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第3話


平民軍団長カウスリップはシルバー王国軍との戦争で互角以上に戦い引き分けた名将として勇名を得たものの、いまだにお飾りのまま。


それに引き換えエッグプラントは実質、コパー都市国家を運営する最高機関といっていい。


エッグプラントは現在は13人の代表者によって統治運営されている。


この13人はただの平民ではない。


一人は武具や魔道具を一手に引き受ける商会をまとめている大商会の代表者。


一人は食料を支える農家の代表である大地主。


一人は100余りある都市と実際にかかわり調整や交渉をおこなう事務官の代表者である。


他の10名もそれぞれにエッグプラントを運営するのに無視できない勢力の代表者ばかりなのだ。


みな平民であり、爵位をもたない。


このエッグプラント会議をつくり各勢力の代表者を集めて運営を行うようにしたのは初代平民軍団長であった。


初代平民軍団長が意図したとおり長くエッグプラントは円滑に運営され、王族貴族以外は繁栄を享受してきた。


しかし、どんな組織も長く続くと腐ってしまうのだろう。


このエッグプラントも例外ではなく、自分の権力を増やしたいと考えはじめる者がでてきた。


最初にそれを考えたのは財力のある商会だった。


100余りある都市は、同じ都市でも大小の差があり、大きい都市のほうが商会としては実入りが大きい。


商会側も一枚岩ではなくそこには足を引っ張りあうような競争が存在した。


エッグプラント会議の13人の代表者の一人で商会の代表者はドラセナ・ミルキーという。


ドラセナ・ミルキーはミルキー商会の代表者でもあり、その地位に見合うほどの野心家でもあった。


ドラセナ・ミルキーの抱く野望はミルキー商会をコパー都市国家で一番の商会にすることであった。


実はコパー都市国家で一番の商会はラズベリー商会だ。


しかしラズベリー商会の本店はこの国にはなく支店しかない。


それでもラズベリー商会がこの国で一番の影響力をもっていた。


ドラセナ・ミルキーはこれが悔しくて仕方がない。


その野望を叶えるため、ある人物に目を付けていた。


その人物は軍事力を握っている。


といっても平民軍団長カウスリップではない。


とてもややこしいが、平民軍団長はピンチのときしか必要とされない現場監督のような扱いを受けている。


だから普段は軍に対しての命令権がないのだ。


普段から軍を握っている人物をスマルト将軍という。


通称、知略のスマルトと呼ばれる。


このスマルト将軍は軍事力を握っているのにエッグプラントの13人には入れてもらえていない。


権力から遠ざけられているのだ。


スマルト将軍はこれにわずかに不満をもっていることをドラセナ・ミルキーは知り、これに目を付けたのだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


僕はずっとジングート将軍からの説明を聞いていた。



ジングート将軍からの依頼は、コパー都市国家を僕から見た視点でいいから調査、報告をしてほしいということだった。


もちろん政治的な、という意味だろうけど僕は政治的な視点がさっぱりわからない。


「残念だけど期待に応えられないと思います」


そう言うと、


「ならば首都と首都以外の町で一番大きな町へ行ってそこで住んでいる平民たちがどのような感情をコパー都市国家に持っているかを教えてほしい」


となりでシェラが僕に相づちをうつ。


「スパイ、ではありませんね。せいぜいシルバー王国の調査員といったところでしょうか」


なるほど、調査員。それならできるかも。


もちろん宿泊代等の滞在費はあとで請求してよいとのことだった。


続けてシェラが、


「コパー都市国家軍は先日、シルバー王国軍と互角以上の戦いを繰り広げました。その理由を知りたいのでしょう」


その言葉にジングート将軍とアカエール将軍は青ざめた表情をしていた。


格下の傘下の国の軍相手にみっともない戦いをしてしまったことを大将軍シェーラには知られたくなかったみたいだ。


「も、も、もうし、わけ、・・・」


震えながらジングート将軍は謝ろうとしているが、シェラはそれを顧みることなく、


「わたくしに謝ることではございません。ただ、自分の力不足を猛省し、精進をしなさい」


とバッサリ切り捨てる。


僕は震えるジングート将軍を気の毒に思いつつ誰を連れていくかを考えていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


すこし離れた場所でエクレアが独り言を言う。


「なるほど。ジングート将軍閣下が悩まれているコパー都市国家の原因はわたくしでしたか。まさか、あのときに見られていたとは・・・・」


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