光の聖女が来訪です。④
「私は鎧の勇者たるユウと付き合っているからだ」
付き合っている? 恋人が居るとは聞いていたがまさかの女性? 何故敵対していた魔王とそんな関係に? 恋人としてどこまで進んでいるの? お姉様はもうこの人のものなの?
いろんな疑問が胸中を過ぎり、喪失感や悲壮感に似た感情が込み上げるも、一個人よりも聖女としての質問に切り替える。
「ど、どうしてお姉様とマオさんがそんな関係に? 何がどうしたら戦った相手と恋人になるんですか!?」
「殴り合って友情を固めるみたいな話があるだろう?」
「いやそんな男の人の友情物語みたいな展開が起こるんですか? ましてや人族と魔族、付け加えるなら殴り合いじゃなく殺し合いですよね?」
「敵国の王子と姫が恋に落ちるなんて展開は創作においてありきたりだろう? 事実は小説より奇なり。創作である展開が事実に起こったとしても何ら不思議ではない。簡単にことの経緯を説明すると、私とユウは三日間殺し合ったわけだが、互いに決め手も作れなければ消耗の気配もない。そこで私は誤解を解くことにした」
「誤解ですか?」
「そうだ。普段なら誤解を解いたところで意味のない時間を過ごすだけだが、ユウの場合は誤解を解く方が早いと思ったからな。人族が抱いている魔族に対する認識を正すことにした。聖女、お前にとって……お前達にとって魔族とはなんだ?」
マオに尋ねられてルミナスは自身の認識を言葉に紡ぐ。
人族の魔族に対する認識など分かりきったことで、今更言葉選びをする必要もない。
「魔族とは瘴気を好み、体内に魔力を宿し、魔法という力を行使する存在。瘴気の濃い北方区域に城を構え、魔王を筆頭にした魔王軍は六冥尊、その下に上級から下級の魔族、魔族に従う魔物がいます。他種族の命など気にしないその振る舞いは、人族だけでなく亜人族や妖精族にとっても脅威であり、敵です」
ルミナスは自身の認識を述べた。
その瞳には一切の迷いがなく、自分の持っている価値観を疑う様子はない。
「では誤解を解いていこうか。まず魔族の生態については認識の通りだ。瘴気を好み、魔力を宿し魔法を使う。だが合っているのはそれだけだ」
「それだけ……ってどういうことですか?」
「まずお前達が敵と認識している魔王軍だが、そもそもそんなものは存在しない」
マオが告げた情報にルミナスは耳を疑い思わず声を張り上げた。
「そ、そんなわけありません。第一、貴女は魔王と呼ばれているではありませんか?」
「私を魔王と呼んでいるのは他種族のみだ。そもそも魔族は同族意識はあっても仲間意識はない。魔族が死んだとしても悲しみはしないし、自分にとって害悪になるなら平気で同族を殺すような種族だ。私が北方区域の城に住んでいたのは瘴気が濃く、他種族があまり寄ってこないからだ。魔王と言う肩書に執着はないがその肩書が便利な時もあって使っていただけに過ぎん」
「じゃあ六冥尊も他種族が勝手につけただけで、本人に自覚は無いと?」
「自分がそう呼ばれていることは認知しているだろうがな。お前たちが六冥尊と呼んでいる魔族はおろか、下級魔族ですら私を魔王と呼んでいないし認めていない。むしろ魔の王を名乗るなどおこがましいと思っている奴もいるだろうな」
「ではどうして魔族や魔物は他種族を襲うのですか?」
「魔族とは己が欲望に忠実だ。聖女が言っているのがどの魔族か知らないが、そいつが他種族を攻撃したというのなら、それはそいつにとって利益があったからというだけ。人族だって自分が得をするために同族や他種族を攻撃したりするだろう? その度にお前は人族という括りで咎めるのか?」
「それは……そうかもしれませんが。つまり魔族にも良い人はいると?」
「勘違いするな。善悪の話ではない。利害の話だ」
ルミナスの捉え方を正すマオにユウは立会人ながら口を挟んだ。
「良い奴もいるってことにした方が話早かったんじゃ?」
