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第38話 エルポイントって何なのさ!?


ウォーウルフの一撃をスヴェンが受ける。

その勢いに後退するが、入れ替えにフィンレーが飛び出る。

「リィ!」

死角からリャナンが跳び、一撃を加える。

だが、浅い。

「【樹縛ウッドバインド】」

蔦がウォーウルフに絡まり、動きを鈍らせる。

「ナイスっ、アル」

言葉と共にフィンレーが上段に剣を構える。

「食らえ!【紅蓮剣】」

フィンレーの剣から炎が噴き出る。

ウォーウルフを一刀のもとに断ち切る。

「下がって!」

リムが前に出る。

「【アイギス】!」

魔術の盾を展開する。

それと同時に石礫がとんでくる。といっても拳ぐらいの大きいものがたくさん。

それを魔術の盾が防いでくれる。


僕はというと最後尾で荷物持ち。

だってこれしかできることがないんだから、しょうがないだろ。

ちなみに隣にコレットとエルザさんもいる。


「こいつら、群れでいるのね」

にこにこと余裕の笑みで前に出ようとするエルザさん。

それをリムアンが制する。

「何のつもり?」

「見ていて」

「?」

「リムは強い。リムは『あの人』の盾になれる」

言葉にエルザさんが止まる。

「あなた、本気なの?」

「冗談に見える?」

斧槍を軽やかに振るって構える。


「みんなも、手出し無用」

魔狼騎士団のメンバーはやれやれといったふうに首を振る。

「じゃ、仕掛けてきたのならやっていいな」

フィンレーの言葉にリムアンが頷く。


「リム、彼の特別になれるの。リムの本気を見せてあげるから」


言うなり、盾魔術を展開する。

しかし、先のものとは違った。

花弁のように八枚が折り重なるように開く。

「リムの本気!【アイアクス・スクトゥム(アイアスの盾)】!」

彼女のオリジナルの術式。


リムアンが駆ける。

「遅い」

瞬時にウォーウルフの懐に入る。

振り下ろされたウォーウルフの斧が魔術の盾に弾き返される。


「……切り刻む」

呟いて斧槍を振るう。

「槍技【電光石火ライトニングストライク】!」

雷撃を伴った斧槍を振るう。


リムは自分の体を支点にして斧槍を旋回させた。

斧部分で断ち切り、槍と石突の部分で相手を突く。

正直僕には何が何だかさっぱりわからない。

ただリムの周りを斧槍がぐるぐる回って、それと一緒に雷がバリバリ音を立てている。

で、気がついたら目の前の魔物が焦げた肉片になっている。


リムが一体を相手にしている隙を狙ってか、別の個体がコレットに向く。

「させない」

斧槍が飛ぶ。

戦場で武器を手放すのは愚策と思えるのだが、その定石に反した動きを見せた。

地に突きたった斧槍に歩調を乱されたウォーウルフが止まった。


その隙に、リムアンが眼前で構える。

斧槍までの距離を一瞬で詰める瞬発力。

手にした剣を振るおうとする魔獣に対し、彼女は斧槍を手にして立ちふさがった。


振り下される剣を弾く。

そのまま絡ませるようにして剣を足元まで引き落とし、相手のバランスを崩す。

「【パリィ(受け流し)】」


エルザさんは感心しているようだった。

そうだよね、素人目でもこの技は何度見てもすごいって思うもの。

実はリムってすっごい努力家なんだ。


体勢を崩し、回避できない魔獣をリムアンは斧槍で仕留める。

それと時を同じくして他の魔獣をフィンレーたちが倒していた。

各個人で一体以上を倒している。

それぞれが単独で敵を倒せる力を備えている。

当然僕を除いてだけど。


「コレット、怪我はない?」

やや不機嫌そうにリムアンが声をかける。

「はい」

「痛いところがあったら、言って。治すから」

頭を振るコレットを見届けてから後衛位置まで下がると、石に座る。

呼吸を整えているところに、僕は水筒を渡す。

「ありがと」ってリムは言ってごくごくと喉を鳴らして水を飲む。


それからじっとエルザさんを見て質問した。

「どう?悪くないでしょ」

文句なんかないはずだ。

彼女たちはただの村人だった僕にはきっと到達できない高みにいる。

一緒に旅をしてわかったのは、このパーティはそれぞれの役割分担がしっかりしている。

それだけじゃなくて、お互いのフォローもできる。

それぞれに強みを持っているだけじゃない。

互いにバックアップに回ることができる。

瞬時にポジションを入れ替えることだってできるんだ。


メンバーの中でも群を抜くのがフィンレー。

攻撃力が著しく高くそれ以外も平均値以上。

補助や広範囲攻撃の術を持たない代わりに前線での戦いを一手に担う。

