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アンゲルス2025-魔神みたいな魔力を持つTS少年は、今日も退屈そうに生きている-  作者: 東山統星
FBIに聞いたって分かんない彼女のメッセージ

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005 規格外

 青髪ショートヘアの女性は、柔らかな口調とは裏腹に苛烈なことを言う。


「強くなければ、ヒトに非ずってことですか」

「それがMIH学園ってところだよ」青髪ショートヘアの女性は言葉を区切る。「でも、貴方の溢れんばかりの魔力から察するに、強さは持ってるようだね」


 ジョンもフロティーも、シズクの魔力が凄まじいと評価した。なぜかは分からないが、少なくともそれは確定事項らしい。


「さて、魔力を計ろうか」


 青髪ショートヘアの女性は、ギアヘッドみたいな道具を机から拾う。それをシズクの頭に載せ、キュイイイン……という音が頭を駆け巡る。

 すると、


「へぇ……。やっぱり、うちの見立ては当たってたか」


 ギアヘッドをつけて数秒後、青髪の女は驚嘆したような態度だった。彼女は続ける。


「ランクA以上は確定だね。うまくいけば、ランクSになれるかも」

「ランク?」

「MIH学園は〝ランク〟で生徒を評価する。それは、DからAまで。極稀にランクSが現れるけど、それに適合した者は滅多にいない。基本的に、ランクAが最上位だと思って良いよ」

「そうですか」

「淡白な態度だね。普通、ランクA指定されれば大喜びするのに」

「目立ちたいわけじゃありませんからね」


 青髪女は、フッと鼻で笑う。


「いろんな意味で規格外だね。MIH学園は目立たがり屋ばかりだから、ランクAなんて知ったら〝下剋上〟を狙って大量の生徒に狙われるよ」

「面倒ですね」

「まぁともかく、ランクAで編入だね。ただ、A指定されるには学力が必要なんだよね。ほら、ここ一応学校だからさ」

「勉強はからっきしできないですけど」


 シズクは勉強ができない。中2のときの内申も、2から3をウロウロしているくらいには。


「そこは特例ってことにしておくよ。君ほどの才能が、ランクBで終わるのはもったいない」

「……先生、何者なんですか?」

「うち? 昔ランクAだった不登校児さ」

「失礼ですけど、不登校でもランクAになれるんですか? 学力が必要なんでしょ?」

「学校から送られてくるテストを受けてたら、Aに相当するものだと思われたらしい」

「ほへー。なら、国から〝栄養費〟を貰ってたと」

「そうだね。ま、昔の話さ」青髪ショートヘアの女はフッと笑う。「後期入学組は、3日後に通学することになるので、準備しておいてね」

「分かりました」


 こうして、シズクはランクA──実質的な最高位評価でメイド・イン・ヘブン学園へ足を踏み入れることとなるのだった。


 *


「シズク、評価どうだった?」

「ランクAでした」

「は?」


 ジョンの家に帰り、フロティーが何気ない世間話をしてきたので事実を言ったら、彼女は眉間にしわを寄せた。


「おいおい、あたしだってランクBなんだぞ。いくら魔力量が凄まじいとはいえ、異例中の異例だぜ?」

「そんなこと僕に言われても」

「だいたい、アンタ〝新魔術〟も持ってねぇだろ? 学力だって、ランクAに相当するのかよ」

「学力は、青髪の先生いわくなんとでもなるって」

「青髪の先生……ホープ先生か。ほんわかしたヒトだけど、とんでもねぇことしたな」

「ところで、新魔術ってなんですか?」

「話すと長くなるけど、良いか?」

「良いですよ」


 フロティーは淡々と語り始める。


「このアンゲルス連邦共和国には、大きく分けてふたつの魔術軸がある。ひとつは〝旧魔術〟で、もうひとつが〝新魔術〟だな。旧魔術はその気になればいくらでも身につけられるけど、新魔術は個人につきひとつだけ。新魔術の強度によっちゃあ、小国ひとつ滅ぼせるくらいのもんもある。父ちゃんの術式がまさにそうだな。父ちゃんの弓矢術式は、アンゲルスどころかアメリカの総軍と闘っても勝てるって話さ」


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