【第二章】第三十四部分
「ちょっと、それじゃあ意味がないじゃない。」
「よく考えろ。こやつは真の悪、罪人じゃ。だから魔界に落としたんじゃ。」
「ちょっと待ってよ。鍵はまあくんなんかじゃない。それを今、アタシが証明してみせるわ。」「やれるものなら、やってみい。」
「まっ、眩しい。目が微塵も開けられないわ!」
スケパンはそれまで見たことのない黄金の明るさで、激しく輝いた。
「ウ、ウソでしょ。そ、そんなことが。これは間違いよ。アタシの魔法がアタシのネジをどこか外したんだわ、きっとそうよ。」
「猫柳さん。これは間違いなく、まあくん、それも最悪、最大悪のレベルです。」
「そういうことじゃ。返すわけにはいかない。いや、解放するわけにはいかない。こやつは厳重に管理しないといけない人物、いや悪魔なんじゃ。別に先祖の恨みがあるだけじゃない。文字通り『カギ』なんじゃ。」
「カギですって?いったいどういうことなのよ。」
「真の悪を封じること。それは犯罪認識のない善人を裁くことじゃ。裁かれた悪魔はそこから先に進むことができなくなってしまう。そんな不条理をどう感じるかのう。」
「そ、それは想像できないぐらい反発、憤怒が全身を駆け巡るわね。」
「そういうことじゃ。その歪んだ心が集合、集結して、塊になる。それはスケパンデカの力を持ってしても抑え切れるものではない。鍵は真の悪ではないが、その強大な歪みを抑えるカギが鍵なんじゃ。外せば、カオスが訪れる。」
「そ、そんなの、ウソよ。今、あんたが作った日本大昔話でしょ。創作センスが低いわね。」
「ならば、試しにやってみるか。よし、一度地上に戻ればよくわかるからのう。」
気づいたら、凪河たちは昼間の警察署の広い駐車場にいた。パトカーが多数止まっており、人影はない。
「さあ、ほんのちょっとだけ、カギを外してみようかの。ぺろり。」
るとは、鍵のほっぺたを舐めた。
「こら!どさくさに紛れて、なんてセクハラするのよ!」
鍵の灰色の瞳に黒い光が宿った。
「あれ?オレはいったいどこにいるんだ?」
「鍵、今度こそ、目覚めたのね。アタシだよ、凪河だよ!」
鍵のところに走り寄ろうとした凪河の足が急停止した。凪河は突如として真っ暗になった空を見上げた。




