揚するのが分かった


私は得意げに

「私はアカナ・エカルラート様の

命で剣を振るう者」

と女性に告げた


2人は頭を深々と下げた


私は村を後にして

すぐさま飛び出した


御礼をしたいと申し出て頂いたのだが

アカナ軍が来たら手厚く歓迎して

欲しいとだけ告げた


ラブラビア軍にかかっていた魔法は

感染型の人間の三大欲求の1つの

タガを外し暴走させるものだった

より暴力的に攻撃的に残忍に

強化する為であろう


私が成長している間

何が起こっていたか

想像しない事にした


村の周囲を見渡したところ

精神的に疲弊している男性が

涙を流している女性に抱き寄せ

られているのが複数確認出来た


..私は思考しながらラブラビア配下を

掃除しつつラブラビアの首を目指していた

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