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ショートエピソード  邸宅のお客様4

今日の客は、シルバー王国の重鎮といっていいジングート将軍と、アカエール将軍だった。


この2人は、どちらもシルバー王国にはなくてはならない人物だと聞いている。


そんな2人が2人ともプラチナ帝国に来ていていいのだろうか。


応接間には僕とシェラの2人がいた。


僕が、「では、メイドと話をしておいてください」と言って部屋から出ようとすると、


ジングート将軍は


「いや、今日は君にも話があってきたのだ。このまま居てもらいたい」


め、めずらしい。


そんなことを言ってもらえたのはゴールデア女王以来だ。


シェラはだまって聞いている。


「今日来たのは他でもない。君に移住を勧めに来たのだ。調べはついている。君はずっと通っていた商業ギルドから追放処分を受けており、いまは、なにもしていない」


「合っているかい?」


「はい、合ってます・・・」


「ならば、我が国に来ないか?我が国でギルドの商業人をやってもいいし、よければ王国軍に入隊することも可能だ」


「軍が嫌なら王国の文官でもなんでも、そうだな・・・王国立の学校がある。そこで勉強してシルバー王国で身を立てるということも可能だ」


「どうだろうか?」


すごく真剣な目でジングート将軍は僕の目をのぞき込んでくる。


僕はそれを聞いて正直すごくうれしかった。


いままでエクレアたち以外でここまで僕のことを真剣に考えて具体的な道を示してくれた人はいなかったから。


それにジングート将軍はたたずまいもしっかりしているし威厳もある。


なんだか頼れる親、父親と話をしているような気にもなってくる。


姉のような存在のシェラがジングート将軍と結婚したら本当の父親のように接することができるのかな。


僕がそう考えた途端、


「わたくしがこの者と婚姻を結びましょうか?」


とシェラが僕に聞いてきたのだ。


やっぱりシェラたちは僕の心が読めるのではないか。


前から気になっていたけど的確過ぎる。


それを聞いてものすごく動揺したのはジングート将軍とアカエール将軍の2人だった。


「い、いや、そ、そんなつもりは、わたしとシェーラ様が婚姻などと」


「申し訳ございません。変な誤解を与えてしまって!!」


と土下座をしてしまった。


その向かう先は僕ではなくシェラだ。


アカエール将軍まで普段の自信満々の様子はなくおびえる子供のようにあわててジングート将軍にならい、土下座をする。


そんな2人を静かに見つめ、


「2人ともご主人様が驚いています。はやく席に着きなさい。そしてあなたたちの意思は関係ありませんし、わたくしの意思も関係ありません」


「ご主人様が望めば、どのようなことでも」


シェラは淡々とした様子でいる。


僕はあわてて、


「いや、そんなことはないよ。大丈夫。そんなこと考えてないから。ダイジョブだから!!」


ジングート将軍らはあわてて席につこうとし、顔を赤らめながらも安心した表情をしている。


「え~と、話を戻しますが、僕にシルバー王国へ来るかというお誘いですよね?」


僕が確認するとジングート将軍たちは首をコクコクと縦に振る。


「わかりました。シルバー王国へ行きます。・・・・・・あ、ちょっとまって、家族と相談しなくちゃ、だから返事はちょっと待ってください」


僕は慌てたが隣にいるシェラはにっこり笑って、


「わたしは賛成ですわよ。ご主人様の存在する場所が私の帰る場所です。ご主人様の行き先に文句はございません」


そう言って熱のこもった視線を僕に向けてくる。


「そ、そうかな。まあでも、返事はあとでいいかな。勝手に返事を出したくない」


僕がそう答えると、2人は納得して帰った。


もちろんこのあとみんなを集めてシルバー王国へ行く話をしたら全員が賛同してくれた。


僕はシェラに承諾の手紙を送ってもらうことにした。


後日、再びジングート将軍とアカエール将軍が邸宅にやってきた。


そしてシルバー王国での住む場所や働く場所の話をした。


「まあ、それはおいおい決めていけばいいだろう。・・・・・それと確認だが、君がシルバー王国へ来るにあたってご家族やメイドの方たちも全員来るのか?」


ジングート将軍は隣にいるシェラのほうをチラリと見てそう質問した。


「僕はそのつもりだけど」


「はい、全員がご主人様と共に行くつもりですわ」


シェラが被せ気味にそう答えた。


ジングート将軍とアカエール将軍はその返答に恐縮しながらも


「良かったな、ジングート兄貴」


「うむ。シルバー王国にも運が向いてきた」


と喜びあっている。


そして緩んだ表情を引き締めてジングート将軍が僕のほうに向き、


「実は、シルバー王国に居を移す前に君に頼みたいことがあるのだ」


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