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『神になるには、遅すぎた』 ―誰にも求められなかった男の創世記―  作者: 凡夫 成


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46/80

Episode 6-7 「決着」

読んでいただきありがとうございます!

最近は戦闘シーンよりも、

「会話で殴り合う」

場面の方が増えてきました。

レオン。 セイジ。 ガロウ。 ユリウス。

それぞれ違う形でハザムへ挑みました。

そして今回のマリアは、 また違う方向からハザムへ向き合う人物になります。

どんな結末になるのか、 作者自身も楽しみながら書いています。

次回もよろしくお願いします!


帝都北門。



---


十数万の民衆。



---


聖女軍。



---


誰もそう呼ばれたくなかった。



---


マリアも。



---


集まった人々も。



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ただ。



---


戦争を止めたかった。



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それだけだった。



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ハザムは空から降り立つ。



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灰神皇。



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その後ろ。



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白騎士レオン。



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黒騎士カズハ。



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紫衣卿セイゼル。



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白銀の詩唱卿リオ。



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神話そのもの。



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民衆は跪く。



---


だが。



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マリアだけは立っていた。



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震えながら。



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それでも。



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立っていた。



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ハザムが問う。



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「戦争を止めたいのか」



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「はい」



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即答。



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「何故だ」



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マリアは答える。



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「死ぬからです」



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静寂。



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「誰かが家族を失うからです」



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「それだけです」



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単純だった。



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だが。



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強かった。



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神妃ジュリアが前へ出る。



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「綺麗事です」



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冷たい声。



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「人口は増え続けています」



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「資源は有限です」



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「属州間対立も限界です」



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「誰かが決断しなければなりません」



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正論だった。



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誰も反論できない。



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だが。



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マリアは俯かない。



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「だから考えるんです」



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「もっと方法があるかもしれない」



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「失敗するかもしれない」



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「それでも」



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顔を上げる。



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「戦争の前にやる事がある」



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静寂。



---


神妃。



---


聖女。



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二人の視線がぶつかる。



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どちらも善意。



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どちらも正義。



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だから。



---


誰も悪くない。



---



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やがて。



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ハザムが言う。



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「マリア」



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全員が見る。



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「お前は間違っている」



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マリアは頷く。



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「かもしれません」



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そして。



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少しだけ笑った。



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「あなたもです」



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静寂。



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世界が止まる。



---


神へ。



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そんな言葉を向けた者は。



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何百年ぶりだろう。



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ハザムの瞳が細くなる。



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その瞬間。



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空間が歪む。



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紫衣卿が目を見開く。



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ジュリアが息を呑む。



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白騎士も。



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黒騎士も。



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動かない。



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だが理解していた。



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再構築。



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神の奇跡。



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神へ逆らった者達の末路。



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レオン。



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カズハ。



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セイジ。



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リオ。



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ハザムがゆっくり手を伸ばす。



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マリアへ。



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逃げない。



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震えている。



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それでも立つ。



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「なら」



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ハザムが呟く。



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「お前も残してやろう」



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空間がさらに歪む。



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魔法陣が広がる。



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その時だった。



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パシッ。



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何かが頬へ当たる。



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沈黙。



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一本の煙草。



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地面へ転がる。



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誰も理解できない。



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誰が投げた。



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どこから飛んできた。



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誰にも分からない。



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ただ。



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ハザムだけは止まった。



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脳裏。



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黒髪の女。



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シエル。



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『ホント悪趣味』



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ビンタ。



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『そうじゃなくて』



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笑顔。



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怒った顔。



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病室。



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最後の日。



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『ごめん』



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自分の声。



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そして。



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『やっとですか?』



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『ホント遅い』



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記憶が溢れる。



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何百年も前。



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理解できなかった事。



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言えなかった言葉。



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失ったもの。



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全部。



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一瞬で蘇る。



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ハザムの手が止まる。



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魔法陣が消える。



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静寂。



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ナギだけが笑っていた。



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遠くで。



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本当に小さく。



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「ようやくか」



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誰にも聞こえない。



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ハザムはマリアを見る。



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初めて。



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勇者としてではなく。



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敵としてでもなく。



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一人の人間として。



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長い沈黙。



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そして。



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小さく笑った。



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寂しそうに。



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どこか救われたように。



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「そうか」



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誰も意味が分からない。



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ジュリアも。



---


紫衣卿も。



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マリアも。



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だが。



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ハザムは続けた。



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「負けだ」



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世界が止まる。



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誰も理解できない。



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灰神皇が。



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敗北を認めた。



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レオンには勝った。



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セイジにも勝った。



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ガロウにも勝った。



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ユリウスも壊した。



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だが。



---


マリアには勝てなかった。



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いや。



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違う。



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ずっと昔。



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シエルへ負けた事を。



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ようやく認めたのだ。



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風が吹く。



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十数万の民衆。



---


神妃。



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聖女。



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勇者。



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誰も言葉を発せない。



---


そして。



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その日。



---


属州戦争は中止された。



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神の国は続く。



---


だが。



---


もう以前と同じではなかった。



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ハザムは勝たなかった。



---


マリアも負けなかった。



---


それが。



---


第一次信仰戦争の結末だった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

5章はかなり重めの話になりましたが、 6章は少し視点を変えて、

「神の国で生きる人々」

に焦点を当てていきます。

久しぶりに観測者ナギも登場します。

個人的にも好きなキャラクターなので、 楽しんでいただけたら嬉しいです。

それでは第6章、 よろしくお願いいたします!

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