【第一章】第三十七部分
憂果莉は自分と凪河のケガを治すのがやっとの状態。ビルの破壊も中途半端で、反撃に使えない。
「猫柳さん。逃げはやめて、まともに喰らいましょう。」
「じょ、冗談でしょ?あんなの喰らったらひとたまりもないわよ。」
「ゾンビシューティングゲームを楽しむのは、動いてくる相手を撃つのが楽しい。戦意喪失して止まっている者を撃つのは、興ざめなはずです。」
ふたりは動きを停止して、筋肉はだらんとなった。
「やる気ねえのかよ!つまんねー。動かないいものはダメ。」
「思った通りでした。そのすきを狙って、小さな瓦礫に、質量保存!」
飛んできた瓦礫の矢を、いともカンタンに撃ち落としたミニスカポリス。
「なんてな。こっちとら警察官だ。犯罪者のセコい心理は見え見えなんだよ。次にノーガードやったら、二度とその恥ずかしい格好もしなくて済むようにしてやるよ。」
「これほどの殺意を感じたことはありません。同じ警察官とは思えません。」
「そっちはただのエロコスだろうが。一緒にしないでくれよ。」
「あんなこと言われてるわよ。」
「これでいいのです。それでは心中しましょう、猫柳さん。私はゆりキュアで最終回を迎えるならば本望です。」
「ゆりキュア心中とか、最悪よ!」
「ゆりマンガのタイトルっぽくて萌えます!」
「いやよ~!」
「しゃらくせえ!ダダダダ~!」
「不確定性の原理!」
凪河は通りのいい声をぶつけた。
すると、ようやく現場にやってきた別の警察官のピストルが爆発した。
「うわ!なんだ?よそに魔法がいったのか?本当にダメダメなんだな。それじゃあ、お前たちを始末するか。」
『ドン!』
今度はミニスカポリスの握ったマシンガンが暴発した。
「時間稼ぎがうまく行きました。猫柳さんに二回魔法を使ってもらって正解でした。成功した二回目ですが、たくさん銃弾がある分、火薬の爆発に時間がかかっただけでした。」
「うまくいかなかったら、どうするつもりだったのよ?」
「いや二回あれば必ず何か起こると信じていました。一回はスカ前提でした。二回目は大きな魔法。不確定性を高める方法。ゆりキュアとして、猫柳さんを信頼しています。」
「あ、あたしは、別に信頼してなんて頼んでないんだから。会長は鍵を魔界に落とした張本人なのは変わらないんだからねっ。それよりもこのことを確かめないと。」
凪河はミニスカポリスを捕まえて、鍵の写真を見せた。
「あんた、さっき黒霧組のことを話してたけど、黒霧組の息子のことを知ってるわよね?」
「知ってるさ。当時は小学生だったかな。最近、本署にやってきた。」
「何ですって!魔界に落ちたんじゃないの?」
「その瞬間にジャッジメント!」
憂果莉がプリンを口にしていた。ジャッジメントしたのは憂果莉だった。
「そんなことするなんて、やっぱりあんたが鍵をジャッジメントしたのね。」
「その通りです。でも行き先は知りません。」
(そいつは真実を知らんぞ。我らはデカじゃ。真の悪を送る先は魔界。魔界とは警察署じゃ。それが一番合理的な解釈じゃろ。)
会話に突如介入してきたお人形。
「ええっ?魔界って言ったらフツー地獄でしょ?」
「それはアニメの見過ぎじゃ。法律で裁けない輩を秘密裏に拘束する世界があるんじゃ。」
「こうなったら、一緒に行ってもらうわよ、会長。」




