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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第9章 ネコ戦士、己の役割を考える

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9-6 ネコ戦士、フリーザードラゴンと再び語る

ヒヨコたちも卵を産んでくれるようになって、ベリー村の食生活はさらに豊かになった。

もう季節は冬になりつつあったけど、ベリー村は火山も近いせいか、前世の日本の冬ほどには寒くなくて、けっこう快適だった。

村のみんなも薄い長袖の上に薄いカーディガンみたいなのを着る程度だったし、私は私の装備ひとつでもそう寒いとは感じなかった。

そんな冬のある日の夜明け前、ベッドでうとうととしていると、懐かしい声が聞こえてきた。

”ネコよ…”

鈴を転がすような、きれいな声。

フリーザードラゴンだ。

私は飛び起きて装備を身に着け、家の外に出た。

まだ夜明け前だったけど、冬の夜明け前は時刻で言えば冬以外より遅かったので、バーサさんはもう起きて店の準備をしていた。

「バーサさん、おはようにゃ」

と声をかけると、バーサさんは

「おや、モモちゃん早いね、おはよう」

と笑った。

「フリーザードラゴンがまた来てくれてるにゃ。ちょっと行ってくるにゃ」

私がそう言うと、

「あら、そうなのかい。じゃあ行ってきな」

バーサさんは普通に笑ってそう言った。

コンビニ行くって言った時の母みたいな軽い反応に、私はちょっと笑いそうになった。


村の北門を開けると、フリーザードラゴンはそこで待ってくれていた。

「久しぶりにゃ!元気だったにゃ?」

と私が挨拶すると、フリーザードラゴンは

”うむ。そなたも息災であったか”

と挨拶を返してくれた。

「今日はお話の続きにゃ?」

私がそう尋ねると、

”うむ。そなたと語らい、我も考えることがあった”

とフリーザードラゴンは言った。

そして

”そなたは、ヒト族が我らを恐れていると言った。なので我は北の集落のことを考えたのだ”

そう続けた。

「バツ村のことにゃ?」

と聞くと

”ばつ村と申すのか。その村は他の集落に比べ寒く、作物も育たず貧しいうえ、我の好む気候であるがゆえに我が立ち寄ることも多いため、ばつ村のヒト族は迷惑しているのではないかと考えたのだ”

フリーザードラゴンは、そう言った。


私はフリーザードラゴンの優しさをうれしく思うと同時に、慌てた。

「バツ村の人たちは、あなたのおかげで池の氷を売って生活できてるって言ってたのにゃ!感謝してたにゃ!」

私がそう言うと、フリーザードラゴンは目を見開いた。

”ヒトが…我に感謝…?”

「そうにゃ!バツ村は寒すぎて作物は育たないけど、池が年中凍ってるおかげで、その氷でお金稼いでるのにゃ。だからあなたに感謝してるにゃ…でも、あなたのことを怖いとも思ってるにゃ…」

私はバツ村の人たちから聞いたことを、正直に伝えた。

”…やはり、我を恐れているのか”

フリーザードラゴンは感情の見えない声で言った。

「バツ村の人たちは、あなたがいつか自分たちの村を凍らせるんじゃないかって…それを怖がってたにゃ…でも、あなたはそんなこと、しないにゃろ?」

フリーザードラゴンの目をじっと見つめながら、私は訴えた。

フリーザードラゴンは少し考えてから、

”…我に歯向かうような真似さえしなければ、そのようなことはせぬ”

と答えた。

その答えに、私はちょっと考えてみた。

「ヒトの祈りは、あなたに通じるにゃ?」

フリーザードラゴンは、また考えているようだった。

”…心で祈るなら、我にも感じられるかもしれぬが”

フリーザードラゴンの答えに、私はうなずいた。

「だったら、バツ村の人たちに、あなたへの感謝を祈ってもらうにゃ!感謝の心を忘れないで、怖がらないでって、私から頼むにゃ!約束するにゃ!」


フリーザードラゴンは、ゆっくり考えてから

”ふむ…ならば、我も誓おう。かの村の者たちを決して害さぬ、と”

と言ってくれた。

なので私は、大切なことを確認することにした。

「ヒトはあなたのこと、フリーザードラゴンって呼んでるにゃ。でもあなたにはあなたの名前があるにゃろ?なんて言って祈らせたらいいにゃ?」

祈るなら、きっと名前は大切なはずだ。

ヒトが勝手に決めた名前じゃなく、彼らの本当の名前が。

”我は凍竜…凍竜だ。この名を祈りに加えれば、恐らく我に祈りは届くであろう”

とフリーザードラゴンは答えてくれた。

「わかったにゃ!凍竜さん、ありがとにゃ!きっとバツ村の人たちに伝えるにゃ!!」

私がフリーザードラゴンの目を見つめて笑うと、フリーザードラゴンは目を細めた。

”…そなたは、我らとヒト族の架け橋になってくれるのだな…”

フリーザードラゴンの言葉に、私はうなずいて答えた。

「なるにゃ!あなたたちとヒト族が共存していくために、頑張るにゃ!」

私の答えに満足したようにフリーザードラゴンはまた目を細めて、それからその大きな翼を広げた。

”ネコよ…いずれ、また”

そう言い残して、フリーザードラゴンは去っていった。

…あっ…四人のネコ戦士のその後のこと、聞くの忘れた…

 

部屋のコタツにいるネコをそのまま置いといて入力しに来たら、なぜかネコもついてきます。ネコのためにコタツつけっぱなしにしてるのに…と思いつつも、ついてきてくれるとうれしいですw

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