11-4 ネコ戦士、ネコたちに出会う
「はー、おったまげた。王都で噂のネコ戦士、かい」
ロナ村の男の人は、私をじろじろと見た。
ヤな感じー…と思ってたら、
「ネコ戦士殿は、国王陛下の賓客であるぞ」
ギルド長がそう言ったので、私も
「このヒトは王都の傭兵ギルド長さんにゃ。王様のお城の敷地内のギルドの偉いヒトにゃ」
とギルド長を紹介した。
そこに
「村の者が失礼いたしました。ロナ村の村長、キトでございます」
と、ロナ村の村長がやってきた。
そして
「このような尊い方々が一体何の御用でこの村に…?」
とキトさんが言うので
「ネコを探しに来たんですにゃ!」
と私はストレートに言った。
キトさんは首をかしげた。
「ネコを探しに来られた…とは?」
なので私たちは、クロのこと、ネコはほぼ絶滅状態だってことをかいつまんで話した。
キトさんはうなずいて
「なるほど…ネコはそんなにも珍しいものになっていたのですな…」
と言った。
「だからにゃ、うちのクロのお嫁さんを探しに来たのにゃ」
私がそう言うと、キトさんは
「お嫁さん…ですか…?」
と驚いたように数回まばたきをした。
「その…クロというネコはネコ戦士の子孫なのですな?それでもごく普通のネコと同じなのですか?」
キトさんが聞いてきたので
「そうなのにゃ。だけど今、この世界にネコはほとんどいなくて、このままじゃクロは一人ぼっちで一生暮らすことになるにゃ。だからお嫁さんを探して、家族を増やして…幸せになってほしいのにゃ」
と私は答えた。
「クロは今どのぐらいの年頃なのですか?この村では秋に四匹の仔ネコが生まれましたが、生後四か月ほどで、他のネコは二歳から十歳ぐらいです。クロに見合うネコがいるかどうか…」
キトさんはそう言った。
どうやら前向きに考えてくれてるらしい。
「クロは多分生後半年ぐらいにゃ。そろそろお嫁さんが欲しい年頃になるにゃ」
と言うと、キトさんはうなずいた。
「なるほど、ならばこの村にそのネコを連れてこられては如何でしょう?そして相性の良さそうなネコを連れていかれては?」
それもそうだ。
クロの意見も聞かないで、ただ相手を連れていけばいいとは思えない。
「じゃあ、クロを連れてまた来ますにゃ。お見合いよろしくお願いしますにゃ!」
そう言い残して、私はいったんベリー村に戻ることにした。
「よっ、早かったな!ロナ村にネコはいたかい?」
ベリー村に戻ると、ジンさんが声をかけてきた。
「いたにゃ!それで、秋に四匹、仔ネコも産まれたって言ってたにゃ!」
私がそう言うと、みんなはわっと盛り上がった。
「じゃあ、クロの嫁さん候補も見つかりそうだな!」
「良かったねぇ、クロ」
クロは首をかしげてたので、
「クロ、またお出かけにゃ。他のネコたちがいるとこに行ってみるにゃ」
と言うと、クロはぱちぱちと瞬きした後
「ニャー!」
とうれしそうに鳴いた。
午前中にロナ村まで往復したので、とりあえず馬を休ませて、私たちもお昼ご飯を食べた。
私が見たのは一匹だけだったけど、仔ネコも生まれてるなら、ロナ村にはかなりの数のネコがいそうだ。
ロナ村のネコたちに会うのが楽しみで、私はうきうきしてきた。
そしてお昼ご飯の後、私たちはまたロナ村に向かった。
クロは抱っこひもの袋の中で、結構落ち着いてた。
一時間弱でロナ村に着くと、
「こちらが我が村のネコたちでございます」
キトさんがネコたちを集めてくれていた。
トラネコに、茶トラ白、三毛、グレー、黒白…色んな色のネコたちが十匹いて、四匹はクロぐらいの仔ネコだった。
ネコネコネコネコ!!
私が心の中で小躍りしてると、クロが袋から飛び出した。
するとロナ村のネコたちがクロに近寄ってきて、くんくんと匂いを嗅ぎ始めた。
受け入れてもらえるかな…ダメだったらどうしよう…と思ってハラハラしてたら、私の心配をよそに、クロはネコたちと走り回り始めた。
ネコの追いかけっこだ!!
私や、ベリー村のみんなといる時とは違って、クロはすごくイキイキしてる。
…そりゃそうか…仲間たちといる方が、きっと楽しいよね…
私がクロたちを眺めていると、
「いかが致した?」
とギルド長が声をかけてきた。
「…クロ…このままこの村にいた方が幸せなんじゃないかって思うのにゃ…」
私がそう言うと、ギルド長は驚いた顔をした後、
「…ネコ戦士殿は、クロの幸せを一番に考えているのだな…?」
と言った。
私はうなずいて、キトさんに声をかけた。
「キトさん、クロはこのままロナ村にいさせてあげてにゃ…」
キトさんは目を見開いて
「しかしっ…この村のネコと共にベリー村に連れて帰り、そこでネコを増やす方が良いのでは?絶滅しそうなのでしょう?」
と言って来たけど、私は首を横に振った。
そして、仲間たちと楽しそうに走り回るクロの方を見て
「クロ、元気でにゃ…さよならにゃ…」
そう言いながら、私の目は涙でいっぱいになって、クロがぼやけて見えた。
この話、自分で書いてて泣きそうになりました…ネコと離ればなれになるなんて、自分ちのネコを誰かに託すなんて…!!と想像したら辛くて辛くて…←




