9-4 ネコ戦士、なすべきことを語る
「四人のネコ戦士たちは、モンスターの側に戻った…と…?」
ケラーさんがうめくように言った。
私はうなずいた。
「前にこの国の歴史の話を聞いた時には、ネコ戦士たちは山みたいなドラゴンと戦って撃退して、そして四人とも死んじゃったと思ってたのにゃ。でも、フリーザードラゴンの話を聞いたら、それはないにゃって思えてきたにゃ」
私の話を、みんな黙って聞いててくれた。
「フリーザードラゴンは、話せるだけじゃなくて、優しかったにゃ」
私がそう言うと、みんなは、えっ?という顔をした。
「私がアクアドラゴンを倒したことを後悔してるのに気付いて、慰めてくれたにゃ…それに、ヒトに対する思い出し怒り?で吹雪起こしちゃって、私が寒いにゃって言ったら、慌てて吹雪をおさめて謝ってくれたのにゃ」
みんなは、信じられないといった顔で私を見ていた。
「フリーザードラゴンは、神に最も近い存在だって、自分のことをそう言ったにゃ。だから、ヒト族と同じような情を持ってても不思議はないにゃろ?だったら、四人のネコ戦士たちを迎え入れたはずにゃ」
と言うと、
「…神に…最も近い存在…」
とケラーさんがつぶやいた。
「そうにゃ。だからフリーザードラゴンは、モンスターとヒトの…そしてネコ戦士のこれからのために、私に会いに来て、色んなことを話してくれたんだと思うにゃ」
私の言葉に、ギルド長が
「…これからの…ために…」
と、呆然としてる様子で言った。
「私がこの世界に召喚されたのは、モンスターが増えてきたかららしいけど、ホントは違うと思うにゃ」
と私が言うと、
「え?!」
傭兵たちが驚いた顔をした。
「大昔に数が増えてきたヒト族が、モンスターを疎んじるようになったのは、自分たちが増えて、村とかを作るためにいろんなとこに動き始めたからにゃろ?それで、それからまたヒトは増えて、馬に乗ったり飛行艇に乗ったりして、さらに行動範囲を広げたにゃ。そしたら、今まで目に入らなかったモンスターたちが目に入るようになった…と思うにゃ」
そこまで私が言うと、
「…ヒトの行動範囲が広がったために、モンスターの数が増えたと感じるようになった…と…?」
とケラーさんが言った。
私はうなずいた。
そして、もっと分かりやすく説明しようと思った私は、ふと思いついた。
「ギルド長さんにもらったニワトリが、今、卵あっためてるのにゃ」
そう言ったら、みんな目が点になった。
「そ…それは良かった…な…?」
なんて返していいか分からなかったみたいで、ギルド長は疑問形で返してきた。
しまった、言葉足りなかった…
「ニワトリの卵が孵ったら、ヒナになって、ヒナはニワトリになるにゃ。モンスターたちも同じで、モールやツラーオも、私に倒されなかったやつが子供作って、また増えるのにゃ。だから、ある程度倒しても、モンスターは減らないにゃ」
私の言葉に、みんなはうなずくような、そうでもないような、あいまいな動きをした。
なので
「つまりにゃ…私が多少モンスターを倒しても、モンスターの数はたいして減らないのにゃ。だから、ヒトはモンスターと共存する道を選ばなきゃいけないにゃ。フリーザードラゴンが言いたかったのは、そういうことじゃないかと思うにゃ」
と続けて言った。
「モンスターとの…共存…」
とケラーさんはつぶやくように言った。
「そうにゃ。ベリー村では村長に頼まれてモールやツラーオを倒してるけどにゃ、倒し過ぎないように村長は気をつけてるにゃ。全滅させたら、もうモールもツラーオも食べられなくなるからにゃ」
今度こそ、みんなは、あっ!という顔になった。
そして
「そうか…絶滅するほど倒し過ぎず、時折倒すことによって、ヒトはモンスターからの恩恵を受け続けることができる…ということか…」
とギルド長が言った。
言いたかったことが伝わって、私はほっとした。
…となると、もうひとつ言っておかなきゃいけないことがある。
「フリーザードラゴンがアクアドラゴンを凍らせたのは、戯れだって言ってたにゃよ」
私がそう言うと、みんなは、へ?という顔になった。
「た…戯れ…とな…」
ケラーさんがそう言ったので、
「そうにゃ。アクアドラゴン、生きてたにゃろ?ちょっとイタズラして凍らせただけだったのにゃ」
と私は答えた。
そしたらギルド長が
「…で?何が言いたいのだ?」
と尋ねてきた。
察しが良くて助かる。
「アクアドラゴンなら凍らせても死なないけど、ヒトならどうにゃ?」
みんなは目を見開いた。
「モンスターと共存する道を選ばないと、もしかしたらフリーザードラゴンは、この国全体を凍らせて滅ぼすかもしれないにゃ。フリーザードラゴンにはそれだけの力があるにゃ」
私がそう言うと、みんなは凍りついた。
「なる…ほど…」
「…それは…困るどころの話じゃないな…」
みんなの反応を見て、私はうなずいた。
「モンスターをムダに倒したりしないようにするって約束したら、きっとフリーザードラゴンも、ヒトを滅ぼしたりしないはずにゃ。またフリーザードラゴンに会ったら、私が話をするにゃ」
「うむ。その折は頼む」
とケラーさんはうなずいた。
いつになるかは分からないけど、きっとまた会えるだろう…あの美しいドラゴンに。
その時はもっともっと、いろんなことを聞かせてもらおう。
フリーザードラゴンとの再会が楽しみだ…また吹雪起こされたらイヤだけど。
最近ネコがマジでフードもりもり食べてて心配です。三ツ星グルメの10歳以上用と、シーバの新しいやつをあげてるんですが…めっちゃ食べる…いいのか悪いのか…




