ジョーカー
衝撃的すぎて言葉が出ない。
が、そんな空気お構いなしに鏡は名前を呼び、次々と寮に分けていく。
「…マリーラウル!」
「…ルズルクロー!」
一通り、寮分けが終わった結果。
アクシスは新入生の中で私一人。
……えっ。そんな事ある?
戸惑っている中、他の寮の人たちは寮長について行き、講堂の中からどんどん人がいなくなる。
兄達も案内しようと私の前に来た。
色々と聞きたいことはあるが、とりあえず、
「えっと、なんで私一人?」
率直な疑問を口にした。
だってどう考えてもおかしいでしょ!
新入生が100人近くいて一人って!
確率1/100とかどんだけレアな寮なの!?
「え、それはあの鏡に聞いてくれ、と言いたいところだけど、まあ別に俺らの寮に関してはおかしくはないよ。」
「まあな。毎年2、3人いるかどうかってぐらいだからな。アクシスがいない年もあるみたいだし。」
その答えに顔がひきつる。
「アクシスは少数精鋭とでも思ってもらえれば。」
さいですか…。
「あ、そうだ。」
寮だと聞いて驚いたのには知らなかった、という理由以外にももう一つある。
「新入生試験のとき、オスカの家に帰ったでしょ…?寮なのに、なんであの家に?」
そう、入学式の後、GATEを通ってオスカの自宅にごく自然に帰ったから
あの学校が寮制だなんて思いもしなかったのだ。
「あー…それについては、俺らの寮に行けば分かる。」
そう言い、兄達は歩き出した。
「アクシスってさ、他の4つの寮と違うんだよ。」
歩きながら雪月が説明してくれる。
「選ばれるのが極端に少ないってのもそうなんだけど、そもそもあまり表に出てこない寮なんだよ。」
表に出てこないとは…
「不登校ってこと?」
寮制なのに?
「いや、そういうわけじゃない。…ソウレイは年度末に一番ポイントが多い寮が優秀寮として選ばれる。でもうちはその争いに参加していない。昔からね。だから、ポイントが多く稼げる学校行事とかには出てないんだよ。」
ほら、あれ、と言われ指をさされた方向を見ると、そこには4つの透明な大きい円柱形のオブジェがあった。
それぞれに4つの寮の色と寮章が形どられており、デザインも微妙に違う。
中には宝石のようなものが入っており、上から降ってきたり、下からこぼれたりしている。
「あれは寮のポイントを表すものなんだけど、4つしかないだろ?」
確かに、アクシスのものはない。
「でも、なんで?」
ドアを開け、長い廊下に出る。
「ん〜、そこらへんは俺もよく知らないんだけど、なんでも創設者達に関係してるらしいよ。寮長が言うには、ジョーカーらしいけど。」
「着いたぞ。」
美月が振り返る。
「…行き止まりですけど。」
「どこの寮も入り口はこんなもんだ。」
え、そうなの?
美月が寮章をかざすと、壁が動いて通路が現れる。
その通路を通ると、カフェのラウンジのような部屋に出た。
「「ようこそ、アクシスへ」」




