【第二章】第三十二部分
「「「「きゃああ!」」」」
四人とも悲鳴を上げて、騎手のふたりは胸を押さえたが、馬の方は両手が塞がっているため、水の中に潜るしかなかった。
「もうこれじゃあ、まともな戦いはできないわ。」
両手が使えなくなり、勝負不能に見えた。
「いやそうでもないぞ。こうするんじゃガリガリ君!」
「痛いわね。歯には歯を、はにかむよりは歯で噛むわ!」
ガチのガチガチ噛み合いとなった。騎馬戦とはかけ離れて、もはや、ガキの使いケンカである。ふたりとも頭から血を流して、プールが赤く染まってきた。
果てしない噛みつき流血の結果、体力のないるとが崩れてきた。
「このままでは負けてしまうぞ。魔法を使うしかない。神の存在証明!」
『ワシ、ワシ、ワシ、ワシ』
プールにクマゼミが大量発生したわけではない。るとがたくさん生まれて騒いでいるのである。魔法対象、つまり妄想の源流は憂果莉であった。
「これで味方が増えたぞ。ワシは自ら勝利を引き寄せたんじゃ!・・・。は、は、恥ずかしい!」
全員が熟しさくらんぼ状態のるとであった。
憂果莉の妄想に衣服はまったく不要であったから、反映されなかったのである。
「ちょっと恥ずかしいです。てれ。」
憂果莉は頭だけを亀のように水面に出して、ブクブクと空気を吐きながら顔を赤くしていた。
「会長、いまさら何を恥ずかしがってるのよ。」
「とにかく、こやつらを早く消さないと、ワシのすべてを見られてしまうわ!魔法でできたるとは、ほっといても1時間で消えるが、そこまで待てん。打ち消しするには、こうするしかないんじゃ。みみ、水面に上半身を出せ!」
「ええっ?そんな格好、超恥ずかしいでちゅ!」
「ダメじゃ。ワシらの勝利がかかっとるんじゃ。言う通りにしろ!」
「わ、わかりましたでちゅ!」
「まずいわ。会長を挑発、いや誘惑するつもりだわ!」
水面にギリギリに可憐なさくらんぼが浮いている。
「さくらんぼ、さくらんぼっ子!錯乱勃興!」
半ば半狂乱状態になった憂果莉はためらいなく、ミニスカロリスを襲う。




