【第二章】第二部分
二階建ての黒霧組事務所兼自宅の前に、大量の灰色排気ガスを吹き出して、黒塗りの外車や、街宣車数台が集結した。
「オラオラ~!」
野獣のような雄叫びが小さな商店街に響く。
サングラスにスーツ姿の男たちが拳銃を手にして次々と、事務所に入っていく。
事務所の中からも数人のラクダをきた男が日本刀片手に出て行くが、黒スーツに撃たれたり、殴られたりして、すべてのされてしまった。
「てめーら、ここを黒霧組と知ってのことだよな。そうならば、命がいくつあっても足りねえぞ。命の花は一度しか咲かねえ。蕾のままで、枯れさせるなら、それでもいいけどな!」
大勢の前に現れた吹き流しの中年男は日本刀を光らせて手前の三人をぶった斬った。その鋭い眼光に、黒スーツたちは一瞬怯んだ。しかし、如何せん、多勢に無勢。
「コイツが組長だ。だったひとりだぞ。やっちまえ!」
黒スーツは一斉に組長を撃った。
「ぐあああ!」
組長は蜂の巣にされその場に倒れた。
「オヤジ!大丈夫か、生きてるか!」
小学生ぐらいの男子が血の海に伏している組長に駆け寄った。
「鍵か。俺はもうダメだ。若い衆もみんなやられた。お前はカタギになるんだぞ。地獄に行ったら、見張ってるからな。いや、俺は生まれた時から地獄にいたんだよな。地獄生まれの地獄育ちさ。でもお前は違う。俺の血で、ヤクザという汚れを払ってやるからな。二度とこの地獄に足を踏み入れるなよ。」
鍵の父親である組長は口からも血を流して動かなくなった。
「オヤジ!死ぬな~!」
「鍵、どうしたの?」
凪河は幼なじみの鍵の家が大騒ぎになっているのを見て、やってきたのであった。急に飛び出してきた凪河に、黒スーツは反応してしまい、思わず引き金を引いた。
『バーン!』
「凪河、危ない!」
鍵の体から滔々と赤い液体が流れていた。
「鍵!大丈夫?生きてる⁉」
「凪河、弾はお前に当たらなかったんだな。よかった。凪河の無事が百点のテスト答案さ。バタン。」
「鍵、しっかりしてよ!死なないでよ~!」
鍵は大量失血で倒れたが、撃たれたのは右腕で、命に別状はなかった。
しばらくして、サイレンをうならせて、多数のパトカーがやってきた。警察のやってくるタイミングはあまりに遅かった。
黒霧組を襲撃したのは、警察の息のかかった巨大暴力団であり、通報を受けた警察はワザと遅れてやってきたのであった。黒霧組が壊滅する時間を確保したのは、警察だったのである。




