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第18話

裁判当日。


裁判官はエッグプラント会議の13人の出席者の一人が務めるらしい。


そして検事(僕に罪があると断罪する立場の人)にはスプルース・ミルキーがたつ。


こいつはガーネットを手に入れるため僕を何としても処刑したいらしい。


弁護人(僕を守ってくれる人)に名乗りをあげてくれた人はシルバー王国からきたという事務官で複数いる。


どうやらジングート将軍が派遣してくれたようだ。


「この裁判自体がスプルース・ミルキーどのの職権濫用といえます。裁判自体が不当であると主張します!!」


さっそく弁護人の女性が高らかに宣言してくれた。


うん、まったくその通りだよ。


「ですが、裁判が開かれた以上、ジオと言う少年が王子であるかどうかの証明をする必要があるということは認識しております」


「裁判長、ここでジオ少年が国王陛下の血縁であることを決定的に証明するために必要な人物を我々は招いております。この場に連れてきてもよろしいですか?」


女性の弁護人が裁判長に質問する。


裁判長はスプルース・ミルキーのほうをチラとみて顔色を伺う。


スプルース・ミルキーがうなずくのをみて、裁判長もうなずく。


その様をみて、また女性の弁護人は、


「裁判長が検事の顔色を伺いながら裁判を進めるのがこの国の流儀なのでしょうか?!」


そう言って睨みつける。


うんうん、そうだよそうだよ。


心の中で応援しながら女性弁護人を見る。


すると、僕と女性弁護人の目があった。


・・・・・・あれ?


あの人、エリカさん?


エリカさんだ。


プラチナ帝国の皇太子補佐官になったはずの。


どうして気づかなかったんだろう。


それだけ動揺していたのだろうか。


でもエリカさんが僕の弁護人についてくれているのなら、こんなに心強いことはない。


そう思っていると、裁判の場にまた見たことがある人が入ってきた。


Sランク冒険者メイザリン。


その横に小柄な少女の姿がみえる。


「それがしはぁSランク冒険者メイザリンと申します。こちらのぉかたはエリューシオン教会からお連れいたしましたぁ聖女殿でございます」


小柄な少女はメイザリンのあいさつのあと、


「聖女ラピスです。このたび、コパー都市国家の国王の正統な血筋の持ち主であることを証明をするためにやってまいりました。よろしくお願いします」


聖女ラピスはペコリと頭を下げてお辞儀をした。


女性弁護人エリカさんは、


「本来、聖女の移動は派遣される国の責任で軍が請け負うものですが、今回はそれができません。ですので1人で国家戦力を有するSランク冒険者のメイザリンさんに依頼をさせて頂きました」


「さっそくですが聖女ラピス殿、あれなるジオと言う少年にかけられた呪いの解呪をかけてもらえますか」


エリカさんは聖女様に解呪をするようお願いした。


「呪いですか?この方は呪われているのですね。承知しました。それでは、」


呪いの解除をする解呪魔法の呪文を唱え、ジオに解呪魔法をかけた。しかし、


パリパリ、パリパリ、プチン。


という音がしてジオには何の反応も起きなかった。


・・・あたりは静寂が漂う。


聖女ラピスは困惑した顔をしている。


「あれ、解呪できない。これほど強力な呪いは私にはとけないようです。ごめんなさい」


そう言ってまたまたペコリと頭をさげ謝る。


その様子をみてスプルース・ミルキーは


「どういうことだ!!この聖女の能力が弱いのか?!それとももともと呪いなどかかっていないのか!!どちらかではないのか?!」


と怒鳴る。


しかし、国王は真っ青な顔で立っていた。


「いや、この者ジオは間違いなくわしの子だ。わしのコパー都市国家の王族の血筋を引いている」


「実はわしら王族には創造神の呪いがかけられているのじゃ」


「その呪いは、・・・・通常の解呪では決して解けぬ呪いなのだ」


「聖女殿ほどの力をもってしても解けなかったという事実こそ、王族の証である」


「間違いない。ジオよ。そなたは間違いなくわしの子だ。グラジオラスだ。ううう」


そう言って走り出し、ジオに抱き着いて泣いていた。


ジオは困惑した顔をしていたが、やがて


「父上、どうか泣き止んでください。さきほどまで記憶がなかったのですが聖女様のおかげで記憶が戻ったようです」


どうやら呪いは解呪できなかったが記憶は元に戻ったようだ。


「これでジオが王子グラジオラスであることが証明されました。はやく被告人であるグリーンの解放を求めます!!」


エリカさんは裁判長にむかって大声で要求した。


裁判長はあわてて、


「被告グリーンは無罪とする!」


僕はようやく解放され、裁判は終了した。



その夜、僕は屋敷でなつかしい旧友であるエリカさんと話をしていた。


「今回は助かったよ。おかげ処刑されずにすんだ」


「ふふふ。変なところで会ったわね。借りはたくさんあるんだから気にしないで」


「ところでエリカさんはなぜここへ?皇太子補佐官の仕事はどうしたの?」


「安心して、これは仕事でもあるのよ。シルバー王国のジングート様からの要請で実務能力とあなたと面識のある私が選ばれてこの地へ派遣されたのよ」


ウフフと笑いながらエリカさんは答えた。


「ところで商業ギルドを追放されたって聞いたけど本当なの?あなたみたいな優秀な商業人を追放するだなんて信じられないわ」


「辛かったでしょう。なにもしてあげれなくてごめんなさいね。ずっと心配していたのよ。今までコパー都市国家で生活していたの?」


その質問に僕は何も答えられなかった。


「あなたが無事で過ごしていたんならいいわ。でも、少し寂しいわね。あ、ち、ちがうわよ。雑用を頼みにくくなって寂しいって言ったのよ。それにお弁当も食べられないしね」


とエリカさんはあわてた表情をする


「あ、で、あなたに会いたかったのはもう一つ用事があってね。このペンダントを返そうと思ってたの。十分に役に立ったわ」


「このペンダントのおかげで皇太子補佐官の試験にも合格したと思うわ。だって24時間寝なくてもものすごい集中して勉強できたし、仕事もこなせたもの」


「これすごすぎ。国宝レベルを超えてるんじゃない?でも、こわいからもう使わないわ。これからは自分の力でやっていけるようになりたいから」


そう言ったエリカさんの笑顔はまぶしすぎて僕は直視できなかった。

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