【第二章】第三部分
階段で地下室エレベーター前に降りると、受付嬢は受付に戻っていった。
ふたりは用心のため、すでにスケパンデカに変身している。
「これに乗って、地下50階に行くように言われたけど、大丈夫かしら。」
「エレベーター乗っていくしかないです。私たちを拘束するつもりなら、受付嬢も一緒に来るでしょう。」
「それもそうね。」
エレベーターに乗ると、その速度はことのほか早く、即50階に到着した。
ドアが開くと、真っ暗な空間だけが見えた。だだっ広いということだけはわかる。
「誰もいないわね。」
「そうですね。人っ子ひとりおりませんです。」
「いるでちゅ。」
「ひゃあ!会長、変な声出さないでよ。びっくりするじゃない。」
「いえ。私は何も喋ってないです。」
「ここにいるでちゅ!」
「会長。また、甲高い声出して。アタシをビビらせようたって、そうはいかないんだからねっ。」
「いえ、いえ。先ほどから、一言も発しておりません。」
「ここでちゅ、ずっと下を見るでちゅ!」
凪河と憂果莉は首の角度を90度下方へ傾けた。
「あ!」「あああああ~!」
ふたりは思わず感嘆詞を発したが、憂果莉の反応の方が5倍増しであった。
「妖怪だわ!」「妖精です!」
そこにいたのは、妖怪座敷童兼妖精であった?
「妖怪でも、妖精でもないでちゅ!立派な警察官でちゅ!名前は『みみ』でちゅ。」
「妖怪が喋った!」「妖精が喋りました!」
「さっきから言語を発してるでちゅ!」
よく見ると、メタリックブルーを基調としたワンピースを着ており、腰にもしっかりと拳銃をさしているところから、警察官であることは明らかである。しかし、帽子はつばのある幼児帽、ワンピースはくびれのない、ちんちくりんな幼児服であり、胸には安全ピンで名札がとめられていて、『みみ』と書かれている。さらに背中には青いランドセルを搭載している。つまりすべてが青で、青いダルマのようでもある。
「こ、これは完璧なミニスカロリスです!」
憂果莉は全身が興奮でブルブルと震えている。
「ミニスカロリスってなんでちゅか?」
ミニスカロリスが着ている服は、幼児服であるが、スカート部分は小さく、やや太目の大根足が、にょきっと生えている。
ミニスカロリスはふたりに近寄ろうと、足を動かしたが、何もないところで、転んだ。
「ロリで、ドジっこ属性兼業です!ハアハアハア。」
憂果莉は興奮のあまり、息を切らして膝に手を当てて苦しんでいる。
「あなたたちのことは聞いてまちゅ。猫柳たんと柏村たんでちゅね。スケパンデカは警察裏組織でちゅ。だから、ここまで通してあげましたでちゅ。」
「真の悪、つまり魔界に落ちた悪を『まあくん』と呼んでまちゅ。」
「やっぱり、まあくんと呼ぶのね。」
「まあくんは世間一般で使用されてる普通名詞でちゅ。ここは、人呼んで、監獄楽園でちゅ。」
「楽園?そんないいところには見えないわ。念のために聞くけど、あんたが黒霧鍵をここに落としたんじゃないでしょうね?」
「みみにそんな能力はないでちゅ。来たものを管理・処分するだけでちゅ。」
「ならば黒霧鍵を返してもらうわ。あんた、新入りちゃんね?権限あるの?」
「違いまちゅ!初潮、じゃない、署長でちゅ!
「幼女に無関係な危ない発言はやめてよね。」