「間違った認識は時に身を滅ぼす。良い奴もいるというふうにしたら、おそらく聖女は魔族の言葉に耳を貸し、簡単に信じてしまうかもしれない。いいか聖女、魔族が言葉巧みに何かを言っているのであればそいつの目的を把握しない限り信用するな。魔族は目的や利益で動く。人族のように情で動くことはない」
「それはつまりマオさんも自分の利益のためにお姉様とお付き合いしていると?」
「そうだな。それは否定しない」
ユウを目の前に、マオはあっさり認めてルミナスは虚を突かれた気分になる。
しかし一度紅茶を飲んで落ち着きを取り戻し、次の問答へ。
「では魔物はどう説明しますか? 貴女が居なくなったとされる今でも魔物被害は収まるどころか酷くなっている次第ですよ」
「それはそうだ。魔族と魔物はそもそも別の生き物だからな。魔法で魔物を作る魔族もいるが、基本的に魔物とは普通の生き物が瘴気に当てられて突然変異した個体に過ぎない。だから仮に魔族を全滅させたとしても魔物が居なくなることはない。……正直言うと魔族を滅ぼせば魔物変異率を下げることは出来るがな」
「それはどういう……」
「魔力をエネルギーに魔法を使うわけだが、消費した魔力すべてを魔法に費やすわけではない。どんな高尚な魔族であろうと変換しきれない魔力が周囲に散布される。その魔力は草木や土、空気に溶け込み時間が経てば瘴気へと変わる。つまり魔族を滅ぼせば瘴気が薄くなり魔物化するリスクは下がる」
マオの真意が分からずルミナスは戸惑う。
今聞いた情報は魔族を倒す大義名分になりえる事項。
聖女として今の情報は聖騎士団および冒険者ギルドに報告するべき情報だ。
「何故それをわたしに? 今の情報を聖騎士団や冒険者ギルドに伝えれば、魔族を倒す理由になりますよ?」
「知られたところで私の命に届き得るのは鎧の勇者ただ一人。それに今の情報を教えたことで聖女の信用を得ることが出来る。だから言った」
舐められているという事実をルミナスは否定できない。
それは聖騎士団最高戦力と言われた聖女のルミナスですら、目の前の存在を倒すことは無理だと理解してしまったから。
悔しさという感情を魔族に抱くとは思っていなかったが、今はその事実を受け入れるしかない。
「魔族にとって魔物とは他の動物と差異は無い存在。魔物化して人を食いまくる犬だろうが、屋敷でぬくぬくと甘やかされて育てられた小型犬だろうが、私にとっては同じ犬だ」
マオから語られる魔族の生態。
確かにこの内容は鎧の勇者無しに聞いては信じられないものばかりだ。
静観するユウが発言の信憑性を大きく上げる。
「貴女の言っていることが事実として、どうしてそのことを世間に訴えないのですか。謂れのない罪を問われ、敵として認識され命を狙われているというのに」
「時間の無駄だからだ。魔族が己が欲のために他種族を殺している事実、魔物の生態に魔力が関わっている事実、魔物を操る魔族がいる事実。他種族が魔族を敵視する理由などいくらでもあるし、魔族が敵の方が都合がいい連中も多い。魔族に身内を殺された奴らも少なくない。かくいう私も正当防衛とはいえ城に来た人族を殺したこともある。もう魔族の認識は簡単に変えられるものではないし、変えたところで私に利も無ければ害もない。つまり、意味がない」
「なら私が――――」
「言っておくが今話したことは誰にも言わない方がいい。そんなつもりで話したわけではないしな。聖女たるお前が今の話を公表した場合、聖騎士団はお前を切り捨てることを厭わないだろう」
世界の秩序を守る為、与えられた役割を全うするため、時には事実を隠す必要がある。
それはルミナスの正義感を問う事実だが、これもまた受け入れるしかない。
幸いマオ自身が魔族の認識を改めることを望んでいないのが唯一の免罪符だろうか。
「魔族という存在、改めて把握しました。最後に一つ、聞いてもよろしいでしょうか?」
「ああ構わない」
