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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第8章 ネコ戦士、世界の秘密に近づく

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8-4 ネコ戦士、アクアドラゴンと再戦する

アクアドラゴンは体を大きく震わせた。

無理もない、氷漬けにされてたんだから。

だけどアクアドラゴンは寒い海でも泳ぐっぽいから、ファイアドラゴンほどには寒さに弱くはないだろう。

…となると、こっちに向かって泳いでくるかもしれない。

そう思って、私は慌てて武器を背負い直して防壁まで走り、防壁の上に飛び乗った。

「ウオオオオ!!」

アクアドラゴンは怒ったような声を上げて、浜辺に向かって泳いできた。

凍らせたのはフリーザードラゴンなのに、私たちに向かって怒るなんて八つ当たりじゃん…

そう思いながら見ていると、アクアドラゴンは津波を起こしながら浜辺に上陸した。

すごい波が起きたけど、防壁の上までは届かない程度で済んだ。

「撃て!!」

というギルド長の号令と共に、傭兵たちは弓につがえた矢を一斉に撃った。

私のアドバイスで改良した、カエシのついた先の細い矢だ。

傭兵たちが矢を撃っているのを見ていると、思ったより沢山の矢がしっかりとアクアドラゴンの体に刺さった。

「ウオオオオオオオ!!」

というアクアドラゴンの絶叫に、傭兵たちは凍りついた。

アクアドラゴンは必死で身をよじったけど、改良した矢は抜けなかった。

するとアクアドラゴンは向きを変えて、海に戻り始めた。

「おおっ!また撃退できたか?!」

傭兵たちが元気を取り戻して叫んだ。

と思ったら、アクアドラゴンは少しだけ海に戻った後、すごい勢いで上陸してきて、また津波が起きた。

その波は一部分だけど防壁を越えて、そこにいた傭兵たちは波に飲まれて防壁の内側に落ちていった。


「うわああっ!!」

と叫びながら、何人かの傭兵たちが防壁の内側に落ちていったので、

「大丈夫にゃ?!」

と私は傭兵たちに大声で怒鳴った。

返事はない。

5メートルの高さから落ちたら、手足を骨折するか、打ち所が悪ければ死ぬんじゃないのか?!

「ギルド長さん!落ちた傭兵たちを見てあげてにゃ!!」

私が必死に叫ぶと、ギルド長は

「救護班が控えている!!」

と私に向かって大声で叫んだ。

そして

「救護班!!兵たちは無事か?!」

とギルド長は防壁の内側に向かってそう叫んだ。

すると少し間があってから

「だ…大丈夫です…」

と救護班らしい人の弱々しい声がした。

「大量の水と共に流されてきたためか、皆に大きなけがはありません。私たちも流されましたが、皆無事です!!」

今度は元気な、大きな声がした。

私はほっとしたけど、防壁の上に残っていた傭兵たちを見ると、みんな震えていた。

アクアドラゴンはあの一発の津波で、傭兵たちを戦意喪失させることに成功したんだ。

当のアクアドラゴンは、刺さった矢を抜くのは諦めたのか、もう身をよじったりはしていなかった。

そして、砂浜の上でじっと…恨めし気にこちらを見ていた。


「ギルド長さん、どうするにゃ?」

私がそう尋ねると、ギルド長は

「ううむ…」

とうなって黙ってしまった。

もうこうなったら、私がやるしかないだろう。

でも私は正直、気が進まなかった。

最近ギルド長からもらったニワトリたちと接しているうちに、この世界に来てすぐに、モールを初めて倒した時の気持ちを思い出すようになってたからだ。

生き物の命を奪うなんて。

自分の手で誰かの命を奪うなんて、たとえ相手がモンスターでも、やっぱり辛い。

村のみんなが美味しいものを食べられるならって…そう思ってモールやツラーオを倒してるうちに、少しずつ感覚がマヒしてきてたけど。

アクアドラゴンの起こした津波で、このあたりにあった村が滅びたって聞いたけど。

強くて大きくて、そのモンスターが生きてるだけで、たくさんの人たちが迷惑するってわかってても。

やっぱり、他者の命を奪うことは、辛くて悲しいことだ。

そんなことを考えながら、私は防壁から砂浜に飛び降りた。

そして

「…ゴメンにゃ…」

とアクアドラゴンの目を見て言った。

アクアドラゴンは深い青色の大きな目を見開いた。

その目を見ながら…私は、アクアドラゴンの腹から喉笛に向かって跳び上がりながら、二本の武器で斬り上げた。


「ウオォ…ン…」

アクアドラゴンは小さな声を上げて、ずずーん…と音を立てて砂浜に倒れた。

防壁の上の傭兵たちは少しの間の後、お互いに抱き合って泣き始めた。

「うおおっ…ネコ戦士殿が…やってくれた…!!」

傭兵たちの声を聞きながら、私はアクアドラゴンの前で両前脚を合わせ、拝んだ。

ギルド長は、私の様子に何かを感じたのか、防壁の階段を下りてきて

「ネコ戦士殿…よくやってくれた…」

と言って、しゃがんで私の肩をぽん、と叩いた。

傭兵たちも砂浜に降りてきて

「ネコ戦士殿、解体しましょう!」

とうれしそうに言った。

そうだ。

命を奪ったからには、ちゃんと素材をいただかないと…

そう思って私は、アクアドラゴンにつけた傷から少しずつ、皮をめくった。

アクアドラゴンのきれいな水色の皮を剥ぎながら、私の目からは涙があふれてきた。

ごめんなさい…ごめんなさい…

心の中でずっと、私はアクアドラゴンに謝り続けた。

 

挿絵を描いてから、うちのネコの子猫の頃の画像を見たら、私の描いた絵と全然違ってむっちゃかわいかったです。やはりネコは天使。←

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