しかも、指示や作戦も理に適っている。


次いで、リムアン。

防御力が高いだけではなく、高い魔力と攻撃スキルを備えている。

回復魔術も使える。

スタミナ不足と魔術攻撃が不得意な点がネックだが、視界が広く、判断力でカバーできている。


そして、リャナン。

とにかく俊敏さと、器用さが際立つ。

攻撃役でもありながら斥候や罠解除などができる。

攻撃力も高いので、一撃離脱の牽制が得意なようだ。

他にも小技を隠し持っている。

威力こそ低いが、相手が混乱するような術を体得している。


アルセイスは背も高いイケメン魔術師。

風や樹木を使った魔術が得意。

回復魔術も使えるので、最後の一線だ。


スヴェンは年の割には大柄で鍛え抜かれた体をしている。

タンク役として働いているが、リム同様回復魔術や補助魔術も使える。

魔術攻撃こそできないが、盾を武器代わりに相手を押し倒す力技を備えている。


アタッカーのフィンとリャナンは回復の魔術は使えないけれど、それをカバーできるだけのものを持っている。

ほんと、みんなすごいよなぁ。

それだって才能ってよりも努力して身につけたっていうんだから、憧れちゃうよね。


「……うん、5エルポイント!」

エルザさんが言う。


「はい?」

「エルポイントはね、私が『いいね』って認めた人にあげるポイントよ」

「はぁ……?」

唐突な発言にフィンたちが気のない返事をする。

僕だって「何言ってるんだろ」って思うくらいだ。


「ちなみに、100ポイント貯めたら、弟に求婚する権利を進呈するわ」

「なぁっ!」

リムアンが立ち上がった。


「リムは?5?今までのでいくつ溜まってる?」

「ふふふ、リムアンはまだ25ポイントよ」

「よ、四分の一ィ」

「ち・な・み・にぃ」

エルザさんが指を振る。

「ティアはすでに200ポイント持っているから。がんばんなさいな」

え?なにその強キャラ。もはや正妻じゃないの?


「あ、あの女ぁ」

「いや、張り合うところちがくはないか」

フィンレーが呟く。


ちょっとまって、今、ティアって?どっかで聞いたことあるよ、その名前。

誰だっけ?五人の将軍のひとりだったような、神速の……ダメだ出てこない。


「僕たちは求婚しないけれど、何か貰えるのかな」

アルセイスがスヴェンに話しかける。

「あら、私にでもいいわよ」

「あ、遠慮します」

「ざーんねん」

え?なに、そのおいしい設定。好感度が数値化されてるの?

というか僕でも100ポイントあればエルザさんに?

僕は拳を握って気合を入れる。

「何やってるの?ハル」

コレットが不思議そうに僕を見ている。



ふとリャナンがエルザさんに声をかける。

「そういえば、エルザさん」

「何よ」

不快そうに返事をする。

このやり取りのパターンには皆が慣れてしまった。


「この間、会いました?」

「はぁ?」

エルザさんがさらに迷惑そうな顔をする。


だが、他のメンバーも素知らぬふりで聞き耳を立てている。

「この間じゃなくても一年前とか」

「あなた情緒だけじゃなくて記憶にも問題があるの?」

「えぅっ、酷い」

リャナンが涙ぐむ。


「昨日久しぶりに会った。なんでその前にも会ったなんてことがあるわけ?」

「で、ですよねぇ……」

リャナンは苦笑いする。

それからため息。

「煙に巻かれちゃったのかなぁ」

「たぶん、城の時は本物のエルザさんの方じゃないの?」

他のメンバーが囁き合う。


「それよりも、固くてでかい奴は出ないの?」

エルザさんが聞く。

「あ、もう少し先にフロアボスの間があるんですよ」

フィンレーが答える。

「このダンジョン、数年前に発見されたんですけど地下15層までは探索済みなんです」

地図を取り出して説明する。

「今は15層目だから、マップもあってちょうどこの先にでっかい扉があるらしいです」

「その先にフロアボスがいると?」

「そうです。ご期待にそえられるのではないかなって」

「そう、ならいいわ」

「ちなみに今回のクエストは16層以下への到達とフロア情報の持ち帰り。罠の種類とかですね。フロアボスの素材を持って帰れば到達したって証拠になります」


ジャガイモ仲間の皆さんへ


今日も1日お疲れ様です。

投稿したこの日は月曜日とはいえ、祝日最終日ですね。

お休みだった方は明日から頑張って下さい。

今日もお仕事や勉強で忙しかった方、1日頑張ったあなたは「ビクトリー!」な方です。


お話の内容もご評価いただけると幸いです。

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