「貴女にとって人族はどういう存在ですか?」
ルミナスの質問にマオは自身の見解、その言語化に努める。
ルミナスの真意は今のマオの立場。
いくらユウの恋人だからといって、人族の敵になるのであれば戦わなければならない。
「…………分からない。分からなくなってしまった。だからこうして過ごしている」
理知的で、理性的な印象を抱いていたマオから初めて返ってきた不明瞭な返答。
その表情に動揺や戸惑いはなく、「分からない」という答えがマオの中に確かなものとして存在していることを理解する。
「今の回答じゃ不満か?」
「……いえ、今の貴女にとって人族を襲う利害が無いことは十分に伝わりました。お姉様も傍にいますし、大丈夫でしょう。ですので貴女のことは聖騎士団には報告しないことにします。下手に手を出して敵対されても困りますし」
「賢明な判断だな」
問答を終えた二人は同時に紅茶を最後まで飲み干す。
話し続けて乾いた喉が潤い、疲れた頭に糖分が巡り落ち着きを取り戻す。
そんな二人を見届けて、ユウは空気を変えるように手を叩いた。
「さ、無事話は終わったようだしもう今日は仕事する気にならないわね。ルミナス、今日泊まっていく?」
「良いのですか!?」
「断固として却下だ!!」
ユウの提案にルミナスは目を輝かせ、マオは速攻で否定する。
「いいかユウ、聖女のことを認めはするが、私とユウの空間に一夜邪魔する権利を与えたつもりはないぞ」
「まぁまぁ。お姉様もこう言ってはいますし。わたしも西側からここまで来るのに少々疲れてしまいました」
「は? 調子に乗るなよ小娘」
「子供なわたしに大人の余裕を見せてください、小母様」
さっきまでの冷静でいて理性的な話し合いが嘘のように睨み合うマオとルミナス。
そんな二人の頭をユウは再び小突いた。
「「痛ぃ!?」」
「はいはい喧嘩しない。マオ、ルミナスの力があれば例の件、進展するんじゃない?」
「それは承知している。だからこうして場を設けているわけだ。だがそういうことなら今からこの聖女に動いてもらえばいいだろう?」
「そりゃまあルミナスが疲れていないならそれでもいいけど。マオに対して結構な力を使ってたみたいだから万全を期すなら明日の方がいいかなと思っただけで」
「聖女があれくらいでへこたれるものか」
「お姉様、お恥ずかしながらわたしは少々疲れてしまいました」
「ダウト! 聖職者が嘘をついていいのか?」
「嘘はついてませんよ。魔王と相対していたのです。疲弊しても不思議ではないでしょう?」
マオとルミナスは睨み合い、ユウに詰め寄る。
「ユウ、この女と私、どっちを優先するんだ?」
「お姉様、マオさんとわたし、どちらを優先してくださるんですか?」
二人の圧にユウはたじろぐも、マオを連れて別室へ移動する。
不機嫌そうなマオの様子を窺いながらユウは両手を合わせてお願いする。
「ルミナスとは一度しか話したことなかったけど、同じ境遇だったからかアタシにとってほっとけない妹みたいなものなのよ。だからマオにも仲良くなって欲しいの。まー種族的に受け付けないのなら一日だけ我慢してくれればいいから。明日例の件を片付けて帰ってもらうから、お願い」
ユウは甘えるような声でマオに懇願する。
種族云々は関係ない。
ただ他の女を、特にユウに特別な感情を抱いている女を泊めるのが個人的に嫌なのだ。
しかし、少し身長が高いユウの上目遣いはすべての願いを聞き入れてしまいそうな誘惑がある。
マオは悩み、葛藤して、唸りを上げながらも折れる。
「……分かった。だが一日だけだからな。明日には帰ってもらうからな」
「ありがとマオ♡」
ウインクして機嫌よさそうにするユウの笑顔に、マオはもう何も言うことは出来ない。
話し合いを終えてリビングに戻るとルミナスは大人しく、少し不安げな表情で待っていた。
「マオのオッケーももらったから今日は泊まってって。服は少し大きいけどアタシの適当に貸すし」
