挿話8 ――だから、あんたたちも――
アタシは、アリスタリアに願い事をみっつかなえてもらった。
ひとつめは、あいつをこの世界に連れて来る事。
ふたつめは、あいつの日本語学力と戸籍を不自然無くいじっておく事。
みっつめは、あいつの青い髪と金色の瞳を逆転させて金髪碧眼にする事。
この世界に、あいつが適応できるように。
どこが良かったかなんて、子供に語る事じゃないけどさ。あいつと喧喧囂囂しながら過ごす内に、一緒にいるのが居心地良くって、ずっと一緒にいたいなあって、情が移っちゃったんだよね。
でもアタシはこの世界に自分の生活があるし、全部ほっぽり出して異世界に嫁ぐなんて思い切りはできない。そう言ったら、あいつはけろっと、「では俺がお前の世界に行こう」って、まるで散歩にでも行くかのように言い出した。
まあ、第二王子だから王位の事は困らないけど、アタシにふられたら路頭に迷うわよって脅しかけたら、あいつってば、得意気に笑って、
「お前が俺を振るはずが無い。その逆も無い」
だよ。とんでもないプロポーズでしょ?
まあ、そんなこんながあって、父さんと母さんは結婚して、今、あんた達がいる。アタシは、すごく幸せだよ。
だから、ね。
あんた達も将来、大事な選択を迫られたら、絶対に悔いの無い道を選びなさい。
迷っていい。悩んでいい。いくらでも困って泣けばいい。それでも最後に、絶対に幸せになれる道を選ぶんだよ。
自分の意志で。




