表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第11章 ネコ戦士、世界の危機に瀕する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/167

11-8 ネコ戦士、フリーザードラゴンを呼ぶ

「俺が…フリーザードラゴンに…謝る…?」

呆然としている傭兵に

「そうにゃ。悪いことをしたのは、あんたにゃ。ツラーオたちを無駄に殺してごめんなさいって、心から謝るにゃ」

と言うと、

「そ…それでも許してくれなかったら…?」

傭兵はそう返してきた。

「許してもらえるまで必死で謝り続けるんにゃ!通訳は私がしてあげるから、とにかく謝り続けるんにゃ!!」

私が怒鳴ったら、ギルド長が

「…そのようなことで凍竜様にお許しいただけるだろうか…」

と不安そうに言った。

「許してもらえるまで謝らせるにゃ。もうこれしか、この国を救う方法はないかもしれないのにゃ…」

私は大きくため息をついた。

そして傭兵の方を向いて

「なんでそんなにお金が必要なのにゃ?お父さんが関係あるのにゃ?」

と尋ねてみた。

すると傭兵は

「…親父は小間物屋なんですが…最近悪い(やまい)にかかって、その病に効く薬が高くって…」

と、ぼそぼそと説明し始めた。

「王都の薬屋で買っても、医者から買っても、珍しいキノコ?からできてるとかで…一包五百ジロもするんです…」

ふむふむ、ぼったくられてるわけじゃなくて、通常価格からして高いわけね…一包五千円って…バカ高いわ…

「フリーザードラゴンにはヒトみたいな情があるにゃ。あんたの事情を心を込めて伝えたら、許してくれるかもしれないにゃ。とにかく必死に謝るにゃ!!」

私の言葉に、傭兵は腹をくくったようにうなずいた。


こうなると、どうやってフリーザードラゴンと会うかが問題だ。

この傭兵を連れて、あちこち走り回る?

それとも、またフリーザードラゴンが私のとこに来てくれた時に、この傭兵を呼ぶ?

うーん…と悩んだ結果、私は思いついた。

私がフリーザードラゴンに話を聞きたい時、いつでもフリーザードラゴンは来てくれた。

だったら、私から呼んでも来てくれるんじゃない?

そう思って私がギルドの建物の外に出たら、みんなもぞろぞろとついてきた。

ギルド長が

「ネコ戦士殿、何か考えが…?」

と聞いてきたので、

「フリーザードラゴンを呼ぶにゃ!!」

と私は答えた。

「ここは王都で一番高い場所にゃ。ここならフリーザードラゴンが来ても、王都の人たちには迷惑はかからないと思うにゃ。」

私はそう言ってから、心で呼びかけ始めた。

凍竜さん…凍竜さん…お願いにゃ…私のとこに来てくださいにゃ…あなたに謝りたいヒト族がいるのにゃ…

心の中だったけど、私はネコ戦士らしく、”にゃ”をつけて語りかけ続けた。

すると、少しして

”ネコよ…呼んだか?”

フリーザードラゴンの声がした。


フリーザードラゴンはギルドの建物近く…王宮の敷地内に、ゆっくりと舞い降りてきた。

「これが…いや、この方が…神に最も近い…」

ケラーさんがそうつぶやきながら、フリーザードラゴンを見つめた。

”我に謝罪したい者がいるとは?”

フリーザードラゴンがそう尋ねたので、私は例の傭兵を引っ張って、フリーザードラゴンの前に立たせた。

「早く謝るにゃ。ちゃんと、どうしてあんなことをしたのか、理由も話すにゃ」

私にそう言われても、傭兵はフリーザードラゴンを見つめたまま、怯えて何も言えずにいた。

「凍竜さんは、ちゃんと話聞いてくれるにゃよ。だから、心から謝るんにゃ」

そううながすと、傭兵は土下座してから、口を開いた。

「すみません…すみませんすみませんっ!!俺はっ…殺す必要もなかったツラーオたちを、たくさん殺してしまいました…」

私が通訳すると、フリーザードラゴンは

”つらーお…とは?…ふむ、野を駆けるのみの者たちにも名をつけていたのか”

と言った後、

”…殺す必要もなかった者どもを、なぜ殺したのだ…”

と、怒気を発して、雪と氷の粒をまき散らした。

すっごく寒くなったけど我慢して、私は傭兵に続きをうながした。

「親父が…父が病にかかって…その薬が珍しくって高くって…その薬代のためにツラーオたちをたくさん殺して肉を売りました…っ…すみません!すみません!!自分勝手な理由で、たくさん殺してっ…すみませんっ…!!」

傭兵の言葉を通訳して伝えると、

”クスリ、とは何だ…?”

フリーザードラゴンはちょっと落ち着いて、私にそう聞いてきた。

よかった…寒さ、ちょっとマシになった…


薬というものはモンスターの世界にはないのかな…どう説明したら…と悩んだ末に私は

「ネコは気分悪い時、青草を食べて吐いてすっきりするにゃ。飲んだり食べたりしたら病気が治るのが、薬にゃ」

と苦し紛れにネコ草を例に挙げて説明してみた。

”体の不調を癒す物をクスリと申すのだな”

幸い、それでもフリーザードラゴンは理解してくれた。

「父はその薬がないと、死んでしまうかもしれません…!!自分の親のためだけにっ…たくさんの命を奪ってすみませんでしたっ!!」

傭兵は涙を流しながら、額を地面にこすり付けてフリーザードラゴンに謝った。

傭兵の言葉をちゃんと通訳したんだけど、フリーザードラゴンはしばらく何も言わなかった。

”…(とむら)え”

しばらくの沈黙の後、フリーザードラゴンはそう言った。

そして

”その者に伝えよ。(おの)が命を奪った者どもを、心底悔いて弔え…と”

と言ったので、私はそれを傭兵に伝えた。

「…弔います!!ごめんって…すみませんって謝りながら!!必ず弔います!!」

涙を流しながら謝る傭兵の言葉を伝えると、フリーザードラゴンはうなずいた。

”ならば此度(こたび)は許そう…だがもしもまた、このようなことをすれば…この集落は氷漬けにする”

この集落って…王都のことか…

ちょっとぞっとしながらフリーザードラゴンの言葉を伝えたら、ギルド長が頭を下げた。

「凍竜様のご温情、ありがたく存じます!!二度と…二度とこのような不埒(ふらち)者は出しませぬ!!」

ギルド長の言葉を伝えると、フリーザードラゴンは、またうなずいて、そして翼を広げた。

雲の上に飛んで行くフリーザードラゴンに向かって、私たちは頭を下げ続けた。

 

だんだんあったかくなってきたので、そろそろ半袖かな~と思います。ちなみに私の半袖Tシャツはすべてネコ柄です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