Episode 6-7 「決着」
読んでいただきありがとうございます!
最近は戦闘シーンよりも、
「会話で殴り合う」
場面の方が増えてきました。
レオン。 セイジ。 ガロウ。 ユリウス。
それぞれ違う形でハザムへ挑みました。
そして今回のマリアは、 また違う方向からハザムへ向き合う人物になります。
どんな結末になるのか、 作者自身も楽しみながら書いています。
次回もよろしくお願いします!
帝都北門。
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十数万の民衆。
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聖女軍。
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誰もそう呼ばれたくなかった。
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マリアも。
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集まった人々も。
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ただ。
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戦争を止めたかった。
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それだけだった。
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ハザムは空から降り立つ。
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灰神皇。
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その後ろ。
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白騎士レオン。
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黒騎士カズハ。
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紫衣卿セイゼル。
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白銀の詩唱卿リオ。
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神話そのもの。
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民衆は跪く。
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だが。
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マリアだけは立っていた。
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震えながら。
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それでも。
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立っていた。
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ハザムが問う。
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「戦争を止めたいのか」
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「はい」
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即答。
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「何故だ」
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マリアは答える。
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「死ぬからです」
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静寂。
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「誰かが家族を失うからです」
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「それだけです」
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単純だった。
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だが。
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強かった。
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神妃ジュリアが前へ出る。
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「綺麗事です」
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冷たい声。
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「人口は増え続けています」
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「資源は有限です」
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「属州間対立も限界です」
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「誰かが決断しなければなりません」
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正論だった。
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誰も反論できない。
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だが。
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マリアは俯かない。
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「だから考えるんです」
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「もっと方法があるかもしれない」
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「失敗するかもしれない」
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「それでも」
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顔を上げる。
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「戦争の前にやる事がある」
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静寂。
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神妃。
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聖女。
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二人の視線がぶつかる。
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どちらも善意。
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どちらも正義。
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だから。
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誰も悪くない。
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やがて。
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ハザムが言う。
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「マリア」
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全員が見る。
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「お前は間違っている」
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マリアは頷く。
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「かもしれません」
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そして。
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少しだけ笑った。
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「あなたもです」
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静寂。
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世界が止まる。
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神へ。
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そんな言葉を向けた者は。
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何百年ぶりだろう。
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ハザムの瞳が細くなる。
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その瞬間。
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空間が歪む。
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紫衣卿が目を見開く。
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ジュリアが息を呑む。
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白騎士も。
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黒騎士も。
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動かない。
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だが理解していた。
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再構築。
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神の奇跡。
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神へ逆らった者達の末路。
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レオン。
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カズハ。
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セイジ。
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リオ。
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ハザムがゆっくり手を伸ばす。
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マリアへ。
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逃げない。
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震えている。
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それでも立つ。
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「なら」
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ハザムが呟く。
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「お前も残してやろう」
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空間がさらに歪む。
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魔法陣が広がる。
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その時だった。
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パシッ。
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何かが頬へ当たる。
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沈黙。
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一本の煙草。
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地面へ転がる。
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誰も理解できない。
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誰が投げた。
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どこから飛んできた。
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誰にも分からない。
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ただ。
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ハザムだけは止まった。
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脳裏。
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黒髪の女。
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シエル。
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『ホント悪趣味』
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ビンタ。
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『そうじゃなくて』
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笑顔。
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怒った顔。
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病室。
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最後の日。
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『ごめん』
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自分の声。
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そして。
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『やっとですか?』
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『ホント遅い』
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記憶が溢れる。
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何百年も前。
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理解できなかった事。
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言えなかった言葉。
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失ったもの。
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全部。
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一瞬で蘇る。
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ハザムの手が止まる。
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魔法陣が消える。
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静寂。
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ナギだけが笑っていた。
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遠くで。
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本当に小さく。
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「ようやくか」
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誰にも聞こえない。
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ハザムはマリアを見る。
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初めて。
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勇者としてではなく。
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敵としてでもなく。
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一人の人間として。
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長い沈黙。
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そして。
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小さく笑った。
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寂しそうに。
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どこか救われたように。
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「そうか」
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誰も意味が分からない。
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ジュリアも。
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紫衣卿も。
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マリアも。
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だが。
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ハザムは続けた。
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「負けだ」
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世界が止まる。
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誰も理解できない。
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灰神皇が。
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敗北を認めた。
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レオンには勝った。
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セイジにも勝った。
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ガロウにも勝った。
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ユリウスも壊した。
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だが。
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マリアには勝てなかった。
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いや。
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違う。
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ずっと昔。
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シエルへ負けた事を。
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ようやく認めたのだ。
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風が吹く。
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十数万の民衆。
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神妃。
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聖女。
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勇者。
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誰も言葉を発せない。
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そして。
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その日。
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属州戦争は中止された。
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神の国は続く。
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だが。
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もう以前と同じではなかった。
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ハザムは勝たなかった。
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マリアも負けなかった。
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それが。
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第一次信仰戦争の結末だった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
5章はかなり重めの話になりましたが、 6章は少し視点を変えて、
「神の国で生きる人々」
に焦点を当てていきます。
久しぶりに観測者ナギも登場します。
個人的にも好きなキャラクターなので、 楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは第6章、 よろしくお願いいたします!




