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9.ボランティア部

滝沢 侑也……主人公。神の種を宿してる。

仲野 千鶴子……主人公の幼馴染。人類代表の超人。

キリコ……警察庁特務係。班長。

チャコ……警察庁特務係。キリコの部下。影使い。

モニカ……精霊代表。雷の精霊。

 この高校は制服も変わっているが部活動も少し変わっているのかもしれない。

 運動部も文化部も盛んなのだが、普通の高校には大抵あるはずの野球部がない。これも夏の野球部の応援に行かなくてもいいから、それを理由に入学してくる生徒がいる。他の運動部はどれも盛んで県内では高いレベルであり、年度によっては全国大会に出場したりもする。運動部の部室棟もあり、簡易的だが合宿棟もあったりする。これは運動部中心だが文化部も使用可能だ。武道場や弓道場も整備されている。

 合宿希望を出す部活があるくらいには文化部も盛んだ。まずはどの高校も文化部といえば、というくらいに盛んなのは吹奏楽部。美術部も力を入れている。吹奏楽部は音楽室、美術部は美術室とそれぞれの隣に専用の部室が用意されている。これくらいは珍しくないとは思うが演劇部と放送部は体育館の舞台裏と2階にそれぞれ部室があったり、昔からの名残なのか写真部は暗室まで持っている。今のデジタル全盛期に使うのか疑問ではあるのだが、これに魅力を感じる生徒もいるらしい。

 今あげた部室以外も本館5階は文化部の部室棟の代わりに部屋が用意されている部活がいくつかある。

 まず日本文化研究部。書道、華道、茶道、日本舞踊などを総合で学べてそのための専用の和室が用意されている。授業では使わない和室なので本当に専用部屋だ。それと天文部も何故か専用部屋が用意されている。それ以外に専用の部屋は用意されていない文化部は一年生の空き教室を使って活動するのだが、それでも部活に使う道具を入れておく倉庫が必要なので、それも5階に文化部共用倉庫として存在している。

 学校の本館は1階は事務室、職員室、生徒会室、進路室など学校運営に関わる部屋、2階は三年生、3階は二年生、4階は一年生と部屋分けされていて、文化部が一年生の部屋を使うのは倉庫の位置としても合理的なのだ。

 そして今日の放課後に俺達がキリコから行くように指示されているボランティア部も何故か5階に専用の部屋が用意されているのだ。

 もっと他に県内の大会で活躍している囲碁将棋部や、プロの漫画を何人も輩出した漫画・アニメ研究部に部室を与えた方がいいと思っていたのだけど、ボランティア部がひと部屋与えられている。

 これはきっと裏世界と繋がりのある部活なのは確定なのだろう。

 余談なのだが、モニカにボランティア部の説明する時に学校の施設や部活について説明したのだが、

「うちも弓矢なら得意じゃぞ!」

 と言っていた。理由を聞いたら、

「ユウも漫画やアニメ、それにゲームでエルフは見るじゃろ? だいたいエルフは弓矢を得意武器にしているがあれは正解なのじゃ。うちらは幼少の頃から弓矢の練習させられるからな。こちらの世界にそのイメージを初めに持ってきた奴は裏世界と繋がっていたか覗き見てしまったのじゃろうな」

 と言っていて妙に納得してしまった。

「うちは今なら矢に雷の力を付与して放てるぞ」

 と物騒なことも言っていた。その能力は発揮する日が来ないことを祈っている。


 ♢


 放課後、俺と仲野とモニカは三人揃ってボランティア部の部室を訪れていた。


「失礼します」

 俺が代表してノックと挨拶をした。

 室内から反応は無いのだが、そのまま扉を開けてしまった。

 室内から反応が無いのだから、当たり前のように部室には誰もいなかった。ホームルームが終わってからすぐ上の階に来たので、早く来すぎたか。


「時間指定も無かったし早く来すぎたかな」

「仕方ないよ、座って待ってようよ」

 俺の言葉に反応して仲野が室内にある椅子に座り、俺とモニカにも勧めてきた。

 立って待っていても仕方ないし、俺も座ることにした。今の時代、先輩より先に座るな、のように怒鳴るような生徒も恐らくいないだろうし、逆にそんなことで怒鳴る生徒はボランティア部になんて入らないだろう。


「あー、先に来ちゃってたよね、ごめんねー」

 そう言いながら女子生徒が一人、ボランティア部の部室に入ってきた。

 肩までの黒髪に猫みたいな一重のアーモンドのような目。身長は仲野と同じくらいで女子としては平均的。スカートはモニカと対照的なロングスカート。少し制服としては不自然なのだが、制服については自由な我が校だから許されている感じはある。


 そして、俺と仲野はこの人を知っている。

「「さやか先輩?」」

 名前を呼ぶのにハモッてしまった。

 モニカは「知っているのか?」と俺に小声で聞いてくる。俺は頷くことで肯定の意思を示した。


「久し振り。滝沢君に仲野さん。それにはじめまして、モニカさん」

 さやか先輩はそう言って俺たちに挨拶をした。

 さやか先輩が同じ学校にいるのは知っていたが、こういう形で再会するとは思っていなかったので若干混乱している。


「私はボランティア部の部長の林さやか。部長って言っても私ひとりなんだけどね。後輩が急に三人も増えるなんて嬉しいな」

 ニコニコしながらさやか先輩は自己紹介をしたのだけど、ここから先はきっと裏世界と繋がる話になるんだろうなと思うと気が抜けない。

お読みいただきありがとうございます。

まだ始まったばかりですが、15〜20話程度(元々は20〜25話を考えていましたが少し短くなりそうです。申し訳ありません)を予定しております。

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