泊りの許可にルミナスは嬉しそうにしたのち、複雑な表情でマオを見る。
「ま、マオさんも、許してくださってありがとうございます」
魔族に礼を言うなど初めてだろうが言葉を絞り出すようにしながら律儀に礼をする。
礼を言われたマオもまた、こそばゆい感覚に耐えながらも冷静さを取り繕い、
「ゆ、ユウに言われたからな。仕方なく……まー仲良くしてやらんこともない」
「……フフ、なんですかそれ」
目を逸らしながらのマオに、ルミナスは笑顔で返した。
そんな二人の様子をユウは微笑ましく見守って、
「じゃ、決定ってことで、お風呂でも沸かすわ。うちのお風呂結構広いのよ。あ、せっかくだしルミナス一緒に入る?」
「良いのですか!?」
「断固として却下だ!!」
ユウの提案にルミナスは嬉々として、マオは拒絶する。
そんな一悶着、ユウの説得を幾度も繰り返して、あっという間に夜になった。
第一層の夜は第二層、第三層と比べて閑散さが目立つ。
夜風が吹き抜けるのに邪魔するものは少なく、空は宝石箱のように星々が輝く。
いろいろありながらも風呂と食事を終えて、マオは先に寝ると言って寝室に篭ってしまった。
不機嫌なのもあるが、マオなりにルミナスとの二人の時間を確保してくれたのだろうとユウは理解する。
「今日はゴメンね。マオもいろいろ突っ掛かってたけど悪い子じゃないの。分かってくれるかしら?」
「別に大丈夫です。いきなり押し掛けたのはわたしですし、マオさんの気持ちも……まぁ分からなくもないので」
もし自分が同じ立場ならきっとマオと同じ対応をしただろうとルミナスはもしもの自分を思い浮かべる。
しかしユウが出してくれたホットティーに映るルミナスはそのもしもにならなかった自分。
マオの気持ちが分かるからこそ、本当に折れるべきは自分なのだと思い知る。
それでもユウの説得があったとはいえ、受け入れてくれたマオに感謝はあれど謝られる立場ではない。
「お姉様は……どうしてマオさんとお付き合いしようと思ったのですか?」
聞きたくないが気になる。
そんな複雑な気持ちでルミナスは尋ねた。
ホットティーの入ったカップを両手で持つ。
中の熱が陶器のカップを通して掌に伝わり、熱くなりながらも縋るようにカップを持つ手に力が入る。
ルミナスの質問に、ユウは「そうね……」と数秒考えて、
「最初は真意を確かめる為に一カ月、一緒に旅しただけだったわ」
ユウはその頃を昨日のことのように鮮明に思い出す。
互いの正体を知り、三日三晩休みのない死闘を終えて、それでも決着はおろか互いに限界が来ている様子もない先の見えない均衡状態。
魔王がそろそろ限界だろうと黒髪をなびかせながら問いかけるも、鎧の勇者は疲労耐性や飢餓耐性などによってまだまだ余裕と即答し、鎧の勇者が澄んだ空色の瞳で睨みながら魔力切れでしょうと尋ねても、元の魔力量に加えて濃い瘴気による消費以上の魔力回復などによって全然問題ないと即答する。
互いのそれが強がりでないことは理解出来て、余計にこの戦いに終わりが見えなくなったその時、魔王から予想外の提案がなされた。
『鎧の勇者よ。一度休戦し、話し合おうか』
魔族が話し合い? と怪訝な目を向ける鎧の勇者。
しかしこのままでは戦いが終わらないという事実が、鎧の勇者に小休憩を兼ねた話し合いに乗ろうと判断させる。
そこで語られる魔族の真実は、当然鎧の勇者にとっても受け入れ難い話だった。
しかし慧眼スキルは反応せず、鍛え抜かれ研ぎ澄まされた勘が、話の信憑性を勝手に上げていく。
それでも、納得できない鎧の勇者はとある提案を持ち掛ける。
――――一か月、一緒に行動して魔族とは何かを見極めさせてちょうだい。
勇者と呼ばれた自分が、魔族の王と呼ばれる存在と行動を共にするなど考えもしなかった。
だが魔族とは何か、今一度見直さなければならないと鎧の勇者は直感的に悟る。
