第270階 訓練の地
「だから、ハツミでいいん…いや。
ハツミでいてくれよな!
そしてハツミの本当を叶えるために、二刀を教える!!」
多分、集然の巻き起こす認識阻害疑似修正や別時空間修正も
きっと気付かれていた。
お父さんはきっと気付いていたんだわ。
「私はハツミっの魔法に、魔法を掛けられていた。
私は私はハツミっのお母さんでいいのかなっ!」
お母さんは私の魔法の影響下におかれていたみたい。
「お父さんの二刀を知りたい!
お母さん大丈夫!私のお母さんでいて!」
お父さんとお母さんは顔を見合わせた。
「よし!ナティラ!ハツミにニ刀を教える。
栄養たっぷりの食事を用意して待っていてくれ!」
お父さんは【ニヒル】と【天夢々魂】を軽々と抱えた。
「キレちゃん!分かった。最高の料理を創って待ってる!」
お母さんは台所へ駆け出して行った。
「場所を変える。ハツミ」
そうやって私は手を引かれた。
私の身体は軽かったわ。
集然を使っていないのに。
お父さんに手を引かれる私は、
魔法を掛けられたように。
お父さんの体術の技術で颯爽と共に駆けていた。
景色が移り変わる。
世界を飛び越える様に歴史がごちゃ混ぜになって
父に手を引かれながら、目の前を通り過ぎていく。
時空跳躍?
いえ、ちがうわ。これは世界がシャボン玉の様な泡となって
生まれては消えていく。幻想?記憶?理想?お父さんが知っている何か。
「着いたぞ、ハツミ」
その場所は唯々広かった。
世界の果てと呼べる場所さえ超越して広がっている。
そしてここは魔力の濃度が低く、伝達率に強い抵抗を持っている。
「ここは?」
「秘密の特訓場所、俺が魔金属オリハルコンや魔合金アダマンタイトの剣を
何度も振れる唯一の場所だ」
お父さんは技を出したら、全異世界最高も
金属系科学技術の最硬傑作も耐えられない。
ここは魔法を行使する者にとって死を意味する場所、そう思えるわ。
集然は?
切り裂いた、食い破った、引き千切った。
魔法抵抗も、伝導率も、濃度も。
元から何一つ関係なかった。
完全にそこに存在するだけ、存在させるだけ。
消えたら意味がない、だからどんな物質よりも。
小さく創られた。
お父さんはなぜか笑った。
理由も何も分からなかった。
分かるはずもなかった。
「どうしたの?」
だから聞いてみた。
「あぁ……懐かしい空気を感じた。俺と唯一引き分けた、今はいいか……
魔法に精通しているという事で俺は理解していいかな?」
私は頷いた。隠す意味がない。伝えよう、私を。
「なら、俺の記憶から一人の男を呼んで、これから伝える男と戦って欲しい。
西の大帝国の七代目皇帝、慈悲にして王路院の創設者、名はエンケラドス」




