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第84話 雑草根腐れ大作戦発動。そして、「彼」の裏切り。




僕たちはこうして「首都」に蔓延る「結界の根」を切り取り、バイパス手術を続けていった。


「接ぎ木」作戦は順調。


予定通り、外側の数か所を削った。


キレイに削り取って狭める必要はない。


むしろ、ある程度は残しておかないと、狭まったことに気づかれてしまうから。


そして、その「空白地帯」にフィンたちが潜伏する。


決起時の「資材」を隠しておくのと、行動にすぐに移るためだ。




「さて、時は来たな」


フィンが言う。


「資材搬入もバッチリ。術式の仕込みも完成している」


簡易組み立て式の土台。木製で軽い「灯火台」。


それに「魔水晶」で出来た「術式の照明具」。



「これを、結界の結節点に配置する。俺たちで4か所。首都の東西南北に設置する」


魔狼騎士団のみんなが頷く。


昼のうちから準備を進め、決行のために仮眠をとった。


今は夜。


天気も申し分なく、晴れている。


これなら、首都近郊に待機している「ハティ」さんも狙いをつけやすいだろう。


「全員、コンデイションは?」


フィンレーの問い。


「バッチリ」

「大丈夫だ」

「問題なし」

「いつでも行けるよ」

「オレも」

「僕も問題ない」


リャナン、スヴェン、リムアン、アルセイス、ルーダ、オーレといった魔狼騎士団のメンバーが頷く。


部屋の隅っこではコリガンくんが震えている。


「大丈夫?」


僕は彼に尋ねた。


「だ、だだ大丈夫」


コリガンくんは青い顔で言った。


「怖いならさ、無理しなくてもいいんじゃないかな」


「でで、でも」


「そうだよ?コリガン、無理しなくてもいいんだよ?」


僕たちが話していると、リャナンが顔を覗き込んでくる。


ランプの光を受けて艶やかに光を放つ黒髪。


さらりと滑るのを手で押さえる。


うん。美少女。


〈ちょっとぉ、ロッシェ~〉

【土寄せ棒】の「アンジェ」さんが不満げな声を上げる。


ははっ、大丈夫だって。


君がイチバンさ。


「う、うん。でも、僕も行くよ」


そう言ってコリガンくんは鼻の頭に貼ってある「絆創膏」に触れた。




僕たちは戦力を考えて組み分けをした。


そして、いよいよ作戦決行。


資材を分けて、装備を確認する。


「親父からの差し入れも入ってる」


渡されたマジックバッグ。


僕はその中身を確認した。



「なに……これ……」


入っていたものがわけわからない。

バナナ、サンドイッチ、水筒…「おやつは500円以内」のプリント…昭和の遠足かよ……

僕の「土寄せ棒」と「団員証」。

あ~、ちゃんと「回復薬ポーション」も入っているね。


で、【爆発物につき取扱注意】の札が貼ってある謎の包み。

なんでリボンつけてるの?


あ、取説ついてる。


なになに?


『ぶっ飛ばしたい相手に投げつけましょう。強い衝撃を与えると爆発します。巻き込まれないように3メートルは離れてください』


いや、ざっくり。花火かよ。


『10歳未満はお父さんとお母さんと一緒に使いましょう』


あのさ、爆発物投げつける親子って時点でヤバいからね?


遠足と救出作戦を一緒にしているの?あの人?


「よっしゃ!それじゃ作戦開始だぜ!」


フィンレーの号令で僕たちはそれぞれ隠れ家を後にした。



ガシャ


木材が擦れる音がする。


資材運びを申し出てくれたコリガンくんが持ち替えた音だ。


軽量化しているっていってもけっこう重いだろうな。


「ねえ、無理しないでさ。交代するよ?」


僕は後ろを振り返る。



「……」


僕は絶句した。


「ありがとう。でも、大丈夫だよ」


コリガンくんの声がする。


でも、そこには見知らぬ少年がいた。


「どうしたの、ハル?」


そこには白銀の髪をした美しい少年がいた。


少し癖のある髪。


色白で、女性とも間違われそうな中性的な顔立ち。


切れ長の目は長い睫毛に縁どられていた。


「お前は、おまえはぁ、ダレダァぁ!?」


僕は叫んでいた。


「何を言ってるの、コリガンだよ?」


少年、コリガンくん(?)が首を傾げる。


「僕を騙したなぁぁぁぁぁ、裏切者ぉぉぉぉぉぉぉ」


「うそだ、うそだと言ってくれぇぇあぁぁぁ」

僕が地に伏せて泣き濡れる。


コリガン君が、イケメン。

ちゅうか、ハティさんみたいな白銀の髪のカッコいい……中性的なぁぁ美少年にぃぃ。


「僕は月の光に当たると、どうしてもおかしくなるんだ」

「確かに、おかしいぃ、おかしいよぉぉう」

慟哭する。


「イケメン多すぎだろうっ!フェンリルナイトって見た目重視なのかっ!?だったらなんで僕を入れたんだよっ、引き立て役なのかぁぁぁぁ」

地面を叩く。


それを冷たく見下ろしていたリムアンが僕の肩に手を置いた。

「ハル……」


僕は涙に濡れた顔を彼女に向ける。

「フッ」

リムアンが鼻で笑った。


「うわぁぁああん」

僕は深く傷ついて声を上げて泣いた。


「ちょ、リムっあんまりだよ」

コリガンくんがたしなめる。


「だって、ハルってばどうでもいいことで泣いているんだもの。バカみたい」

バカって言った、人をバカにしないっていってたじゃないかぁ。


「ハルはちょっとエッチだけど、いい奴なんだから気にしなくていいのに」

なんで僕そんな評価なの?僕リムたちに変なことしてないよぉう。



ジャガイモ仲間の皆さんへ


今日1日頑張ったそれだけで「ジャガイモヴィクトリー!」です。


皆さんも理不尽な目に遇わされることもありますが、一緒に頑張りましょう!



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