鎧の勇者の申し出に魔王は一切の躊躇なく了承した。
戦いのせいで住処を失っているのも理由の一つだが、魔王と呼ばれている黒髪の女性がさぞ興味深そうに笑うのを見て、好奇心が大半を占めているのだろうと鎧の勇者は思った。
そして魔族と勇者がともに行動していると世間に知られると厄介な為、魔王はマオ、鎧の勇者はユウと名を改め行動するようになった。
マオの立ち振る舞いや他の魔族との関わりから、マオの言っていたことが証明されるのに半月もかからなかった。
しかしその頃には、いやマオの言っていたことが真実だと納得してから、深く関わり行動を共にしていく過程で、ユウがマオに向ける目は種族ではなく個人で見るようになり、マオを見る目と人間の女の子を見る目に違いがなくなっていた。
そしてそれはマオも同じなんだとユウは感じた。
しっかりと聞いたわけではないし、ユウの慧眼スキルをもってしてもマオの真意は汲み取れない。
しかしながら、マオは何かしらのきっかけで人間というものに興味を持っているのを感じた。
魔族と人族。
魔王と勇者。
種族や肩書という壁がなくなった二人が心の距離を縮めるのに時間はかからない。
勝手な呼称とはいえ魔族の王と呼ばれたマオと、人族最強と謳われるユウ。
自分と対等になりえる存在は、特別で捨て難い存在に代わり、やがてそれは好意と呼べるものに変わっていった。
思い出すマオの言葉。
――――どうやら私はお前のことが好きらしい、ユウ。
思い出して、にやけてしまうが、これはルミナスには言えない。
二人だけの大切な思い出だから。
「そこからはまーいろいろあって、アタシとマオは付き合うことになったわ」
「そのいろいろが気になるのですが……」
肝心な部分を省略するユウに、ルミナスは不満げな表情で抗議する。
そんなルミナスに対して、ユウはその白い肌をほのかに染めて人差し指を口元に当てる。
「内緒」
緩んだその口角も、熱の籠ったその頬も、見開きながらも過去に耽るその目も、ルミナスに向けられることのないもので、ユウに刻まれたその思い出がとても大切なものなのだとルミナスに突きつける。
ユウのマオに対する思いを感じ取ったルミナスがこれ以上過去を掘り返すことなど出来るはずもなく、自分の思いを流し込むようにホットティーを飲み干した。
温かい熱が言葉の詰まる喉からズキズキと痛む胸を過ぎ、胃に重くのしかかる。
そして数秒沈黙した後、取り繕うような笑顔を貼り付ける。
「話してくださってありがとうございますお姉様。ささ、明日は何かあるようですし、今日はもう休ませて頂きます」
胸でざわめくこの感情を落ち着かせたいのか、それともこれ以上ユウの思いに耽る顔が見られなかったのか、ルミナスは逃げる様に話を切り上げる。
まだ引っ越してきたばかりで客室など用意されていないので、マオ、ユウ、ルミナスの順番で川の字になって横になる。
さすがの三人では少し狭いが、それでも窮屈というほどではない大きさのベッド。
マオがこだわりにこだわって選んだベッドは一気に夢の世界へと引きずり込む。
「お休み」
「おやすみなさい」
寝ているマオを起こさないよう静かな声でユウとルミナスは挨拶する。
寝息を立てるマオとユウに対して、ルミナスが一向に寝付けなかったのは、人の家で緊張しているからか、それとも――――。
お読みいただきありがとうございました!
「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたらブックマーク、感想、リアクションなどよろしくお願いします!
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【婚約破棄されたあたしを助けてくれたのは白馬に乗ったお姫様でした】
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