↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神になるには、遅すぎた』 ―誰にも求められなかった男の創世記―  作者: 凡夫 成


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
47/80

Episode 6-8 「地方聖女」

読んでいただきありがとうございます!

最近は戦闘シーンよりも、

「会話で殴り合う」

場面の方が増えてきました。

レオン。 セイジ。 ガロウ。 ユリウス。

それぞれ違う形でハザムへ挑みました。

そして今回のマリアは、 また違う方向からハザムへ向き合う人物になります。

どんな結末になるのか、 作者自身も楽しみながら書いています。

次回もよろしくお願いします!


第一次信仰戦争終結から。


半年。



---


帝国は揺れていた。



---


戦争は起きなかった。



---


だが。



---


何も変わらなかった訳ではない。



---


属州問題。



---


移民問題。



---


水資源問題。



---


食料問題。



---


全て残っている。



---


ただ。



---


一つだけ変わった。



---


人々が考え始めた。



---


それだけだった。



---



---


王城。



---


玉座の間。



---


神官。



---


貴族。



---


将軍。



---


各属州代表。



---


そして。



---


神妃ジュリア。



---


白騎士レオン。



---


黒騎士カズハ。



---


紫衣卿セイゼル。



---


白銀の詩唱卿リオ。



---


全員が揃っていた。



---


その中央。



---


マリア。



---


簡素な修道服。



---


場違いだった。



---


本人もそう思っている。



---


「帰っていいですか?」



---


即答だった。



---


沈黙。



---


ジュリアが頭を抱える。



---


紫衣卿が目を閉じる。



---


リオだけ少し笑う。



---


ハザムは変わらない。



---


「駄目だ」



---


マリア。



---


「何故ですか」



---


ハザム。



---


「仕事だ」



---


マリア。



---


「嫌な予感しかしません」



---



---


玉座の間に。



---


少しだけ笑いが起きる。



---


昔なら有り得なかった。



---


神へそんな口を聞く者など。



---



---


やがて。



---


ハザムが立ち上がる。



---


巨大な地図が現れる。



---


帝国東部。



---


辺境州。



---


広大な土地。



---


人口問題。



---


移民問題。



---


属州対立。



---


今もっとも混乱している地域。



---


ハザムは言う。



---


「ここを任せる」



---


沈黙。



---


マリア。



---


「は?」



---


本気で分からなかった。



---



---


「お前は私が間違っていると言った」



---


ハザム。



---


「なら見せてみろ」



---


静かな声。



---


「お前の正しさを」



---


玉座の間が静まり返る。



---


神妃ジュリアが立ち上がる。



---


「陛下!」



---


珍しく感情的だった。



---


「危険です!」



---


「反乱の中心人物です!」



---


正論だった。



---


誰も否定できない。



---


だが。



---


ハザムは答える。



---


「だからだ」



---


沈黙。



---


「責任も与える」



---


「権利だけではなく」



---


「結果も背負え」



---


マリアを見る。



---


「出来るか」



---


長い沈黙。



---


マリアは地図を見る。



---


辺境州。



---


問題だらけ。



---


失敗するかもしれない。



---


笑われるかもしれない。



---


それでも。



---


やがて。



---


小さく息を吐く。



---


「やってみます」



---


静かな声。



---


だが。



---


確かな覚悟だった。



---



---


その夜。



---


王城屋上。



---


ナギがいた。



---


いつもの場所。



---


夜空。



---


帝都の灯。



---


その隣。



---


ハザム。



---


二人で街を見下ろしている。



---


ナギが笑う。



---


「優しくなったな」



---


ハザム。



---


「そうか」



---


ナギ。



---


「昔なら再構築してた」



---


沈黙。



---


ハザムは答えない。



---


答えられない。



---


脳裏。



---


黒髪の女。



---


『ホント遅い』



---


あの言葉。



---


まだ残っている。



---


やがて。



---


ナギが笑った。



---


「まあ」



---


「三百年遅れくらいか」



---


ハザムも少しだけ笑う。



---


本当に少しだけ。



---



---


翌朝。



---


辺境州へ向かう馬車。



---


マリアが乗っていた。



---


護衛も少ない。



---


豪華でもない。



---


いつも通り。



---


馬車が動く。



---


窓の外。



---


帝都。



---


神殿。



---


王城。



---


遠ざかっていく。



---


マリアは小さく呟く。



---


「本当に私で良かったんですかね」



---


誰も答えない。



---


だが。



---


遠く王城最上階。



---


ハザムは辺境へ向かう馬車を見ていた。



---


そして。



---


誰にも聞こえない声で言う。



---


「間違っているかもしれない」



---


風が吹く。



---


「だから試す」



---


それは。



---


神の言葉ではなかった。



---


一人の人間の言葉だった。



---


遠く。



---


白銀の詩唱卿リオの歌声が聞こえる。



---


帝国は続く。



---


神の時代も続く。



---


だが。



---


その日から。



---


灰神圏は少しだけ変わった。



---


神だけが答えを持つ世界ではなくなった。



---


人々もまた。



---


答えを探して良い世界になった。



---


第六章 完結


聖女編 終了

ここまで読んでいただきありがとうございます!

5章はかなり重めの話になりましたが、 6章は少し視点を変えて、

「神の国で生きる人々」

に焦点を当てていきます。

久しぶりに観測者ナギも登場します。

個人的にも好きなキャラクターなので、 楽しんでいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。