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第9話

これでスマルト将軍に会ったしラズベリー商会の支店長にも会った。


側近としてはまあまあいい働きをしているんじゃないか。


そう自賛しておく。


だけどまだまだ。


この2人はエッグプラントの要人ではあるがエッグプラント会議に出席できる13人ではないからだ。


そう。エッグプラントはエッグプラント会議で政策を決めている。


だからその参加者が権力を握っているといっていい。


僕があった2人も軍事力を握っていたり、コパー都市国家全体に大きな影響をもつラズベリー商会の支店長ではあるができれば13人の1人に会うことができればそれに越したことは無い。


僕はジングート将軍からの説明で聞いていたある商会のことを思い出した。


13人の1人で商会を代表する大物の名前だ。


名をドラセナ・ミルキーという。


この人物はエッグプラント会議の中で最も大きな力を持っているらしい。


ドラセナ・ミルキーを平民軍団長カウスリップ様の味方につければかなり環境が改善するのではないだろうか。


そう考えながら僕はミルキー商会本店へ足を向けた。



「申し訳ありませんが、本日主人は不在でございます。またお越しくださいませ」


とても申し訳ないと思っていない表情でミルキー商会本店の代理店長から面会を断られた。


まあそりゃそうか。


いきなり訪問して会うなんて不用心だし、気軽に会える人じゃなかったと僕は反省した。


たとえ僕が平民軍団長カウスリップの側近という肩書を持っていたとしてもだ。


これからどうしようか。


別の13人の人物に会いに行こうかと考えを巡らしていると声をかけてきた人物がいた。


「やあ。君はさきほどうちの店長から面会を断れていた人だよね。良かったら僕の家へ来ないか?商会長と面会する以上の価値があるかもよ」


この人物の名はスプルース・ミルキー。


ドラセナ・ミルキーの息子であるという。


年のころは20半ばであろうか。


精悍な顔つきに反して穏やかな表情はしているものの目が笑っておらず常に警戒を怠らない。


慎重な性格ということが伺える。


この人もエッグプラントに影響を与える人物だろうと僕は感じた。


なので言われるままについていくことにした。


このスプルース・ミルキーという人物はどうやら僕よりも隣にいるガーネットに興味を示した。


チラチラとガーネットのほうばかり見る。


ガーネットもそれに気づいているだろうがそ知らぬふりをしている。


そして案内された屋敷は大きかった。


聞くとミルキー商会の商会長と自分たち家族が住む屋敷だと言う。


「どうぞ」


そう言われて屋敷に入り、話を始めた。


「お招きいただきありがとうございます。僕の名はグリーン。平民軍団長カウスリップ様のお側でお仕えしております」


そう言ってペコリと頭を下げる。


「ご丁寧にどうも。私はスプルース・ミルキーです。こちらこそ、家の者が失礼をしました。」


とにこやかな表情をしながら僕とガーネットの顔を見比べる。


「先ほどは父であるドラセナ・ミルキー商会長と面会を希望していましたね。察するに平民軍団長殿が父と近づき権力を持ちたいと考えている。そう受け取っていいのでしょうか?」


となんでもないふうを装いながら話を始めた。


僕は目の前に出されているお茶やお菓子を見つめながら言葉を慎重に選ぶ。


「はい・・・・。ですが正確に言うと、カウスリップ様がというよりは私の考えで動いております。カウスリップ様は平民軍団長。本来ならエッグプラントを始めコパー都市国家の100余りある都市の平民軍団を束ねるお方ですから」


スプルース・ミルキーは考えの読めない表情をしているが少し焦った雰囲気がある。


「そのようなエッグプラント内での権力争いは本来不要な方です。ですが、あまりにカウスリップ様への扱いが不当であると感じ、私が皆さまのお考えをうかがっている次第です」


スプルースは僕の言葉を聞いているはずだがすぐに返事はせずにガーネットのほうに顔を向けた。


「レディ。レディのために他国でも評判のお菓子を用意しました。気に入っていただけると幸いでございます」


そう言ってお菓子を勧める。


ガーネットはそれに対し興味なさげに


「ありがとうございます」


と形だけお菓子をひとつつまみ口に入れた。


口に入れるまでじっとり見ていたスプルース・ミルキーは今度は僕の方へ向き直り、


「お話はよく分かりました」


「ならば、私のほうから父にその旨をお伝えいたしましょう。私も平民軍団長へのエッグプラントの扱いには疑問を感じておりましたゆえ」


僕はその言葉に嬉しくなって弾んだ声で


「本当ですか!!それはありがたいです!」


しかし、スプルース・ミルキーは


「ふふ。あなたは正直だ。信用できる相手だとは思いますがこのエッグプラントではあまり表情を読まれないようにしたほうがいい」


とスマルト将軍と同じことを言われてしまった。


どれだけこのエッグプラントは怖い土地なのだろうか。


「ただ、お願いがあります。契約と言い換えてもいい。こちらが出す条件と交換条件で私は父に平民軍団長の扱いを変えるよう話をし、エッグプラント会議で議題に上げ改善するよう働きかけてもいい」


「それはありがたい話ですが条件とは一体?何をすればいいのですか?僕に出来ない事だと困りますが」


「ふふ。話が早いですね。ズバリ言います。あなたにはプラチナ帝国で運用されていると言う結界魔法の技術を聞き出してきてほしいのです」


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